気温が上がると冷たいものをとる機会が増え、知らず知らずのうちに体が冷えがち。食欲が落ちたり、疲れを感じやすくなったりすることもあります。
そんなときこそ取り入れたいのが鍋料理です。“冬の定番”というイメージですが、野菜がたくさん食べられて、調理も簡単。手軽にお腹も心も満たしてくれるその魅力を、冬だけにしておくなんてもったいない。
夏にも鍋をもっと楽しもう!ということで、フードスタイリストで料理家の八木佳奈さんに、「夏鍋」を楽しむコツとオススメのレシピを教えてもらいました。
インタビューした人
フードスタイリスト、栄養士
八木佳奈さん
食品会社に勤務しながらフードコーディネーター養成学校に通い、同校講師を経て独立。雑誌や広告でスタイリストとして活躍するかたわら、料理家としても活動中。2人の娘のためのごはんや手作りおやつを紹介するブログ『お祝いご飯』も人気。著書に『バムとケロのおいしい絵本』(文溪堂)、『のりものべんとう(コドモエのえほんシリーズ)』(白泉社)など。
- 冬だけじゃない。“夏鍋”の楽しみ方
- 薬味たれで食べる豚肉とレタスのしゃぶしゃぶ
- 夏野菜を楽しむキムチゴーヤ鍋
- 酸味が食欲をそそるサンラータン鍋
- 暑い季節こそ、夏鍋で乗り切ろう
01
冬だけじゃない。“夏鍋”の楽しみ方
鍋料理の魅力は、野菜をたくさん食べられること。サラダでは量に限界がある野菜も、鍋なら無理なくしっかり摂ることができます。室内外の温度差で意外と体が冷えやすい夏だからこそ、温かい鍋料理は体にやさしくしみわたり、食欲がないときでも食べやすいのがうれしい点です。
八木さん「夏鍋は食材の選び方でも楽しみが広がります。鍋で定番の野菜にこだわらず、ズッキーニやゴーヤなど旬の食材を取り入れるのも、夏鍋ならではの楽しみ方です。
冬の野菜は煮込んでおいしくなるものが多いですが、夏野菜はさっと火を通すのがコツ。水分が多く、長時間煮込むと食感が損なわれやすいため、しゃぶしゃぶのように短時間で仕上げましょう」
スープは、「ほんだし®」などで味のベースを作っておくと手軽。具材を長時間煮込まない分、スープはしっかりめに味付けをするのがポイントです。
八木さん「野菜などの具材は、種類を増やすのはもちろん、量をしっかり入れることでより深い味わいに。豚肉はビタミンB群が豊富で、スープのうま味にもつながるうえ、疲労回復のサポートにも。夏バテ対策としても、積極的に取り入れたいですね」
そして味付けは、酸味や辛味を効かせてさっぱりと。酢やレモン、キムチなどを取り入れることで、食欲が落ちがちなときでも食べやすくなります。
02
薬味たれで食べる豚肉とレタスのしゃぶしゃぶ

最初に紹介するのは、薬味たっぷりのたれでさっぱりと味わうしゃぶしゃぶ鍋。
八木さん「ズッキーニやにんじんは、薄くスライスすることで火が通りやすく、食感も見た目も涼やかに。レタスは大き目にしておくと、加熱してもシャキシャキした食感を楽しめます」

材料&調理手順
材料(2~3人分)
- 豚しゃぶしゃぶ用肉
- 200g
- 鶏もも肉(ひと口大に切ったもの)
- 200g
- レタス
- 小1個(300g)
- 長ねぎ
- 1/2本(80g)
- にんじん
- 1/2本(80g)
- ズッキーニ
- 1/2本(100g)
- A:水
- 500ml
- A:ほんだし®
- 小さじ山盛り1(4g)
- A:酒
- 大さじ1
- B:青じそ(みじん切り)
- 6枚分
- B:長ねぎ(みじん切り)
- 大さじ1(15g)
- B:しょうが(みじん切り)
- 1かけ分(10g)
- B:みょうが(みじん切り)
- 1個分
- B:酢・しょうゆ
- 各大さじ1
- B:砂糖・ごま油
- 各大さじ1/2
- 長ねぎは1㎝幅の斜め切り、にんじん、ズッキーニはピーラーでリボン状にむく。レタスは洗って水けをふき、大きめにちぎる。Bは混ぜ合わせる。
- 鍋に鶏肉、Aを入れて強火にかける。沸騰したら火を弱め、アクを取り、フタをして10分ほど煮て鶏肉に火を通す。
- 残りの具材を食卓でその都度火を通し、Bのたれをかけて食べる。

