健康テーマ別特集: ロコモ:知って防ぐ VOL.1

【Q&A篇】 ポイントは筋力アップ

「ロコモ」とは、特に下半身の骨や筋肉が衰えて、立ったり歩いたりの日常生活が困難になるロコモティブシンドロームのこと。要介護や寝たきりの入り口と言われています。早めに察知してロコモ予防に努めるためのポイントを教えます。

40代になる前からはじめたいロコモ対策。
ポイントは筋力アップのための運動とタンパク質(アミノ酸)の摂取です。

教えてくれた先生

医療法人一心会 伊奈病院 整形外科部長
NPO法人 高齢者運動器疾患研究所代表理事
石橋 英明 先生

石橋 英明 先生

ロコモとは一体どのような状態ですか?

立つ、歩くなど、カラダを移動する能力の低下がはじまる状態です。

ロコモティブシンドローム(通称ロコモ、和名は運動器症候群)とは、足腰など運動器の障害のために歩くなど移動する能力が低下してしまい、要介護になってしまったり、将来要介護になる恐れが高くなる状態のことです。運動器とは、筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板など、身体を動かすための仕組みのことで、これらの運動器に障害が起こると、立つ、歩く、走る、階段の上り下りといったカラダの移動能力が低下して、歩行や日常生活に支障が出てくるのです。

ロコモは高齢者が注意するべきものではないのですか?

いいえ。40代から運動器が弱ってきますので、注意が必要です。

ロコモは高齢者だけが注意すべきものと思われがちですが、メタボと同じように40代から対策をはじめるべきです。40代になると骨や筋力や関節軟骨が徐々に弱くなってきます。

ロコモの3大要因は、骨粗しょう症などの骨の異常、変形性膝関節症や変形性脊椎症などの軟骨や椎間板の異常、そして加齢に伴う筋量や筋力の低下(サルコペニア。和名は筋肉減少症)です。膝や腰の痛みや不快感は骨、軟骨、椎間板に何らかの異常が起こっているサインですし、猫背などの悪い姿勢がクセになっている背景には筋量や筋力の低下があります。これらの自覚症状を放置しておくと、悪循環でますます骨や筋肉が弱くなり、鍛えられる時期を逸してしまうことになります。

ロコモ予防のポイントを教えてください。

筋力トレーニングとタンパク質(アミノ酸)の摂取です。

自分でできるロコモ予防対策は運動と食生活の改善が第一です。運動では、筋力をアップさせる筋力トレーニングが不可欠です。意識していただきたいのは、姿勢やバランスの維持に関わる足腰、体幹、背中などの筋肉に、普段加わっている以上の負荷を与えること。これを「過負荷の原則」といいます。

例えば、普段支障なく歩けている人が普通にウォーキングしてもロコモ予防の効果は低いのです。歩くなら途中に息が軽く上がるくらいの速歩を何度か入れたり、階段を積極的に上り下りしながら、筋肉を刺激してください。もちろん、負荷のかけ過ぎは禁物です。

食生活はバランス良く食べるのが基本中の基本ですが、そのうえでタンパク質の摂取を意識してください。筋肉も骨もタンパク質でできているからです。タンパク質は約20種類のアミノ酸からなりますが、そのうち9種類は体内で合成できない必須アミノ酸ですから、必須アミノ酸を含む良質のタンパク質を毎日摂ってください。この他、骨の維持にはカルシウム、ビタミンDとKも大切です。

Vol.2 【運動篇】おうちで簡単「美姿勢ロコモ体操」