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「前日仕込み」の朝ごはんで、翌朝が楽しみになる!小田真規子さんのレシピ3品

「前日仕込み」の朝ごはんで、翌朝が楽しみになる!小田真規子さんのレシピ3品

2024/12/18

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みなさん、朝食は食べていますか?

食べたいけれど時間が取れない、少しでも寝ていたいと、つい後回しにしてしまいがちですが……おいしい朝食があれば、朝起きるのも少しでも楽しみになるはず!

とくに、憂鬱な気持ちになりがちな月曜の朝をポジティブに迎えることができたら、1週間のスタートも軽快にきれるのでは。そう思った編集部は、『ズボラーさんのたのしい朝ごはん』(文響社)をはじめ、朝ごはん本を多く出版している料理研究家の小田真規子さんのところへ。月曜の朝でも起きたくなる、「前日仕込み」の朝ごはんレシピを教えてもらいました。

インタビューした人

料理研究家・フードディレクター・栄養士

小田 真規子さん

料理研究家・フードディレクター・栄養士。1998年に独立し、料理提案・撮影を主なサービスとするスタジオナッツを設立。各媒体のWebサイト、テレビ・ラジオ、生活雑誌等でオリジナルレシピを発表する他、料理本の出版、企業へのレシピ提案、商品開発・販促へのアドバイスや関連のセミナーなどを行う。著書に『ズボラーさんのたのしい朝ごはん』『一日がしあわせになる朝ごはん』(ともに文響社)、『午前7時の朝ごはん研究所』(ポプラ社)、『なぜ、あなたの料理はちょっとマズイのか?』(講談社)など多数。https://studionuts.com/

  1. 憂鬱な月曜の朝。小さな楽しみになることをひとつでも
  2. 仕上げ時間10分以内!しっとりふんわりソフトフランスのフレンチトースト
  3. 朝は取り分けるだけ。重ねる常備菜サラダ「アボカド・チキン・トマト」
  4. うま味が染みる、夜混ぜるだけの“カレースープ”
  5. つくり込み過ぎないつくり置きが、朝に小さな楽しみをくれる

01
憂鬱な月曜の朝。小さな楽しみになることをひとつでも

──「朝ごはんがどうしても作れない」という編集部のスタッフが、小田さんのご著書に助けられたという経験からこの企画が挙がりました。

小田さん:それはとても嬉しいです。私も、料理研究家という仕事をしていると、毎日きちんと食べていそうな印象を持たれますけれど……簡単に済ませる日はありますし、夜遅くまで食べ過ぎた翌朝なんかは紅茶だけ飲んで出かける日もありますよ。

でも、朝は空腹で感覚が研ぎ澄まされていて味わいや香りを特に感じやすい時間帯。この時間を大切にすることは、食事に対する幸福感にもつながると思います。だからこそ、できるだけ「楽しみになる朝食」を心がけています。

──楽しみになる朝食とは、どんなものですか?

小田さん:朝食って決まり事がない分、迷ってしまうし、忙しいと省略されがち。だからまずはルーティンを作ることが大切です。たとえば、朝食は「パン1枚とコーヒー」というルーティンができると、生活にリズムが生まれます。

そこからは「小さな楽しみ」を設定してみましょう。たとえば、「パン1枚とコーヒー」のルーティンなら、前日においしいパンを買ってみるとか、チョコレートを添えるとか。お気に入りのおいしいコーヒーや紅茶を揃えておく、おいしいバターを買っておく、そういうのもいいですよね。

全部にこだわるのは難しくても、そうやって自分のなかでメリハリをつけながら、何か特別なことをひとつ取り入れてみるのがいいと思います。

──翌朝が楽しみで起きたくなりそうですね。

小田さん:ホテルのような豪華な朝食を目指す必要はありません。自分なりの「ご褒美の時間」にするためには?と考えればいいんです。新しいリップを試したり、ネイルを変えたりしたら気分が上がるのと同じ感覚。