八木さん「豚肉と鶏肉を合わせることで、スープにコクが出て満足感のある味わいになります。シメは、ごはんを入れて溶き卵を回し入れた雑炊がオススメ。鶏肉は、最後の雑炊の具材にしてもいいですね」

夏らしい薬味をたっぷりと使ったたれは、鍋以外にも冷奴やそうめんとも相性抜群です。
03
夏野菜を楽しむキムチゴーヤ鍋

ゴーヤの苦味とキムチの辛味で食欲を刺激する一品。豚肉と合わせることで、夏バテ対策にも。トマトの酸味が口の中をさっぱりと整えてくれます。

材料&調理手順
材料(2~3人分)
- 豚バラ薄切り肉
- 300g
- キムチ
- 100g
- ゴーヤ
- 1/2本(正味100g)
- 【苦味抜き用】塩・砂糖
- 各小さじ1/4
- しょうが
- 1かけ
- 長ねぎ
- 1/2本(80g)
- トマト
- 1個(200g)
- 絹ごし豆腐
- 200g
- ごま油
- 大さじ1
- A:水
- 500ml
- A:「丸鶏がらスープ™」
- 大さじ1/2
- A:酒・コチュジャン・しょうゆ
- 各大さじ1
- ゴーヤは種とワタを取り除き、5㎜厚さの半月切りにする。ボウルに入れ、塩と砂糖をふって10分ほど置く。さっと洗って水けを絞る。
- しょうがはみじん切り、ねぎは1㎝幅の斜め切り、トマトは8等分のくし形、豚肉はひと口大に切る。
- 鍋にごま油、しょうがを入れて香りが出たら、ねぎ、豚肉、キムチを入れて炒める。Aを加えて沸騰したら5分ほど煮、トマト、ゴーヤ、豆腐を加えてサッと煮る。

そのままでももちろん、取り皿に温泉卵を入れてからめながら食べると辛みがまろやかになり、また違った味わいに。
八木さん「ゴーヤはあまり火を通さず、食感を楽しむのがオススメ。塩と砂糖を揉み込み10分ほど置いておくことで苦み抜きになります。また豚肉と一緒に食べると苦味が和らぎます。気になる場合は、薄くスライスすると食べやすくなります。豆腐の代わりにトックを使うとより本格的な味わいになりますよ」
04
酸味が食欲をそそるサンラータン鍋

酸味と辛みが食欲をそそるサンラータンを、手軽に作れる鍋にアレンジ。春雨のつるっとした食感で食欲がない日にも自然と箸が進みます。
八木さん「ラー油は取り分けてからお好みで加えると、辛さが苦手な方や子どもと一緒でも楽しめます。もやしは食感が残る程度にさっと加熱、小ねぎは仕上げにのせるだけでOKです」

材料&調理手順
材料(2人分)
- 鶏もも肉
- 大1枚(350g)
- しいたけ
- 4個(80g)
- もやし
- 1/2袋(100g)
- 小ねぎ
- 5本(50g)
- 春雨
- 30g
- 水
- 600ml
- A:酒・みりん・しょうゆ
- 各20ml
- A:酢
- 大さじ1~2
- A:「丸鶏がらスープ™」
- 小さじ2
- A:塩
- 小さじ2/3
- ラー油
- 適量
- 鶏肉は余分な脂を除き、ひと口大に切る。しいたけは石づきを除いて半分、小ねぎは4㎝長さに切る。
- 鍋に鶏肉、水を入れて強火にかけ、沸騰したらアクをとる。A、しいたけ、春雨を加えて、再び沸いてきたらふたをして弱火にし、10分煮る。もやし、小ねぎを加えてサッと煮たら、ラー油を回しかける。

05
暑い季節こそ、夏鍋で乗り切ろう
夏鍋は、食材や味付けを少し工夫するだけで、よりおいしく夏ならではの味を楽しめます。
冷たいものに偏りがちな季節だからこそ、温かい食事を取り入れることも体調を整えるためのひとつの工夫。日々の食事の中で、無理なくできるのもうれしいところです。
夏ならではの鍋を楽しみながら、暑い季節を乗り切りましょう。
