東北に根付く、秋を告げる食文化「芋煮」をご存じですか? 外の空気が秋めいてくると、東北各地では家族や仲間と河川敷に集まり、大鍋を囲んで「芋煮会」を楽しむのが恒例なのだとか。
今回お話を聞いたのは、東北支社で山形エリアの営業を担当する平井友香子さん。京都出身ながら芋煮文化に衝撃を受け、今ではすっかりその魅力にハマっているそうです。現地での楽しみ方や、「日本一の芋煮会フェスティバル」の魅力を伺いました。

インタビューした人
東北支社 家庭用グループ(営業担当)
平井 友香子さん
2023年入社。現在は山形エリアのスーパーマーケットを中心とした家庭用製品の営業を担当。東北ならではの食文化や地域ごとに異なる食の好みを体感しながら、売場づくりの提案や取引先とのコミュニケーションに取り組む。プライベートでは高校時代からラクロスにいそしみ、社会人チームで試合に出場するほか、東北大学のラクロス部でコーチとしても活動中。
山形市内はしょうゆ、庄内地方はみそが定番。地域色豊かな芋煮

――平井さんが最初に芋煮文化に触れたとき、どのように感じましたか?
平井さん「京都出身なので、東北支社に入社・赴任するまでは東北地方にはまったくゆかりがなくて、もちろん芋煮がこんなに地域に根付いた食文化だとは知りませんでした。
今は入社4年目で、最初の2年間は宮城、今は山形エリアを担当していますが、この地で暮らし始めて以来、“秋=芋煮の季節”というのがすっかり定着しました。プライベートで楽しむのはもちろん、毎年秋に味の素社が参加している『日本一の芋煮会フェスティバル』(山形市)では、出店ブースのプロジェクトのリーダーとしても携わっています」

――そもそも芋煮とは、どのような料理なんですか?
平井さん「東北地方の郷土料理で、里いも、こんにゃく、ねぎ、肉などを煮込んだ汁ものです。里いもの収穫時期にあたる9〜11月ころによく食べられます。東北各県、さらにいえば同じ県内でも地域ごとに昔ながらに食べられてきた味や具材が違うので、特別な定義はないと思います。主役の里いもとお肉を煮ればそれはもう芋煮です(笑)」

――山形では、どんな芋煮が親しまれているのでしょうか?
平井さん「山形には大きくふたつの芋煮があって、山形市内を含む内陸地方はしょうゆベースのすき焼きっぽい甘辛味で、肉は牛肉。日本海側の庄内地方はみそベースで、豚肉を使うのが定番です。庄内は養豚が盛んなので、牛より豚肉のほうが好まれ、それに合わせてみそ味が定着したともいわれています。ここに厚揚げを入れることが多いですね。
さらに、芋煮に使う調味料も地域や家庭ごとにこだわりや定番のものがあり、実は、味の素社の『うま味だし・ハイミー®』もよく使われているんです。味の素社では長年、東北エリアでうま味を活用した減塩メニューを提案してきました。そうした取り組みの中で、煮込み料理と相性のよい『ハイミー®』が地域の食卓になじんでいったのかもしれません」
――「芋煮」とひと口に言っても、地域ごとの特色があるんですね。山形では、どんなときに食べられているんですか?
平井さん「山形では、芋煮は秋の季節料理として親しまれ、親戚や家族が集まるときにも作られる身近な家庭料理だそうです。シーズンになると、どこのスーパーにも芋煮の具材や調味料、さらにはレンタルできる鍋などの道具がずらりと並ぶ特設コーナーができます。皮をむいて水煮にした里いものパウチパックなども売られているので、家庭でも手軽に楽しめますよ」
大鍋を囲めば、自然と会話が弾む「芋煮会」

――東北では、家族や仲間と大鍋を囲む「芋煮会」も秋の恒例行事なんですね。
平井さん「そうなんです。東北では、バーベキューのように芋煮を家族や仲間と囲んで楽しむ『芋煮会』の文化が根付いています。芋煮のメインシーズンである10月になると、平日週末問わず、河川敷やバーベキューができる広場や施設などで芋煮会が開かれます。学生から社会人、家族連れまでみんなが慣れた手つきで河原の石を積み、大鍋をすえて、薪をくべて芋煮を作って味わいます。
私も東北支社の先輩や同僚との集まりや取引先が毎年開いてくださる芋煮会、コーチとして携わっている東北大学ラクロス部で行うものなど、年4〜5回は芋煮会に参加しています。そのラクロス部にも、部が所有する芋煮会用の大鍋が代々受け継がれているんですよ。驚きましたが、それだけ芋煮会が身近な行事として根付いているんだなと感じました。
ひとたび大鍋を囲めば、『うちの地元ではこういう味だよ、具材はこれを入れるよ』と芋煮談義が自然と弾んで、普段よりリラックスして話せるんです。そこが芋煮会の醍醐味。おいしさはもちろん、人とのつながりを深めてくれる素敵な文化だなあと、毎年実感しています!」
巨大鍋と専用クレーン車で作る芋煮は迫力満点! 「日本一の芋煮会フェスティバル」とは