あとせっかく食べるなら、ちょっとカラダのことを考えて食材選びをしてみるのもいいと思います。朝は体温が下がっているので、体温が上がりやすいたんぱく質やスパイスなどで体を温めて。それから、水分を摂ることも大事です。寝ている間に脱水しているので、朝は水や白湯、スープなど水分は必ず摂るようにしましょう。 今日は、日曜にササッと仕込むだけで、月曜が「楽しみになる朝食」を作ってみますね。朝10分でできるフレンチトースト、サラダ、スープの献立を紹介します。

02
仕上げ時間10分以内!
しっとりふんわりソフトフランスのフレンチトースト

小田さん:フレンチトーストは食パンやイングリッシュマフィンなど、どんなパンでもつくれますが、私のオススメはソフトフランス!柔らかくて食べやすく、ジッパー付き保存袋を使えば簡単に仕込めて、朝食にぴったりです。朝からナイフとフォークを使って食べる非日常感に、気分も上がります。

材料&調理手順

材料(2人分)
ソフトフランス
(直径7〜8cm・厚さ3cm)
4切れ
2個
牛乳
1/2カップ
砂糖
大さじ2〜3
バター
10〜20g
粉砂糖
適量
メープルシロップまたは、はちみつ(好みで)
適量

    (前日仕込み)

  1. ボウルに卵を割りほぐし、白身をよく切りながら混ぜる。砂糖を加え、少しずつ牛乳を加えながら混ぜる。
  2. ジッパー付き保存袋にソフトフランスを入れる。(1)を注いで口を閉じ、冷蔵庫でひと晩おく。※時間がないときは、15分以上おけばOK。
  3. 卵液を注いだら、袋をかたむけながら全体に馴染ませる。
    一晩寝かせると、右のように“しみしみ”に……焼くのが楽しみです!

    (月曜朝)

  4. フライパンを中火で熱し、バターを入れて全体にまわし、溶けかかったらソフトフランスを入れる。
  5. バターが溶けきる手前でソフトフランスを投入するのがベストタイミング。
  6. 弱めの中火で、片面につき3~4分ずつ、両面焼く。お皿に盛り付けて、お好みで粉糖やメープルシロップをかけたら完成。
  7. 厚みのあるソフトフランスは、弱めの中火でふたはせずじっくりと焼き上げる。両面こんがりと焼いたら、お皿へ。「砂糖を入れずに作ると、もっと“ごはん”っぽく仕上がります。カリカリに焼いたベーコンを乗せてメープルシロップをかけたり、サラダを合わせたりしても相性抜群です」(小田さん)

03
朝は取り分けるだけ。重ねる常備菜サラダ
「アボカド・チキン・トマト」

小田さん:アボカド、サラダチキン、トマトを重ねるだけの簡単常備菜は、食材を重ねてドレッシングをかけるだけ。ひと晩置くと全体に味が馴染んでくれます。ドレッシングは、ポン酢とごま油でもいいし、残っているドレッシングを使ってもいいですね。5日ほどもつので、あきたら最後はチーズをかけて焼いてもいいし、お水を足してスープにもできますよ。

材料&調理手順

材料(作りやすい量)
アボカド
1個
サラダチキン
1〜2枚(※作り方はのちほど紹介。コンビニで買えるサラダチキンでもOK)
トマト
1個
A水
大さじ2
A柚子胡椒
(粒マスタードや醤油でも)
小さじ2
A酢
大さじ2
Aサラダ油
大さじ2
A塩
小さじ1/2
  1. アボカドは縦半分に切って種を除き、皮をむいて薄切りにする。
  2. トマトはヘタを取り、1.5cm角に切り、サラダチキンは1cm幅に切る。
  3. 保存容器にアボカドを並べ、切ったチキンとトマトをのせる。
  4. 混ぜ合わせたAを上から全体にかけたら、混ぜずにそのままふたをして、冷蔵庫でひと晩冷やす。※時間がない場合は、60分以上おけばOK
  5. 盛り付ける際は、混ぜずに端からそのまま取り出す。
重ねる順番がポイント。いちばん下に味が馴染みにくいもの、次にたんぱく質、うま味の出る食材を重ねる。「トマトは種のまわりにうま味があります。ひと晩おくと、たんぱく質のうま味とドレッシングが合わさって、まるで和えたサラダのように。いちばん下は、ゆでたブロッコリーやスライスしたきゅうり、ズッキーニもオススメ。サラダチキンをハムの千切りや焼いたお肉にしてもいいですね」(小田さん)。
取りわけるときは、全体を混ぜてしまわずに端から順に。「混ぜないことで空気にも触れる機会が減って、日持ちにつながります。酸味のある調味料と油を使うことで、雑菌の繁殖も防いでくれるので、5日程度は日持ちしますよ」(小田さん)

