レシピのスキマ

あえて「焼かない」のがコツ!?もちもち香ばしい「焼きそば」の作り方

FOOD
2026.10.27
 あえて「焼かない」のがコツ!?
もちもち香ばしい
「焼きそば」の作り方

肉も野菜も一緒にとれ、手軽に作れる「焼きそば」。忙しい日にぴったりのメニューですが、麺がべちゃっとするなど、思いどおりの食感に仕上げるのは意外と難しいもの。

ほどよく水分を残し、麺のもちもち感が味わえる焼きそばの作り方を、味の素社の研究者・川﨑さんが解説します。ポイントは、焼きそばだけど「焼きつけない」こと。今回は、中濃ソースとウスターソースの2種類をブレンドすることで、香ばしさともちもち食感を作り出します。

(はがれない&パサつかないピーマンの肉詰め、くさみなしで仕上がる煮魚のコツなどを解説してきたこれまでの「レシピのスキマ」はこちらから読めます!)

役割:インタビューした人 所属:味の素社 研究者 名前: 川﨑 寛也さんさん

インタビューした人

味の素社 研究者

川﨑 寛也さん

博士(農学)、味の素(株)Executive Specialist、NPO法人日本料理アカデミー理事 調理科学者、感覚科学者。生家は明治20年創業の西洋料亭「西洋亭」(北海道・根室で創業。現在は廃業)。京都大学大学院農学研究科博士後期課程修了。専門は、おいしさの科学、プロの調理技術の解明など。主な著書に『味・香り「こつ」の科学』『おいしさをデザインする』『だしの研究』(以上、柴田書店)、『日本料理大全 だしとうま味、調味料』(NPO法人日本料理アカデミー)ほか。味の素社から発売の『料理のしくみがわかる本』では、調理科学・レシピ監修をしている。

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焼きそばなのに、焼きつけない!? もちもち&香ばしさを両立する秘密

名前に「焼き」とつくとおり、麺を焼きつけて仕上げるのが「焼きそば」と言われることもあります。ところが今回のレシピは、あえて麺を焼きつけません。

川﨑さん

川﨑さん「焼きそばの魅力のひとつは、香ばしさです。麺を焼き目がつくまで加熱すると、アミノ酸と糖が結びつく『メイラード反応』が起こり、麺に香ばしい香りが生まれます。ただ、麺の水分が抜けるので、その分パサつきやすくなるんです。

今回目指すのは、ソースの香ばしさと麺のもちもち感の両方を楽しめる焼きそば。水分をある程度残したいので、麺は焼きつけません」

焼きそばの写真

麺を焼きつけずに、どのように香ばしさを出すのでしょうか。

川﨑さん

川﨑さん「重要なのがソースです。今回使う中濃ソースとウスターソースは、どちらも野菜や果物などの原料を加熱して作られていて、その製造過程ですでにメイラード反応が起きています。ソース自体が香ばしさを持っているので、麺を焼きつけなくても、香ばしさともちもちとした食感を両立できるんです」

麺は袋のまま「レンジで1分」でほぐれやすく

麺の下準備にもコツがあります。蒸し麺は、袋の中央に穴を開けたら、そのまま電子レンジ(600W)で1分温めます。

電子レンジの中に袋のまま焼きそばが入っている様子
袋に穴を開けるのは、蒸気を逃がして袋の破裂を防ぐため
川﨑さん

川﨑さん「冷蔵庫から出したばかりの麺は、でんぷん質が冷えてかたくなっていて、麺同士もくっついています。無理にほぐそうとすると切れやすいので、軽く温めておきましょう。麺がほぐれやすくなり、具材やソースが均一に混ざります」

具材の豚バラ肉・キャベツ・にらは、いずれも少し大きめの5cmほどに切っておきます。ひと口大とは、大体3cm程度。加熱するとしんなりするので、食べるときにちょうどよいひと口大になります。

具材と麺は、「分けて調理」が鉄則!

