暑い季節、冷たいそばやそうめんが食卓に登場する機会が増えますよね。「家で作るとお店のようにおいしくできない…」と感じたことはありませんか?実は乾麺のおいしさは「ゆで方」で大きく変わるんです。
今回は、そばメーカー・山本食品の山本社長と、そうめん研究家・ソーメン二郎さんに教わった、プロ直伝のゆで方をご紹介します。

インタビューした人
山本食品株式会社
山本修さん
そば作り一筋で、創業50周年を迎えた山本食品㈱の代表取締役社長。そばの名産地である長野県に会社を構えており、日本で初めて乾麺の十割そばの製造に成功した。十割そばの専用工場も持つ。
そば編①:たっぷりの水でゆでる
「そば」と一口に言っても、スーパーに並ぶ乾麺には、さまざまな種類があります。「十割そば」や「二八そば」といったフレーズを聞いたことがある人もきっと多いはず。
この「十割」や「二八」といった数字は、そば粉と小麦粉の割合を表しています。「十割そば」の場合はそば粉100%、「二八そば」の場合はそば粉80%、小麦粉20%が含まれているというわけです。

山本さん「十割そばの場合は、一人前であっても2.5リットル以上の水を使って、できるだけ大きな鍋でゆでてください。『麺が切れてしまう』というお声をいただくことがありますが、少ない湯の中で麺をかき混ぜてしまっていることがほとんど。理想は、そばが湯の中で“踊る”ような状態です。そうすると、そばに熱が伝わりやすく、切れるのを防ぐことができます。麺が踊りだす前に箸で強くかき回さないようにしましょう」
「十割そば」などそば粉の割合が多い乾麺は、そば粉が水に溶け出し、お湯にとろみがついてしまいます。それでも「踊るような状態」を保つためには、大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かす必要があります。
また、吹きこぼれそうになったときは、差し水をせずに火を弱めて対処するのもポイント。差し水をするとお湯の温度が下がり、そばが切れやすくなってしまいます。
そば編②:氷水+流水で歯切れよく
山本さん「そばがゆで上がったら、ザルにあげ、事前にボウルに用意しておいた氷水ですぐに冷やしましょう。氷水を使うことで、そばがぎゅっと引き締まり、歯切れがよくなります。ある程度冷めたら、そばを冷たい流水で、水の中で麺を踊らせるようによく洗い、ぬめりを取ります。最後に、水気をしっかり切ったら、冷たいそばのできあがりです」
かけそばなど、温かいそばの場合は、ゆで時間を15〜30秒ほど短めにし、同じように流水で洗います。そこから、一度ザルにあげ、さっと湯通しするといいのだそう。湯通しは、ポットで沸かしたお湯をかける程度でOKです。こうすることで、つゆの温度を下げずに麺を入れることができます。
大きな鍋が用意できない場合は、小麦粉の割合が多いものを選ぶのも一つの手です。「十割そば」に比べて湯にとろみがつきにくいので、小さめの鍋でも上手にゆでられます。食べたいそば料理やキッチンの環境に合わせて選んでみてくださいね。
≪乾麺そばをゆでるポイント≫
1.たっぷりの湯量で、そばを踊らせる
2.差し水ではなく、火加減で調整
3.氷水で締めて、流水でよく洗う
4.水気をしっかり切る
そうめん編①:麺の10倍の量の水でゆで、梅干しを加える
そうめんには、機械で生産する機械麺と手延べそうめんの2種類があります。
ソーメン二郎さん「職人さんが生地を延ばして延ばして、手でこよりのように撚って(よって)麺を作るのが手延べ。手延べかどうかは、麺のパッケージの裏を見れば分かります。『そうめん』と記載されているのが機械麺で、『手延べそうめん』と記載されているのが職人さんが作ったものです」
ソーメン二郎さんいわく、めんつゆでシンプルに食べるなら『のどばしり』がいい手延べがオススメとのこと。機械麺は、チャンプルーなどのアレンジを加えるとよりおいしく食べることができます。

ソーメン二郎さん「麺1束(50g)に対して10倍の水を沸かしてください。すると麺がお湯の中で対流し、おいしくゆで上がります。吹きこぼれたときに差し水(びっくり水)を入れる人も多いですが、お湯の温度が下がるので私はやりません。火を弱めるだけで大丈夫です」

ソーメン二郎さん「お湯が沸騰したら、梅干を一粒入れてください。小麦のグルテンがギュッと引き締まります。梅干しの色や臭いがつくことはないので安心してください」
そうめん編②:冷水で揉み洗いし、水気を絞る
ゆで上がったらザルにあげ、冷水でよく揉み洗いします。

ソーメン二郎さん「冷水で3回くらいしっかり揉み洗いをします。手延べそうめんは丈夫なので強めに洗って大丈夫。麺の油と塩を洗い流すと『のどばしり』がよくなります」
揉み洗いの後は氷水でしっかり締め、ギュッと絞って水分を切るのがポイント。

ソーメン二郎さん「ギュッと絞るとかなり水が出ます。ちゃんと絞らないと、水でめんつゆが薄まってしまうんですよ。器に氷水と一緒にそうめんを盛るのはおすすめしません。長時間そうめんを氷水に入れると、水分を吸ってコシがなくなってしまいます。食べる前によく水分を切ってください」
≪そうめんをゆでるポイント≫
1.麺の量の10倍の水量でゆでる
2.差し水ではなく、火加減で調整
3.梅干しを加えてコシをアップ
4.流水でよく洗い、氷水で締める
5.水気をしっかり切る
プロ直伝のポイントをおさえれば「麺名人」に

そばメーカーとして、そばと向き合い続けてきた山本食品の山本さんと、そうめん研究家として、さまざまな麺を扱ってきたソーメン二郎さん。お二人に教えていただいたコツをおさえれば、乾麺のそばもそうめんも驚くほどおいしくなります。
どちらにも共通するのは、たっぷりの湯でゆで、氷水で締めたら、水気をしっかり切ること。これさえ守れば、今日から「麺名人」です!みなさんのオススメのそば&そうめんの食べ方があれば、コメント欄より教えてください♪
この記事は過去に公開した記事を再編集しています

