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「スマホ見ながら飯」をやめたら何が起きる?ラジオ好き社員が考えた、新しい食事のスタイル

「スマホ見ながら飯」をやめたら何が起きる?ラジオ好き社員が考えた、新しい食事のスタイル

2025/05/29

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みなさんはひとりで食事するときに、スマホを見ながらごはんを食べた経験はありますか?2024年に味の素社が実施した「スマホ見ながら飯」の調査によると、ひとり暮らしをしている10~20代の約8割が「スマホを見ながら食事をしている」と回答しました。

好きなものを見ながらごはんを食べる時間は癒しの時間でもありますが、スマホに集中しすぎると、食事本来のおいしさを味わえなかったり、食べすぎに繋がったりすることもあるそうです。

そこで、「好きなものも、ごはんのおいしさも、どちらも楽しめないか」と考えたのが味の素社の油谷さん。その一つの答えがラジオを活用した「音飯(おとめし)」でした。

今回は、「音飯プロジェクト」を考案した油谷さんに、立ち上げの経緯や、「音飯」の楽しみ方を聞きました。

インタビューした人

マーケティングデザインセンターコミュニケーション戦略グループ

油谷 一輝さん

2017年中途入社。入社当時からデジタル領域を中心としたコミュニケーション領域に従事。週末は1歳の子供と遊んで息抜きをすることが楽しみ。

  1. 「スマホ見ながら飯」はごはんをおいしく感じづらい!?
  2. ラジオの魅力が「音飯」にぴったり!
  3. ラジオ局×飲食店の取り組みも
  4. 家での食事にも、「音飯」を取り入れてみて

01
「スマホ見ながら飯」はごはんをおいしく感じづらい!?

(AJINOMOTO PARK編集部・瀧本も体感して、今回の記事につながりました!)

専門家によると、画面操作のために手を使い、表示される情報も頻繁に変化するスマホは食事への集中力を削いでしまうのだそう。本来のおいしさ・味わいを感じづらくなるだけでなく、食べすぎや栄養バランスの偏りといった健康リスクを生むと考えられており、現代の食事におけるひとつの課題となっています。

この問題に対し、味の素社はこれまでにも、食事中にスマホを置くことを促した「団ランランタン」などの施策を実施。ただ、これらは家族や友達、パートナーとの食事中のスマホ利用に対するものでした。

今回、スポットを当てたのはひとりでの食事中のスマホ利用。全国の10〜50代の単身世帯500名を対象に調査をすると、10〜20代の約8割が「スマホを見ながら食事をしている」と回答。さらに「スマホ見ながら飯」率が高い10〜20代の約半数が「味わって食事ができていない」ことが明らかになりました。

その一方で、視覚情報を奪われない、音楽やラジオを聞きながら食べる人は、「食事を味わっている・集中している」割合が高いこともわかったのです。

そこで味の素社は、「スマホ見ながら飯」に代わる食事の楽しみ方として、音楽やラジオ、オーディオブックを聞きながら食事をする「音飯」を提案。2024年11月から「音飯プロジェクト」がスタートしました。

02
ラジオの魅力が「音飯」にぴったり!

「音飯」で聞くものは好みでいいのですが、油谷さんはラジオに注目。「『スマホ見ながら飯』をする人は、日常を忘れて没入できるコンテンツを求めているのでは?」と考え、出演者のトークなどが聞けるラジオがぴったりだと思ったのだそう。

加えて、実は油谷さんもラジオ好き。高校生の頃、周りがYouTubeなどの映像コンテンツを見ている中、ラジオの面白さにハマったと言います。

油谷さん「ラジオの魅力は、テレビにはないコミュニティ感。“部室みたい”とも表現されるように、ラジオを聞いている人だけが知っていることがあったり、出演者と聴取者との距離感が近かったりというのも魅力ですね」

また、最近は若い世代の間でもラジオは盛り上がりを見せていて、ラジオ局が主催するリアルイベントも増えています。実際に、ニッポン放送の人気番組「オードリーのオールナイトニッポン」発の東京ドームイベント(2024年2月開催)は約5万3000人を動員。ほかにもラジオをきっかけにしたイベントが多数開催されています。

油谷さん「アプリやパソコンでラジオが聞けるサービスの『radiko』や、ラジオ局や個人が制作して配信している『ポッドキャスト』が普及して、好きな時間に好きな番組を聞けるようになったのが大きいですね。私自身も、食事中や通勤時によく聞いているので、ラジオの面白さをより多くの人に知ってほしいなと思っています」

03
ラジオ局×飲食店の取り組みも

2024年11月にスタートした「音飯プロジェクト」。具体的な施策を実施するにあたり、飲食店に「スマホ見ながら飯」について聞いてみると、「見た目にもこだわって作っているので、スマホではなく料理を見て食べてほしい」「回転率を上げることにつながれば」という切実な意見が集まりました。

そこで、2025年3月には、「音飯」に賛同した渋谷区の飲食店17店舗とラジオ5局とともに、「渋谷音飯プロジェクト」を実施しました。

この「渋谷音飯プロジェクト」は、渋谷区の飲食店17店舗で「音飯」が体験できるというもの。一部店舗では、「オールナイトニッポンPODCAST 佐々木彩夏の0100」「きしたかののブタピエロ」など、既存の人気番組からのスピンオフ・コンテンツを限定配信し、リスナーの間で話題となりました。

油谷さん「お店で写真を撮ってXに投稿してくれたファンの方もいらっしゃって、ラジオならではのコアなファンの反応が見られてうれしかったですね」

また、「渋谷音飯プロジェクト」では体験手順として、①好きな音声を設定→②スマホを裏返して置く→③聞きながら食べる、という流れを設定しました。あえて②のスマホを裏返す手順を加えたのにも理由がありました。

油谷さん「やっぱりLINEやメールなどの通知が来るとつい気になるので、食事に集中するためにもスマホの画面が見えないようにしたいと考えました」

04
家での食事にも、「音飯」を取り入れてみて

「渋谷音飯プロジェクト」は3月で終了しましたが、今後も「音飯」の取り組みは続けていく予定です。

油谷さん「食事を楽しむために、視覚情報はとても大事!スマホばかりに熱中してしまって、ごはんのおいしさを感じられないのはもったいないと思います。『スマホ見ながら飯』という社会課題を解決しつつ、ラジオをはじめとした音声メディア業界も盛り上げていけたらうれしいですね」

今回紹介した「音飯」は、ひとりでの外食はもちろん、自宅でも簡単にできるのがいいところ。料理や食事のお供に「音」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

  • 執筆/溝上 夕貴 編集/長谷川 賢人

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