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不調のときだけじゃない! 常温でストックできる新しいおかゆ「ごちかゆ」

不調のときだけじゃない!常温でストックできる新しいおかゆ「ごちかゆ」

2026/03/19

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「体調が悪いときに食べるもの」というイメージがあるおかゆ。しかし最近では、本格的な中華粥やトッピング豊かなお粥専門店が人気を集め、一食として楽しむスタイルが広がっています。

そんななか、この春登場した新商品「ごちかゆ」は、まさに今の時代にふさわしい、満足感のあるお粥。これまで約40年にわたり「味の素KKおかゆ」シリーズを販売してきた味の素社が、なぜ今「ごちかゆ」を開発したのでしょうか。

今回は、商品企画を担当した事業部門の担当・高柳さんと、味の設計を担った食品研究所の担当・田村さんに、「ごちかゆ」の開発経緯から技術的なこだわりまで詳しくお話を聞いてきました。

インタビューした人

食品事業本部コンシューマーフーズ事業部メニュー食品グループ

高柳洋さん

食品研究所で商品開発に10年間従事した後、本社事業部門へ異動。現在はプロダクトマネージャーとしてお粥製品の開発・販売に携わる。「令和の米騒動」に翻弄されながらも、市場データやお客様の声を分析しておかゆの価値をより多くの方に届けることに日々奮闘中。

インタビューした人

食品研究所 コンシューマーフーズ開発センター メニュー調味料G

田村智子さん

食品研究所で「Bistro Do®︎」等のメニュー用調味料の開発を経て、お粥開発へ。お肉とごはんが好き。簡単短時間で食べられる「おいしいもの」を届けたい想いで邁進中。

  1. 日常のシーンで取り入れられる、新しいお粥のかたち
  2. 2種類の味で忙しい生活に寄り添う「ごちかゆ」
  3. レンジで1分!「手軽さ」と「おいしさ」を両立!
  4. 「療養時の食事」から、「食べると気分が上がる食事」に

01
日常のシーンで取り入れられる、新しいお粥のかたち

「不調のときにたべる食事」から、徐々にメニューのひとつとして楽しみ方の幅が広がっているお粥。商品企画を担当した高柳さん曰く、実はコロナ禍あたりからお粥の価値観が変化しているのだとか。

高柳さん「これまでお粥といえば『体調が悪いときの食事』や『高齢の方が食べるもの』というイメージが強かったですよね。でも実は、コロナ禍を境にその価値観がガラッと変わってきているんです。最近では、お粥専門店が若い女性を中心に人気を集めるなど、『心もカラダも満たしてくれる普段の食事』として定着しはじめています。特に卵や鮭を使ったお粥は、低カロリーなだけでなく『タンパク質もしっかり摂れる』と、生活者の方から高く評価されており、売上も大きく拡大しています。

私たちは約40年『味の素KKおかゆ』を販売し、今もトップシェアとなっていますが、『日常的にお粥を楽しんでほしい』という想いを長年持っていました。今のこのお粥市場の変化をチャンスと捉え、新たなコンセプトのお粥の開発に踏み切りました」

調査のためにお粥専門店を訪れた高柳さんは、そこで大きな衝撃を受けたといいます。

高柳さん「実際にお粥専門店に足を運んでみて、こんなにも食べる人の気持ちをつかむ料理になるのか、と打ちのめされたような感覚がありました。同時に、この新しいお粥の喜びや満足感を自宅で食べたい人はいるはずだ、そこに早く届けなくてはいけないなという勝手な使命感のようなものを感じたんです。約40年お粥を届けてきた自負、そして味作りの技術をもって、できるだけ早くみなさんに届けたいと思い、急ピッチで開発を進めていきました」

