2025年3月31日、通販サイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムと味の素社がコラボして、粉末タイプのふりかけだし『きょうは主役のだし粉』(※)を発売しました。
(※「北欧、暮らしの道具店」にて販売、売り切れ次第終了)

みそ汁やおひたしなど、わたしたちの日々の食に欠かせない“だし”。料理の味を左右する要素の一つですが、料理の主役になることは……あまりありません。
『きょうは主役のだし粉』は、“だし”そのものを味わうのに最適なかつお節を使った、削り節入りの「ふりかけだし」。白いごはんにかけるだけでも楽しめますが、ふだんの料理にひと足しするのもオススメです。
では、『きょうは主役のだし粉』はどのようにふだんの料理に取り入れたらよいのか?レシピを開発するにあたり、わたしたちが頼ったのが、オランダ日本大使館の公邸料理人などさまざまな経験を持つ小田明宏シェフでした。小田シェフはこれまで培った料理の知識や経験をもとに、味の素社や味の素グループ各社のメニュー開発や商品開発のサポートをしている、味の素社にとってまさに縁の下の力持ち的存在です。

今回は、レシピ考案に携わった小田シェフへのインタビューとともに、「だし粉」の使い方をお届けします!


インタビューした人
小田 明宏シェフ
フランス料理店「オランジェリー・ド・パリ」にてフレンチの基礎を習得。その後、オランダ日本国大使館の公邸料理人として渡蘭。帰国後はレストランやカフェでの仕事を経験し、2004年に味の素コミュニケーションズに入社。現在は、味の素社や味の素グループ会社の商品開発、メニュー開発を中心に業務のサポートを行っている。
- オランダでの食体験が、料理人人生を変えるきっかけに
- 縁の下の力持ち的な存在の“だし”を、あえて主役に
- 『きょうは主役のだし粉』の取り入れ方
- かつお節って、どう作られる?
01
オランダでの食体験が、料理人人生を変えるきっかけに
小田シェフは、フレンチのシェフとして料理人のキャリアをスタート。フランス料理店で3〜4年ほど働いた後、当時の料理長からのスカウトで、在オランダ日本国大使館の公邸料理人として渡蘭しました。

そこで、自身の料理人人生を左右するような、衝撃的な食体験があったと言います。
小田シェフ「オランダ料理は日本料理とは全然違っていて。たとえば、パンにニシンの酢漬けを挟んで食べたり、コッペパンにうなぎの燻製を挟んで食べたりなど、日本人だったら『えっ!?』と驚くような料理や食べ方がたくさんあります。私も最初は驚きましたし、自分の舌には合わないところはあれど、現地の人はそれをおいしいと思っている。まずはその感性の違いを理解して、受け止めることを大事にしようと思いました」
相手が思う「これがおいしい」をまずは受け止め、自分なりに理解する。そしてそれを咀嚼して料理に還元する。それを繰り返すうちに、自身のお店を構えて「自分がおいしいと思う料理を提供する」よりも、「この製品や食材のおいしさを相手に届けるにはどういうレシピにするといいか?」を考えることが得意だと感じたそう。数年間はフリーランスの料理人として働いたのち、2004年に味の素コミュニケーションズへ入社しました。

現在は、『きょうは主役のだし粉』をはじめ、様々な味の素社商品の開発やレシピ考案に携わっていますが、今もオランダでの体験が根底にあると言います。
小田シェフ「『きょうは主役のだし粉』もそうですが、すべての人に受け入れてもらうものを作るのは難しいと思っています。なぜなら、人によって味に対する感性が違うからです。だからこそ、この商品はなにに合うか、どうやって調理するのがよいかを考えて、さまざまな提案をすることに意味があると感じています。その分、より多くの感性に響く可能性がありますから」
02
縁の下の力持ち的な存在の“だし”を、あえて主役に
そんな小田シェフがレシピ考案に携わった『きょうは主役のだし粉』には、料理の味のベースであり、縁の下の力持ち的な存在の“だし”ををあえて主役にして、“だし”の魅力を再発見してほしい、という思いが込められています。

