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お正月の食べ疲れにはこれ!ツレヅレハナコさんに教わる「からだ整え」レシピ

お正月の食べ疲れにはこれ!ツレヅレハナコさんに教わる「からだ整え」レシピ

2025/01/09

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年末年始の食べ過ぎや飲み過ぎで「胃腸が疲れ気味」という人や、新年を機に「食生活を見直したい」と思っている人は少なくないはず。

今回は、「おいしいものとお酒が大好き」という文筆家・料理研究家のツレヅレハナコさんに、ご本人が日々実践している「からだ整え丼」について、お話を伺いました。

毎日の家ごはんで、手軽においしく栄養バランスをとるコツは必見です!

インタビューした人

文筆家・料理研究家

ツレヅレハナコさん

食と酒と旅を愛し、多くの雑誌やWEBでレシピの提案やエッセイなどを寄稿。近著に『ツレヅレハナコのおいしい名店旅行記』(世界文化社)、『47歳、ゆる晩酌はじめました。』(KADOKAWA)、『世界の現地ごはん帖』(光文社)、『ツレヅレハナコのからだ整え丼』(Gakken)など。

  1. ゆでるだけ、炒めるだけ。作り置き未満の「からだ整え丼」とは?
  2. 実践! にんじんとひじきの「仕込みおき」
  3. 1、2品からでOK。“続ける”ことが大事

01
ゆでるだけ、炒めるだけ。作り置き未満の
「からだ整え丼」とは?

これまでに食にまつわる書籍を20冊以上も執筆してきた、ツレヅレハナコさん。日々の食生活を綴ったSNS(@turehana1)も人気で、幅広い世代の食通や料理好きから注目を集めています。

そんなツレヅレさんのinstagramに2年ほど前から投稿されるようになったのが、玄米をベースに、野菜や納豆、海藻、肉や魚が彩りよく盛りつけられたどんぶり。のちに「からだ整え丼」と名づけられ、新たに1冊の本が生まれました。

レシピのほとんどが1〜2工程で完成する手軽さが魅力の1冊。2024年6月に出版された『パパッと作れる「仕込みおき」で ツレヅレハナコのからだ整え丼』(Gakken)

ツレヅレさん「外食が多くても、食事の時間が不規則でも、特に体調をくずしたことがなく、体力にはずっと自信がありました。それが40代になり、さらに歳を重ねるにつれて、疲れやすくなったり胃もたれしたり、あきらかにカラダの老化を感じるように……。それで、まずは家での食事を見直してみようと試したのが、『からだ整え丼』の始まりでした」

「からだ整え丼」のモットーは、「がんばりすぎないこと」とツレヅレさん。そして毎日でも飽きずにおいしく食べるためのポイントは、それぞれを薄味にとどめておくことと、作りすぎないことだとか。

ツレヅレさんの自宅キッチン。国内外で手に入れた調理道具や器がずらり

ツレヅレさん「この先も外食やお酒を楽しむために、簡単で、ゆるく長く続けられる方法がいいと思って。それでたどりついたのが、味を決めすぎない作りおき未満の『仕込みおき』です。もともと明日食べるものは明日決めたいタイプで、味が決まりすぎていると飽きてしまうんです。なので、1つの食材をゆでるだけ、炒めるだけといったシンプルな方法で調理し、『少し薄いかな』ぐらいの味にしています。

時間のあるときに作っておけば、あとはごはんに栄養と彩りのバランスを見てのせるだけ。薄味でも、丼にして混ぜると意外とちょうどよくなるし、少し味を足しておつまみとして食べることもあります。市販のレトルトカレーやおかずに1、2品合わせるだけでも、野菜不足の罪悪感が軽くなりますよ」