サラダチキン

小田さん:サラダチキンはコンビニなどで買ってもいいけれど、簡単に作れるし保存がきくのでまとめて作っておくといいですね。ラップで包む前に全体に油を絡めるとパサつきを防いで、解凍してもしっとり感を保ってくれます。

材料&調理手順

材料(作りやすい量)
鶏むね肉
2枚(400〜500g)
大さじ1
砂糖
大さじ1
大さじ2
4カップ
サラダ油またはオリーブオイル
適量
  1. 鶏むね肉は塩、砂糖、酒を加えてもみ絡め、10分おく。
  2. ふたのできる鍋に水を入れて沸騰させ、(1)を入れて中火で2分ゆでる。
  3. 2分たったら火を止め、ふたをしてそのまま1時間おく。
  4. 取り出して水けを拭き、油を絡める。1枚ずつラップに包んで冷蔵庫または、冷凍庫で保存する。(冷蔵なら7日、冷凍なら1ヶ月ほどもつ)(冷蔵なら7日、冷凍なら1ヶ月ほどもつ)

04
うま味が染みる、夜混ぜるだけの“カレースープ”

小田さん:豆乳を使った混ぜるだけのヘルシーなスープです。夜に材料をすべて混ぜて冷蔵庫へ。夏は冷たいままでもいいし、寒い日はレンジで温めてもおいしくいただけます。朝は体温が下がっているし、体の中の水分も不足している状態。体温が上がりやすいたんぱく質やカレー粉などのスパイスを取り入れたメニューは、朝食にぴったりです。

材料&調理手順

材料(作りやすい量)
豆乳
1カップ
めんつゆ(2〜3倍希釈)
小さじ2〜3
カレー粉
小さじ1/2
  1. 材料をすべてマグカップに入れたらよく混ぜて、冷蔵庫でひと晩冷やす。
  2. 材料はこれだけ!「お蕎麦屋さんのカレーうどんを思い出すような、ほっとする味わいになります」(小田さん)

日曜仕込みの朝ごはん3品ができあがり!手間ひまかけて作った豪華な朝食のように見えて、調理時間は10分ほどのクイックメニューです。

05
つくり込み過ぎないつくり置きが、朝に小さな楽しみをくれる

小田さんの著書たち。「朝ごはん」テーマのほか、著書は120冊以上!最新刊では「“レシピ以前”の基本知識」を丁寧に教えてくれる『なぜ、あなたの料理はちょっとマズイのか?』(講談社)です。

──小田さんは、普段はどんな朝食を食べていますか?。

小田さん:「作り込み過ぎない作り置き」をして、それをそのまま食べたりアレンジしたりしています。たとえば、余り野菜を浅漬けにしているのですが、朝はそれを取り出してそのまま食べたり、オリーブオイルをかけたりします。

あとは、日曜の夜に卵焼きをつくり置きするんです。卵はいつも6個入りを買っていて、4個を卵焼き、2個はゆで卵に。お寿司屋さんみたいな甘めの卵焼きにすると日持ちするので、冷ましてからアルミホイルに包んで冷蔵庫へ。平日の朝ごはんに、その卵焼きをひと切れずつ食べています。冷めてもおいしいのでお弁当にもぴったりです。夜にわさび醤油を添えておつまみにすることもありますよ。

──卵焼きもつくり置きができるのですね。今日はこんなに簡単に3品もつくれることがわかったので、挑戦してみたい気持ちになりました。

小田さん:張り切って3品作ってもいいし、大変な時はどれか1品でも十分。翌朝の自分のために前日にちょっと混ぜて置いておいたり、漬けておいたりするだけで、朝の満足度が違います。ご自身にとっての小さな楽しみを大事にしながら、無理なく取り入れてみてください。

  • 執筆/高野 瞳 撮影/加藤 甫 編集/長谷川 賢人
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