子どもから大人まで世代を問わず人気の「パスタ」。市販のパスタソースの種類も年々増え、家庭でさまざまな味わいを楽しめるようになりました。
味の素社では、そんな自宅で作るパスタを、手軽なまま本格的なひと皿へとバージョンアップできる、粉末タイプの新感覚のパスタ用調味料セット「Mio Brodo™(ミオブロード)」〈トマト〉〈チーズ〉〈魚介〉を開発。通販限定で発売しました!
商品名の「ブロード」とは、イタリア料理において、日本の「だし」のようなもの。「ブロード」に注目した理由や、既存のパスタソースとは一線を画す“パウダー化”に挑戦した背景など、開発秘話をたっぷり聞きました。

インタビューした人
マーケティングデザインセンターD2C事業部
井上 治紀さん

インタビューした人
マーケティングデザインセンターD2C事業部
深山 桂都さん
- パスタにうま味を仕込む。イタリアの基本だし「ブロード」とは?
- 作れば納得! パウダーだからこそ再現できた本場の味わい
- 作り手の数だけアレンジが広がる。“余白”のある製品設計
- 生活者の声とともに、より楽しい製品へと進化させたい!
01
パスタにうま味を仕込む。イタリアの基本だし
「ブロード」とは?
「Mio Brodo™」(以下、「ミオブロード」)という製品名にも冠した「ブロード」とは、イタリア料理における基本だしのこと。コンソメは「完成された」という意味のフランス語で、調味までされていますが、ブロードはその手前の「だし」の状態。現地ではレストランはもちろん、家庭でも愛用されていて、香味野菜やハーブをじっくり煮詰めた奥深く、優しい味わいが特徴です。

井上さん「開発のきっかけは、企画の初期段階にイタリアンのシェフをお招きして、イタリア全20州のパスタを作ってもらった時でした。シェフが調理の要所でボトル入りの調味液を使っていることに気づいて、それが『ブロード』でした。イタリア料理の基本だしとして、現地ではパスタやリゾット、ラザニアなどに幅広く使われていることを知り、『だしにこだわる味の素社だからこそ、新しい挑戦ができるのでは』と、ブロードを軸にした製品設計が始まりました」

現地イタリアのブロードは、3〜4時間かけて具材を煮詰め、抽出したものを瓶などの容器に移して少しずつ使うのが一般的。そんな手間暇のかかるブロードを、「ミオブロード」は“パウダー”で再現し、誰もが手軽に、なおかつ、安定したうま味を引き出せる形に設計しています。

ポイントは、「ブロード」とパスタソースパウダーを別々にしたこと。パスタソースパウダーは〈トマト〉〈チーズ〉〈魚介〉でそれぞれ違いますが、ブロードは3種とも共通しています。
井上さん「ブロードパウダーには、7種類の野菜とハーブの味わいをギュッと凝縮しています。味の素社独自の『おいしさ設計技術®︎』で、いわゆる塩や砂糖などの基礎調味料を最小限にとどめ、野菜のうま味や甘味を核に、おいしさの成分を究極まで高めました。このブロードをパスタソースと分けて、まずパスタにブロードを吸わせることでベースのうま味を“仕込む”。これこそが『ミオブロード』の最大の特徴です」

02
作れば納得! パウダー「だからこそ」再現できた本場の味わい
ブロードの役割が分かったところで、ここからは調理を交えてさらに「ミオブロード」のおいしさを深掘り!
今回は〈チーズ〉を使い、シンプルな材料で挑戦できる「レモンのパスタ」を深山さんが実演。手順を通して、ブロードを入れるタイミングや、パウダーならではのメリットを教えてもらいました。

深山さん「ブロードはパスタのゆで汁に混ぜて使うので、ゆで汁さえうっかり捨てなければうまくいきます(笑)。まず、鍋に湯を沸かして塩を加え、パスタを表示時間より2分半〜3分短めにゆでます。フライパンにはオリーブオイルとにんにくを入れ、香りが出るまで弱火で炒めてください。にんにくはスライスやみじん切り、つぶすだけでも大丈夫です。今回はつぶしたにんにくを入れますが、〈トマト〉や〈魚介〉を作るときは一番香りが強く感じられるみじん切りがオススメです!
にんにくの香りが立ってきたらフライパンの火を止めて、パスタのゆで汁をお玉3杯程度と、ブロードを加えます。2人分を一度に作る場合は、ゆで汁は2倍ではなく、お玉5杯程度にするとちょうどよくまとまりますよ」


