秋になると、ふと恋しくなる焼き芋。最近はスーパーの店頭でもよく見かけるようになりましたが、いざ家で焼いてみると「思ったより甘くならない」「断面がパサついてしまった」という経験のある方も多いのではないでしょうか。
じつは焼き芋は、家にあるトースターとアルミホイルだけでも、ちょっとしたコツを押さえればしっとりおいしく焼くことができるんです。
今回お話を聞いたのは、家庭用アルミホイルをはじめ、キッチンまわりの商品を手がける東洋アルミエコープロダクツの和田さん。取材中、印象的だったのは、和田さんがアルミホイルについて楽しそうに、そして熱量たっぷりに語ってくださったこと。ひとつ質問すると、次々に知識やエピソードが返ってきて、編集部も思わず「なるほど」とうなずく話ばかりでした。
そんな和田さんに、今回はアルミホイルのさまざまな活用法の中から、おうちで焼き芋をおいしく作るコツを教えていただきました。

インタビューした人
東洋アルミエコープロダクツ株式会社
和田美香さん
2009年入社。家庭用アルミホイルなどキッチンまわり商品の企画・開発を経て、現在は広報を担当。商品の使い方や暮らしに役立つ情報を発信するWebサイト・コミュニティの運営を中心に、情報発信を幅広く手がける。アルミホイルへの愛と探究心が深く、 日々、新しい使い道や、家庭で役立つ活用法を探している。
焼くと甘みがぎゅっと凝縮。焼き芋がおいしい理由
さつまいもの調理法は、蒸す、ゆでる、焼く……とさまざま。使う調理器具も、電子レンジ、オーブン、トースター、魚焼きグリルなど数多くあるため、どれがよいのか迷ってしまいます。
和田さんによると、調理法や器具の特徴を知っておくと、家でも失敗しにくく、おいしい焼き芋を作れるのだそう。


和田さん「さつまいもは、蒸すと水蒸気に包まれてゆっくり火が入るので、しっとり仕上がります。ゆでると、冷めてもパサつきにくく、お弁当向きですね。電子レンジは手軽ですし、水分が飛ぶぶん、ホクホクした食感が好きな方に向いています。
それぞれによさがありますが、さつまいもの甘みをしっかり楽しむなら、やっぱり焼き芋。焼くことで適度に水分が抜けて、甘みがぎゅっと凝縮されるんです」
家庭で焼く方法はいくつかありますが、オーブンはじっくり時間がかかり、魚焼きグリルは焦げやすいため、手軽さで選ぶならトースターがオススメです。

和田さん「トースターで焼き芋を作るなら、アルミホイルで包んで焼いてみてください。水分が逃げにくいので、しっとり焼き上がります。蒸すと焼くが同時にできるのも、包み焼きのいいところ。焼き芋ならではの香ばしい香りも楽しめますよ。予熱も不要で、焼いている間ずっとそばについている必要もありません。包んでトースターに入れるだけなので、意外と手軽ですよ」
では、なぜアルミホイルで包むと、しっとりおいしく焼き上がるのでしょうか。理由は、アルミホイルという素材そのものの性質にありました。


和田さん「アルミホイルは、水も油も酸素も通しません。包んで端をしっかり折り込んで閉じれば、中はある程度密閉された状態になり、水蒸気がホイルの中を循環するんです。鍋にフタをしているのと同じですね。クッキングシートは水分をわずかに逃がしてしまいますが、アルミホイルは逃がしません。
密閉されるということは、さつまいもが持っている水分やうま味が、外へ出にくいということ。ゆでるとうま味や栄養素の一部が湯に溶け出すことがありますが、包み焼きなら素材の中にとどまりやすくなります」

アルミホイルで包むことで、水分とうま味を閉じ込めながら、トースターの熱をしっかり伝えられる。だからこそ、家庭でもパサつきにくく、しっとりおいしい焼き芋に近づけるのです。
東洋アルミさん直伝!おうち焼き芋“きほん”の焼き方
ここからは、和田さんに教えていただいた基本の焼き方を紹介します。家でも手軽に試せる、おいしく仕上げるためのコツを見ていきましょう。
1. さつまいもをよく洗い、水気を残す

洗ったあとの水気は拭き取らず、表面が濡れたままアルミホイルで包みます。その水分が加熱中に水蒸気になり、ホイルの中でさつまいもを包み込むことで、しっとり焼き上がります。
2. 皮に浅く切り込みを入れる

皮をむいて食べたい人は、焼く前に上下に皮だけが切れるくらいの浅い切り込みを入れておきます。焼くと切り込みから皮がぴりっとめくれるようになり、食べるときに外しやすくなります。皮ごと食べたい場合は、この工程は省いてもOKです。
3. 焼く前に輪切りにするのもおすすめ