――山形では、「日本一の芋煮会フェスティバル」という大きなイベントも開催されているんですね。
平井さん「毎年秋に山形市の河川敷で行われる『日本一の芋煮会フェスティバル』に、味の素社は2014年から出店していて、今年で13年目になります。ギネス世界新記録®を達成した直径6メートル超の巨大鍋で、約3万食の芋煮をふるまうこのイベントは、県内外から訪れる大勢の来場者でにぎわいます」
――初回の出店時から「鍋キューブ®」<鶏だし・うま塩>を使った塩ベースの芋煮を提供していると伺いました。どのような思いから生まれたメニューなのでしょうか?
平井さん「当時の担当者によると、せっかく出店するなら既存の味の芋煮を提供するのではなく、"新しい価値"を提案したいという思いから、伝統的なしょうゆとみそに続く第3の味として、『うま塩芋煮』を開発したそうです。毎年フェス当日は調理担当チームが早朝3時から仕込みを始め、昨年は直径3メートルの大鍋で4500食以上を作り、提供しました」

――4500食以上とは、ものすごい量ですね! 来場したお客さまからの反応はいかがでしたか?
平井さん「10年以上、うま塩芋煮を発信し続けてきた甲斐もあり、毎年楽しみに来てくださるリピーターのお客さまがいらっしゃいます。なかには自宅から寸胴鍋を持参して、7人前も買っていかれる方も! はじめて食べた地元山形の方からも、『塩味もいいね!』というお声をいただき、うれしい限りです。出店ブースではうま塩芋煮のレシピも配布しているので、家庭でもぜひ楽しんでほしいですね」
懐の深い芋煮文化をより多くの人に届けるために
――お話を聞いていると、平井さんの生活にもすっかり芋煮文化が定着しているようですね。
平井さん「芋煮にまつわる風景にはいつも笑顔があふれていて、どのシーンも楽しい思い出ばかり。東北支社としても大切にしている取り組みなので、地域のみなさんにもっと楽しんでいただけるよう、支社のみんなで日々アイデアを出し合っています。
郷土食でありつつも、堅苦しい定義はなく、アレンジが効くのも芋煮の魅力。昨年開かれた芋煮会発祥の地である山形県中山町主催の『未来の芋煮レシピコンテスト』では、味の素社の製品を使い、ワインに合う洋風テイストの芋煮を開発、エントリーしました。
こうした発信を通じて、『鍋キューブ®』をはじめとした味の素社製品を使えば、定番からアレンジまでいろいろな芋煮を簡単においしく作れることを、より多くの方に知っていただきたいです。これからも地元のスーパーさんと一緒に売場づくりや発信を行いながら、芋煮の楽しみ方をもっと多くの方に届けていけたらと考えています。芋煮一品でしっかりたんぱく質を補給できる点にスポットを当て、アスリートに向けた発信も計画中です!」
――今年の芋煮シーズンに向けて、読者のみなさんに伝えたいことはありますか?
平井さん「やっぱりみんなで食べるおいしさ・楽しさが詰まっているのが一番の魅力です。今年も9月20日の『日本一の芋煮会フェスティバル』出店を皮切りに、芋煮シーズンが始まります。会場ではプレゼント企画なども実施予定なので、ぜひ味の素社ブースにもお立ち寄りください。フェスに行けないという方も、レシピを参考におうちで芋煮を作って、山形の秋の味を楽しんでみてください」
フェス提供メニュー「うま塩芋煮」の作り方
「鍋キューブ®」<鶏だし・うま塩>を使った、塩ベースの芋煮レシピです。

材料&調理手順
材料(5人分)
| 里いも | 750g |
|---|---|
| 豚バラ薄切り肉 | 500g |
| こんにゃく | 1枚 |
| 長ねぎ | 1本 |
| しめじ | 1/2パック |
| ごぼう | 1/2本 |
| A:水 | 7・1/2カップ |
| A:「鍋キューブ®」鶏だし・うま塩 | 6個 |
つくり方
- 1
里いもは皮をむき、大きいものは2~3等分に切って大きさをそろえる。ごぼうはささがきにし、水にさらして水気をきる。こんにゃくはひと口大に手でちぎる。
- 2
豚肉は食べやすい大きさに切る。しめじは小房に分け、ねぎは1cm幅の斜め切りにする。
- 3
鍋にA、(1)の里いも・ごぼう・こんにゃくを入れて火にかけ、沸騰したら、(2)のしめじ・豚肉を加えて煮る。
- 4
里いもが充分やわらかくなったら、(2)のねぎを加えてひと煮立ちさせる。
▼記事で紹介したその他の芋煮レシピはこちら
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