02
実践! にんじんとひじきの「仕込みおき」

日々の食事のバランスをとるのにぴったりな「仕込みおき」。今回は、ツレヅレさんもよく作るという2品を例に、作り方や考え方の基本を教えていただきました。

材料&調理手順

にんじんの塩ごま油炒め

材料(作りやすい分量)
にんじん
1本
ごま油
大さじ1
少々

ゆでひじきのすりごまポン酢和え

材料(作りやすい分量)
芽ひじき
15〜20g
ポン酢
大さじ3
すり白ごま
大さじ2

1.まずは、にんじんを使った“炒めおき”から。にんじんは皮をむき、スライサーでせん切りにします。

2.フライパンにごま油を中火で熱し、にんじん、塩を入れて2〜3分炒めたら完成。

保存容器は冷凍も電子レンジでの加熱もできる「キープスラッパー」を愛用。薄手で、どの容量でもフタのサイズが共通なので、冷蔵庫内で積み重ね収納がしやすくお気に入りだそう。「食材の減り具合が目で見てわかるので、『これをもっと食べた方いいな』など、栄養バランスも取りやすくなりました」(ツレヅレさん)

ツレヅレさん「1年中安定した価格で手に入るにんじんは、栄養素、色合いともに『からだ整え丼』に欠かせないスタメン食材。炒める以外にも、ラペ(洋風の酢漬け)にしたりスープに入れたり、せん切りにしておくだけでも何かと重宝します」

3.続いて、ひじきは“和えおき”に。芽ひじきはたっぷりの水に15分ほど浸けて戻し、沸騰したお湯で30秒ほどゆでたらざるに上げ、粗熱をとります。

今回はだしのうま味がきいたやさしい味わいのポン酢を使用。「料理が苦手な人や初心者の人は、あらかじめ味が決まっている便利な合わせ調味料をどんどん活用すればいいと思いますよ」(ツレヅレさん)

4.粗熱がとれたら保存容器に移し、ひじきが温かいうちにポン酢、すり白ごまを入れ、全体を和えたら完成。

ツレヅレさん「乾物は保存がきくし、さらにミネラルや食物繊維などの栄養価も高いので、積極的にとりたい食材。ただ、ひじき=甘辛い五目煮というイメージが強いので、どうしてもハードルの高さを感じてしまいますよね。でも、このレシピは食材がひじきだけなので思いたったときに作れるし、さっぱりした味わいなのでサラダや和え物にアレンジもできます。すり白ごまを入れると、磯くささが抑えられてより食べやすくなりますよ」

1品ずつ食べても、途中で混ぜて食べてもおいしい。「スリランカカレーのように、全体が混ざった味も好きなんです。私は主食の炭水化物を、圧力鍋で炊いた発芽玄米にしていますが、白米でも雑穀米でもお好みでどうぞ」(ツレヅレさん)

この日は、発芽玄米ににんじんとひじきの仕込みおきをのせ、ローズマリー風味をつけた鶏ハム、紅芯大根の甘酢漬け、半熟のゆで卵を添えて。わずか3分で、彩り豊かな「からだ整え丼」が完成しました。

ツレヅレさん「炭水化物、たんぱく質、ビタミンやミネラルのバランスを意識しながら、そのとき冷蔵庫にある仕込みおき食材を組み合わせています。今日の鶏ハムは市販のシーズニングで味付けしています。全部自分で作ろうとしすぎないことも、続けるコツです」

03
1、2品からでOK。“続ける”ことが大事

毎日いずれかの食事で「からだ整え丼」を食べているというツレヅレさん。外食のペースは変わらないものの、以前と比べてカラダの不調を感じることが減り、「バランスのいい食事をとっている」という自負が自信につながり、心持ちもすこやかになったそう。「中身は変わっても、きっと一生作ると思う」と話します。

ツレヅレさん「冷蔵庫に仕込みおきがあると思うと、買い食いの誘惑も減りました。まずは、自分が気に入ったものを1、2品仕込んでおくだけでも十分。手間をかけずに“続ける”ことが重要なので、作りながら各家庭でやりやすいようにカスタマイズしてみてください」

1月は食生活を見直すいい機会。手軽でおいしい「からだ整え丼」で、新年の軽やかなスタートをきりましょう!

  • 執筆/木下 美和 撮影/須古 恵 編集/長谷川 賢人
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