端を切り落とし、2〜3cmの輪切りにすると、火の通りが早く、均一に焼き上がりやすくなります。家族で分けて食べる場合や、食べやすくしておきたいときは、先に切っておくと便利です。
4. アルミホイルでぴったりと包む

アルミホイルは、さつまいもに沿わせるようにぴったり包みます。すき間があると空気の層ができ、熱が伝わりにくくなるためです。
二重に巻くとかえって空気の層ができることがあるので、1枚のホイルを密着させるように包むのがコツです。
5. トースターで焼く

予熱なしで、1000Wで35~40分ほどが目安です。焼き時間は、さつまいもの大きさや厚み、トースターの機種によって変わります。様子を見ながら加熱してください。
6. 竹串がすっと通れば焼き上がり

ホイルの上から竹串を刺し、すっと通れば焼き上がりです。串が途中で引っかかるようなら、5分ほど追加で加熱しましょう。輪切りにしている場合は、断面の色も火の通り具合を確認する目安になります。
7. こんがりさせたいときは、開いてもう一度加熱

こんがり仕上げたいときは、焼き上がったあとにホイルを開いて、もう一度トースターへ。焦げ目を足したり、バターやチーズをのせてアレンジしたりできるのも、包み焼きのいいところです。
仕上げは「アジシオ®」で素材の味を引き立てる
焼き上がった熱々の焼き芋にぜひ試してほしいのが、「アジシオ®」。
そのままでもおいしい焼き芋ですが、「アジシオ®」をふると、塩味とうま味が加わり、さつまいもの味わいがぐっと引き立ちます。試食した編集部でも、ひと口食べて思わず「おぉ!」と声が出るおいしさでした。

「アジシオ®」は、食塩にうま味成分を加えたおいしいお塩。うま味成分は、素材そのものの味を引き出し、調和させ、おいしさを生み出します。
熱々の断面に、お好みの量をふって味わってみてください。
品種や大きさを問わず楽しめる、包み焼きの手軽さ
さつまいもには、紅はるか、安納芋、シルクスイート、紅あずま……とたくさんの品種があり、ねっとり系かホクホク系かで食感も甘みも変わります。和田さんによると、どの品種も包み焼きとは相性がいいのだそう。


和田さん「私がいちばんよく使うのは鳴門金時です。手に入りやすいですし、栗のような風味と、いい意味での歯ごたえが少し残る感じに焼けるんですよ」
また、サイズが小さいさつまいもも、ホイルで包めば丸ごと焼けるのが包み焼きのいいところ。和田さんも、お子さんが芋掘りから小さなお芋をたくさん持ち帰ってきて、どう食べようかと考えた経験があるのだそう。

和田さん「子どもがうれしそうにたくさん持って帰ってくるんですけど、正直『こんなに持って帰ってきたか』って思うんですよ(笑)。皮をむくのも大変ですし。でも、丁寧に洗って丸ごと包んで焼けば、小さくてもちゃんと甘くておいしいんです。
コクを加えたいときはバターを添えたり、食べきれなかったときは冷蔵庫で冷やしたりするのもおすすめです。冷やし焼き芋にアイスを添えれば、ちょっとしたデザートとしても楽しめます」
焼き芋好きなら試したい「石焼きいも®黒ホイル」
ここまで紹介してきたのは、家にある一般的なアルミホイルでできる方法です。
さらに短時間で、本格的な焼き芋らしさを楽しみたい人には、和田さんが商品開発に携わった「石焼きいも®黒ホイル」という選択肢もあります。


和田さん「黒には熱を吸収しやすい性質があります。『石焼きいも®黒ホイル』はその特徴を活かして、トースターの熱を効率よく取り込み、ホイルの中の温度を上げやすくしているんです」
包み方は普通のアルミホイルと同じですが、同じ条件で比べた場合、黒ホイルなら加熱時間は約半分が目安です。短時間で焼き上がりやすく、焦げ目や蜜の香ばしさも楽しめます。焼き芋好きなら、見かけたときに試してみたくなるアイテムです。


普通のアルミホイルでも、「石焼きいも®黒ホイル」でも、基本は洗って、包んで、焼くだけ。最後に和田さんが、焼き芋づくりに挑戦する人へ背中を押してくれました。

和田さん「竹串を刺してみて、火の通りが怪しいなと思ったら、5分ずつ足していけば大丈夫。焼きすぎたかなと思うくらいでも、やわらかくなるだけなので、そんなに失敗を恐れなくていいと思います。
今年の秋は、おうちで気軽に焼き芋を楽しんでもらえたらうれしいです」
さつまいもを洗って水気を残し、アルミホイルでぴったり包んでトースターへ。仕上げに「アジシオ®」を振れば、塩味とうま味がさつまいもの味を引き立てます。
さつまいもの品種や、焼き芋以外の楽しみ方をもっと知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。