フライパンに油大さじ3を熱し、豚肉を入れて、塩こしょうをしたら、中火で色が変わるまで焼きます。

フライパンで豚肉を焼く様子

キャベツを加えたら、すぐに水大さじ3を加えてフタをし、1分蒸し焼きにします。

フライパンの中にキャベツを入れて蓋をする様子
川﨑さん

川﨑さん「蒸し焼きにするのは、均一に火を通すためです。熱はフライパンに接した面からしか入らないので、具材の下側だけが加熱されます。フタをすることで蒸気が全体に回り、ムラなく火が通るんです。

ここでの火入れは7割くらいが目安。仕上げでもう一度火が入ることを見越して、この段階で止めておきます」

キャベツをバットに取り出す様子

麺をべちゃっとさせないために大切なのが「具材と麺を分けて調理すること」です。豚肉とキャベツは、いったん器に取り出しましょう。

川﨑さん

川﨑さん「加熱した野菜からは水分が出てきます。ここで具材を取り出しておけば、麺が吸うのは、このあと加えるスープとソースだけ。余分な水分を吸わないので、味がボケません」


フライパンに麺を入れる様子

電子レンジで温めた麺を、同じフライパンに入れます。このとき、油は引かず、豚肉から出た脂を使います。

麺を炒めているフライパンの中に「丸鶏がらスープ™」を入れる様子

麺を軽くほぐしたら、すぐに「丸鶏がらスープ™」と水を加え、麺とスープをしっかりと和えます。

焼きそばをフライパンで痛める様子
塩焼きそばにするなら、スープを吸わせてから塩で味付けし、取り出しておいた具材を戻して炒め合わせれば完成
川﨑さん

川﨑さん「ここは炒めるというより、スープを煮詰めつつ吸わせるイメージです。スープを吸わせて下味をつけておくと、麺の内側にはだし、外側はソースと味が重なり、パンチのある仕上がりになります」

2種のソースで香ばしく

スープがなくなったら、中濃ソース大さじ2に対し、ウスターソース大さじ8を加えます。

麺の入ったフライパンにソースを入れる様子
麺に付属の粉末ソースでもOK。粉末は水で溶いてから加えると、麺になじませやすい

川﨑さん「ソースは、タイプの違う2つを合わせることで味に奥行きが出ます。中濃ソースは甘みとコクがあり、ウスターソースは酸味がやや強く、スパイシーでキレのある味わいです。今回はウスターを多めにしてキレを立たせ、少し濃いめの味付けにしていますが、甘めが好きなら中濃を増やすなど、比率は好みで調整できます」

フライパンの中で麺とソースが絡んでいる様子
川﨑さん

川﨑さん「この工程で大切なのは、『麺にソースをしっかり絡めること』です。麺を下からすくい上げ、返しながら和えていきます。麺の白い部分がなくなり、全体がソース色になるまでしっかり混ぜ合わせましょう。

冒頭でお話ししたとおり、ソースはすでにメイラード反応が起きています。麺全体にまとわせることで、香ばしい風味が加わります」

炒めているフライパンの中に野菜を入れている様子

取り出しておいた豚肉とキャベツ、切っておいたにらを加え、さっと和えたら完成です。

焼きそばをお皿に盛り付ける様子

ふわっと広がるのは、ソースの香ばしい香り。麺はもちもちとした弾力があります。香ばしさと食感、どちらも満足感のある仕上がりです。

イメージは、大阪のお好み焼き屋さんの焼きそば。ソースの風味が麺の一本一本にまとわりついて、麺全体にしっかり香ばしさが行き渡ります。

身近な材料でできる焼きそばも、ちょっとしたコツで香ばしく、もちもちとした仕上がりに。ぜひ試してみてくださいね。

材料&調理手順

材料(2人分)

焼きそば用蒸しめん2玉
豚バラ薄切り肉100g
塩・こしょう各少々
キャベツ200g
にら1/2束
水(キャベツ蒸し焼き用)大さじ3
A:水大さじ6
A:「丸鶏がらスープ™」小さじ1
B:ウスターソース大さじ8
B:中濃ソース大さじ2
サラダ油大さじ3

つくり方

  1. 1

    蒸し麺の袋の中央に穴を開け、電子レンジ(600W)で1分加熱する。

  2. 2

    豚肉、にらは5cm長さに切り、キャベツは5cm角に切る。

  3. 3

    フライパンに油を熱し、(1)の豚肉を入れ、色が変わるまで焼く。(1)のキャベツ、水を加え、フタをして1分蒸し焼きにし、いったん皿にとる。

  4. 4

    同じフライパンを熱し、(1)の麺を入れる。Aを加え、麺をほぐしながら和える。

  5. 5

    汁気がなくなったらBを加え、麺全体にからめる。

  6. 6

    (3)の豚肉・キャベツを戻し入れ、(2)のにらを加えてさっと混ぜ、火を止める。 

※ウスターソースが多めのしっかりとした味わいです。甘めが好みの方は、中濃ソースの比率を増やして調整してください。

  • 執筆/
    佐々木まゆ
  • 撮影/
    佐々木孝憲
  • 編集/
    とみこ