特にかつお節は、老舗かつお節店の職人とともに燻す薪にまでこだわり、厳選したものを使用。かつおの削り節も入れることで、食感にアクセントを加えています。
小田シェフ「顆粒だしと比べると粒子が大きいので、『きょうは主役のだし粉』は水に溶けきりません。だからこそ、料理の主役にもなりますし、アクセントにするといった使い方もできるんです。料理に混ぜる場合も、完全に混ざるわけではなく、ところどころ不均一さが残るのが特徴で、それが食感のアクセントだったり、食べ飽きなさに繋がっています」
03
『きょうは主役のだし粉』の取り入れ方
『きょうは主役のだし粉』はどのように活用すると、より良さをいかせるのでしょうか。小田シェフに、使う際のポイントを聞きました。
スクランブルエッグにかけて、ご飯のおかずに
“だし”と言うと和食のイメージが強いですが、小田シェフいわく「むしろ洋風料理にかけてみてほしい」と言います。
小田シェフ「たとえば、洋風おかずのスクランブルエッグに『だし粉』をかければ、ご飯のおかずになります。材料が似ている『だし巻き卵』よりも簡単ですし、ワンプレートにまとめれば見た目もおしゃれで、朝食にもオススメです。スクランブルエッグをごはんと合わせるイメージはあまりないと思いますが、かつお節の風味はご飯と相性抜群なので、『だし粉』をかけると一気にご飯のおかず感が出ますよ」
スパイスとして、香りづけに
口の中に残るかつおの削り節の感触や、食欲を刺激するだしの香りは、スパイスに共通する部分が多いと小田さん。そのため、スパイス感覚で使うのもオススメです。
小田シェフ「ポテトサラダやビシソワーズ、卵かけご飯など、香りが控えめな料理に『だし粉』をプラスしてみてください。特に洋風料理は、和食に比べると香りが弱いものが多いので、香りを補強するスパイスのように使ってみるといいですよ。“味変”として考えてもいいかもしれません」
今回小田シェフが考案したレシピの中には、塩味のある調味料を使わない「和風スパイスカレー」も。試食したメンバーからも「簡単なのに満足感があっておいしい!」「『だし粉』が主役級の存在感」と大人気でした。
塩を入れないともの足りないイメージがありますが、『きょうは主役のだし粉』に入っているかつおの削り節がアクセントになり、満足感を得やすいのだとか。
小田シェフ「料理を食べたときに、ところどころアクセントになる味や食感があると楽しいですよね。たまに岩塩のガリっとした食感に当たるとか、アンチョビのうま味に当たるとか…。そういったよい意味でのアンバランスさの演出に、かつおの削り節が役立っています。こうしたアクセントがあると食べ飽きないので、料理に加える塩分が控えめでもおいしく食べられるんです」

04
かつお節って、どう作られる?
『きょうは主役のだし粉』で使っているかつお節は、静岡県焼津市の老舗かつお節店で作られています。
水揚げされたカツオがかつお節になるまでには、切ったり、ゆでたり、燻したりといくつかの工程がありますが、そのほとんどすべてが人の手で行われています。カツオを人力で扱うのは重労働で、また燻す作業などは危険も伴います。それだけ大変な作業を経て、私たちの食卓にかつお節が並んでいるのです。
日本人にとって馴染み深い“だし”にスポットを当てた『きょうは主役のだし粉』。小田シェフは、改めて“だし”を味わうきっかけにしてほしいと話しています。
小田シェフ「“だし”やかつお節は海外でも注目されていますが、日本では身近すぎて『あるのが当たり前』になりがちですよね。 “だし”のおいしさ、奥深さを改めて感じられる商品になっていると思います」
『きょうは主役のだし粉』は、「北欧、暮らしの道具店」で2025年3月31日から販売開始です。ぜひチェックしてみてくださいね。