前回の記事で、のり巻きの楽しみ方を教えてくれたごはん同盟さん。今回は、「実はいろいろな具材と合うんだよ」と、お刺身だけに頼らない発想で手巻き寿司がもっと楽しく、もっと自由になる提案をしてくれました。
インタビューした人
ごはん同盟
シライジュンイチ・しらいのりこさん
米どころの新潟県出身。実家が米農家の試食係(企画・執筆担当)のシライジュンイチと試作係(調理担当)のしらいのりこ、夫婦ふたりによる炊飯系フードユニット「ごはん同盟」を主宰。「おかわりは世界を救う」という理念のもと、ご飯のおいしさを世に広めるべく活動中。著書に『最愛!のりレシピ86』(主婦と生活社)、『スープジャーとおにぎり弁当』(成美堂出版)、『しらいのりこのお弁当はこれでいいのだ』(オレンジページ)、『ごきげんな晩酌 家飲み が楽しくなる日本酒のおつまみ65』(山と溪谷社)など多数。
- 手巻き寿司の具は、お弁当のおかずをイメージ
- 具材と薬味、調味料でアレンジ自在
- 手巻き寿司はピクニックにもぴったり!?
- のりに巻けば、ちゃんとおいしくなる
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手巻き寿司の具は、お弁当のおかずをイメージ

手巻き寿司というと、お刺身などの生ものを用意して、薬味を揃えて…と、少し気合を入れて作るイメージを持つ人も多いかもしれません。でも、ごはん同盟さんは「もっと気軽で、自由でいい」といいます。
のりこさん「具材はそれぞれが好きなもの、食べたいものをそろえればいいんです。お刺身じゃなくても成立するし、家にあるものをどんどん巻いてみるといい。洋風のものも合いますし、わが家はお総菜など、加熱したものを巻くことも多いです」

お刺身以外の手巻き寿司の具材を考えるときは、「お弁当のおかず」を思い浮かべてみるのもオススメなのだそう。
のりこさん「お弁当のおかずはごはんに合うものが多いので、手巻き寿司とも相性がいいんです。ハンバーグ、ミートボール、ソーセージ、唐揚げ、フライ、コロッケ、メンチカツ、焼き魚やしょうが焼きもいいですね。もちろん冷凍食品や市販品を活用してもいいと思います」
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具材と薬味、調味料でアレンジ自在
今回、ごはん同盟さんが用意してくれたのは、「イタリアン」をテーマにした手巻き寿司。
ローストビーフやエビのフリット、サルシッチャ、生ハムやチーズ類、ルッコラやミント、ディルなどのハーブを用意。今回は簡単に作れるサルシッチャと、さけのレモンバターソテーの作り方も教えてもらいました。

のりこさん「サルシッチャはイタリアでよく食べられる肉料理で、腸に詰めないソーセージのようなもの。豚ひき肉に、塩、スパイスを混ぜて丸めて焼くだけなので簡単です。お弁当はもちろん、おつまみにもいいんです!さけもそのまま焼くのではなく、バターで焼いてレモンの風味をつけると洋風な雰囲気になります」
サルシッチャ
材料(作りやすい分量)
- 豚ひき肉
- 200g
- 塩
- 小さじ1/2
- セージ(乾燥)、ナツメグ、粗挽きこしょう
- 各少々
- 材料をすべてボウルに入れ、粘り気が出るまでよく混ぜたら、6〜8等分して丸める。
- 油はひかず、フライパンで3〜4分ほど中火で両面を焼く。
さけのレモンバターソテー
材料(作りやすい分量)
- 甘塩ざけ
- 1切れ
- こしょう
- 少々
- 小麦粉
- 大さじ1
- バター、レモン汁
- 各適量
- 甘塩ざけは3〜4等分に切り、こしょうと小麦粉をまぶす。
- フライパンにバターを入れて中火で熱したら、さけを並べる。1分焼いたら返し、さらに1〜2分ほど焼く。
- 仕上げに、レモン汁を加えて全体をなじませる。
のりこさん「具材を考えるときは、イタリアン、エスニックというようにテーマを決めるとぐっと楽しくなります。たとえばエスニックにするのであれば、唐揚げの下味をナンプラーにしてミントやハーブと一緒にのりで包むと、一気にアジアな味に変わります」
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手巻き寿司はピクニックにもぴったり!?
自由な具材のアイデアを教えてくれたごはん同盟さん。
「この手巻き寿司は近所の公園でピクニックするときに思いついたんです」とのこと。
のりこさん「外で手巻き寿司を作るときは、生ものは持っていけないのでハンバーグやミートボール、唐揚げなど全部加熱調理したものを用意します。酢飯は1回に巻く分を小さく丸めて持っていくと、手を汚さずに包めるんです。
お弁当とはまた違った盛り上がりが生まれるので、お花見シーズンにもオススメです。のりでお米と具材を包んで食べてもいいし、お酒を飲んでいる人は具材だけをおつまみにしてもいいし。気楽で楽しいですよ」

外でも家でも手巻き寿司を気軽に楽しむために、器選びもひとつのポイントだとのりこさんは言います。
のりこさん「重箱や木の器があると便利です。軽くて割れないし雰囲気も出ます。重箱ってお正月だけのものと思われがちですが、普段の食卓でも活躍してくれます」

基本の酢飯は前編ののり巻きの記事で紹介しましたが、今回はそこに少しだけひと工夫を。味のある具材が多いので、酢飯は白ごまを少し加えて具材となじみやすくしています。
酢飯の作り方
材料(2〜3人分)
- 炊きたてのご飯
- 1合分
- すし酢
- A:米酢
- 大さじ2
- A:砂糖
- 大さじ1
- A:塩
- 小さじ1
- 白いりごま
- 小さじ1
- 混ぜ合わせたAを炊きたてのご飯に加え、切るように混ぜる。すし酢がなじんだらうちわであおぎ、上下を返してさっと混ぜる。
- ご飯にツヤが出てきたら、白いりごまを加えてさっと混ぜ、ぬれぶきんをかけて人肌まで冷ます。
- 冷めたら、酢飯をピンポン球大(約15〜20g)に丸める。
04
のりに巻けば、ちゃんとおいしくなる
ごはん同盟さんが考える、手巻き寿司のいちばんの魅力とは?
のりこさん「ごはんとのりが、どんな具材も受け止めてくれる感じがするんですよね。一つひとつはバラバラでも巻くとちゃんとまとまる。それが手巻き寿司のいいところだと思います。もっとデイリーに、気軽に、それぞれの家の手巻き寿司を楽しんでもらえたらうれしいです」

「イタリアンで手巻き寿司って合うのだろうか…」という気持ちもありつつ、食べてみると、意外にも酢飯がのりとマッチして新しい味わい! 小さく小分けしたごはんの分量もちょうどよく、いろいろな味にトライすることができます。「さけにはディルかな」「サルシッチャとルッコラを合わせてみたらどうだろう…」「生ハムとチーズも合う!」とあれこれ試してみるのも楽しく、大盛り上がり。
いつもの手巻き寿司が、ぐっと自由になるヒントがたくさんで、楽しみ方の幅が広がります。その日の気分や顔ぶれに合わせて、自由な手巻き寿司を気軽に囲んでみてはいかがでしょうか。