ネーミングやパッケージには、従来の商品とは違う、新たなコンセプトのお粥であることが伝わる工夫がちりばめられています。

高柳さん「当初は、お粥らしい『やさしさ』を前面に出す方向で考えていました。そんななか、パッケージを担当してくれた部門の担当者から、『それだと新しいお粥として捉えられないのでは?』とアドバイスをもらったんです。
たしかに、従来のお粥とは違った、新たなジャンルのお粥として楽しんでいただくためには、これまでのイメージをがらっと変える必要がある、と。そこで、食べ応えのある『ごちそう』として楽しんでいただけるよう、名称を『ごちかゆ』とし、パッケージにもシズル感のあるデザインを採用しました」

02
2種類の味で忙しい生活に寄り添う「ごちかゆ」

「ごちかゆ」のラインナップには、「だし香る4種具材の生姜鶏がゆ」「豆とキノコの完熟トマトがゆ」の2種類があります。

高柳さん「当社はだしから始まった会社なので、ひとつはだしのおいしさをダイレクトに感じていただけるものを、ということで『だし香る4種具材の生姜鶏がゆ』にしました。具材は、鶏、たけのこ、しいたけ、くわいの4種類が入っています。

『豆とキノコの完熟トマトがゆ』は、洋風のだしやスープを展開している当社の技術を駆使し、コクのあるトマトの風味に仕上げています。ごろっとした豆やキノコを入れることで、食べごたえのあるお粥にしました」

高柳さん「実は『トマトがゆ』は、社内でもかなり意見が分かれたんです。『お粥にトマト?』という反応が多く、営業からも不安視されていました 。

ですが、私はあえて『タガを外して考えよう』と押し切りました。今までお粥に手を伸ばさなかった層に届けるには、これくらい驚きのあるラインナップが必要だったんです」

食べるときの「ごちそう感」にもさまざまな面でこだわっているのだとか。

高柳さん「大きな具材をガツンと入れることは品質管理の面で難しかったので、そのぶんたけのこやくわいのシャキシャキ感やしいたけの柔らかい食感など、一度にいろんな食感を楽しめるようにすることで満足感があり、飽きずに最後までいろんな味と食感を感じながら食べていただけるようにしています」

03
レンジで1分!「手軽さ」と「おいしさ」を両立!

常温で保存ができ、そのままレンジでチンできるのも「ごちかゆ」の魅力です。

高柳さん「従来の『味の素KKおかゆ』も、常温でストックしておくことができますが、アルミパウチなので、湯煎するか、お皿に出してレンジで温める必要があり、そこでひと手間かかってしまうという課題があったんです。お客さまからも、『パウチのままチンしたい』というお声をいただいていたので、今回の『ごちかゆ』ではその点を解決したいなと考えました。

アルミパウチの包装は、バリア性が高く、酸素や光を通さないため、おいしさを保ちやすいというメリットがあります。
一方、レンジ対応の包材にすると、保存中の劣化が早くなる可能性がありました。つまり、「手軽さ」を取れば「おいしさ」が損なわれる可能性がある、そこが最大のハードルでした」

レンジでそのままチンできる包装で、おいしさを保つことができる設計にできないか…ということで、相談したのが研究所の田村さんでした。

田村さん「高柳さんから相談を受けたときは、正直に言ってかなり高い要求だと思いました。おいしさを守るならアルミパウチがベストですが、それではお客様の手間を減らせない。一方で、レンジ対応の包材は、中身の劣化が進みやすくなってしまうという致命的な弱点があります。

実は高柳さんは、彼が研究所にいたときの後輩なんです 。研究所の苦労を知っているはずの彼が、あえて無理を承知で『どうしてもこの手軽さを届けたい』と言ってきた。その想いに応えたいという気持ちがありました。
そこからは時間との戦いでした。包装設計グループの担当者には急ピッチで包材を選定いただきましたし、具材の種類が増えるほどレトルト殺菌前の微生物の管理は複雑になりますが、工場の方々とも一丸となり、ひとつひとつの具材を徹底的にケアしていきました。その結果、レンジ調理で炊き立てのような味わいを実現させ、12カ月の賞味期限と常温保存も叶える設計に辿り着いたんです」