深山さん「ゆで上がったパスタのお湯をきってフライパンに入れ、ブロードを溶かしたスープで2分ほど煮込み、水分が若干残っている状態で火を止めます。そこに〈チーズ〉ソースのパウダーを加えてよく混ぜ合わせます。最初は汁気が多いように見えても、パウダーを混ぜ合わせるうちにちょうどいい具合のとろみ感になるので、安心してください。仕上げに刻んだパセリを散らし、レモンを添えたら完成です!お好みでレモンを絞ったり、皮を削ったりしてみてくださいね」



深山さん「ソースをパウダーにしたことで、『麺とソースの一体感』を高めることができました。開発に携わったシェフ曰く、本場イタリアのパスタはオイルと水分を乳化させ、麺と煮込んで一体化させるのが主流だそうです。そういった意味でも、本場の味が再現できたんじゃないかなと思います」

井上さん「さらに、開発を進める中で偶然にもうれしい発見がありました。ブロードを麺に吸わせてからソースを絡める、という2段階に調理工程を分けることによって、完成後もゆでたての麺のコシや弾力が維持されるということが判明したんです。これは当社ならではの技術だということで、現在特許を申請中です」
03
作り手の数だけアレンジが広がる、“余白”のある製品設計
「ミオブロード」のラインナップは、パスタソースの定番である〈トマト〉〈チーズ〉〈魚介〉の3種類。あえてシンプルなフレーバーに絞ったのは、「料理の“楽しさ”を感じられる商品にしたい」という想いが起点だといいます。

井上さん「味の素社で実施した世界的な調査をもとに『料理を楽しむには何が大切か?』を考えると、『誰でも上手にできるけれど、料理した実感がある』という気持ちが見えてきました。さらに踏み込むと『料理に対して、褒められること』が大切だと気づきました。
家族のために料理をして、褒められることで、また料理がしたくなる。そういう気持ちを後押しできるように、『ミオブロード』は作る人が“楽しさ”や“よろこび”を感じられる要素を大事にしよう、となったんです。フレーバーをシンプルな3種の味に絞ったのも、作り手側で自分なりのアレンジをいくらでも広げられる“余白”を持たせたいという想いからです」

深山さん「たとえば〈トマト〉であれば、ひき肉と玉ねぎを加えればボロネーゼができるし、もっと簡単に目玉焼きを半熟に焼いて乗せるだけでもOKです! 料理好きの方にはもちろん、普段あまり料理をしない方にもぜひ試してほしいです。『ミオブロード』を使って、“自分って料理上手かも! ”と自分を褒めてもらえたらうれしいですね。」
04
お客さまの声とともに、より楽しい製品へと進化させたい!
料理をする人の“楽しさ・よろこび”を起点に生まれた「ミオブロード」。インタビューの最後にお二人が語ってくれたのは、「発売して終わりではなく、まだまだ進化させていきたい」という熱い意気込みでした。

井上さん「『ミオブロード』の開発は、試作の段階から味の素社の公式通販や AJINOMOTO PARKの コミュニティ「味のもト~ク」で繋がっている会員のお客さまにご協力いただきました。実際に調理・実食した感想や、調理過程における気持ちの変化などを半年近く緻密にヒアリングして、改善・改良を重ねながら完成へと辿り着けたのです」

深山さん「ヒアリングを通して、食卓でどんな会話が生まれているのか、調理工程で不安を感じた部分、おいしいと褒められてうれしい気持ちになった経験など、かなり深いところまでお客さまの視点を知ることができたのは、とても貴重な経験でした。今後もこうした声を素早く反映して、より楽しい製品へとブラッシュアップしていきたいと思っています。レシピのアレンジも含め、まさに『ミオ(=私の)ブロード』と感じていただけるように、お客さまと一緒につくり上げていくブランドを目指したいですね」

コンセプトから作り方、味わい、パッケージに至るまで、ワクワク要素が詰まった「ミオブロード」で、いつものパスタを特別なひと皿へと格上げしてみませんか。