味作りでも味の素社が培ってきたさまざまな技術が生かされています。

田村さん「生姜鶏がゆに関しては、『丸鶏がらスープ™』をはじめとする当社での技術を応用していますし、トマトがゆでも、以前私自身が担当していた『Bistro Do®』という洋風ソースの<ガーリックトマト>での開発技術を活用しています。一方で、トマト味は今までにはない新しいタイプのお粥なので、トマトの酸味をご飯と合わせるために、どう原料を組み合わせるか、という点で味の設計にこだわりました。

お客様にちゃんと受け入れていただけるかな、というのはすごく心配していたんですが、生活者の方々への事前調査で実際にサンプルを食べていただいた際には、高評価をいただくことができて、すごくほっとしましたね。
新しいコンセプトのお粥として本当に受け入れていただけるかどうか探っていくため、3月から一部の流通企業様でテスト販売をしていきます。その結果、たくさんのお客さまから評価をいただけた場合には、正式に全国展開をしていく予定です」

04
「療養時の食事」から、「食べると気分が上がる食事」に

お粥の開発を通じて、「食事としてのお粥」に関心を寄せるようになったという高柳さんと田村さん。すでに「ごちかゆ」を日常の中に取り入れる機会が自然と増えているそうです。

高柳さん「担当になる前は、やはり風邪のときに食べるイメージがあったので、普段食べることはあまりなかったんです。ただ担当するようになってから、『小腹が空いたときにぴったりだな』と見方が変わりました。今回開発に携わった『ごちかゆ』はこれだけでおいしいので、自然と食べる頻度も増えましたね」

田村さん「私もお粥担当になってからさらに興味が湧いて、食べてみると奥深い料理だなと感じるようになりました。在宅勤務をしていると、お昼をゆっくりとれないことが多いので、レンジで温めるだけですぐにあたたかいごはんが食べられるのはすごくいいなと思います。あとは飲み会の後に家へ帰ってきて、ちょっと食べたいときにちょうどいい量なんですよね。『ごちかゆ』が発売されたら、家に常備しておきたいなと思っています

高柳さん「まさに在宅のときや外に出られないときにぱっと食べられるところが『ごちかゆ』の魅力だと思っています。

実は生姜鶏がゆについては68kcalと、当社で出しているお粥の中でも特に低カロリーに抑えているので、心置きなく楽しめる商品になっています。おかゆならではの軽やかさは維持しながら、ごちそう感もあるお粥にしたかったので、田村さんたちとも相談しながら、それぞれの味に合わせた満足感のある具材を選定しました」

徹底した品質管理によって実現した「おいしさ」と「手軽さ」。そこには、忙しい日々を過ごす現代人へ届けたい、開発者としての想いが込められています。

田村さん「今までのお粥も、湯せんで温めたり、皿に出してからレンジでチンして食べることはできましたが、今回はパウチのまま温められる設計にしているので、より気軽にさっとあたたかくておいしいものをお召し上がりいただけます。忙しいなかでも、ほっとするようなひとときを感じていただけたらうれしいですね」

高柳さん「普段食事に気をつかっていらっしゃる方々で、『食べたいけど我慢しなきゃ』と感じるシーンがけっこう多いのかなと思うんですけども、『ごちかゆ』は具材も含めてとても満足できるものになっています。後ろめたさを感じることなく、むしろ気分を上げて、食事を楽しんでいただけたらうれしいです。

また、特に若い方々は『お粥』と聞くと、もしかしたら地味なイメージを持っているかもしれません。今までお粥を食べていなかった方々にも、『ごちかゆ』を通じてお粥の新たな魅力を広めていきたいですね」

日常によりそう料理として、お粥の新たな可能性を提案する「ごちかゆ」。今後、食卓でお粥を取り入れるシーンは、さらに変化していくかもしれません。

  • 執筆/ひらいめぐみ  編集/花沢亜衣
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