いつも何気なく見ているレシピ。実はその裏側には、たくさんの試作と工夫があります。 味の素社でこれまでに開発されたレシピは1万件以上。
「ほんだし®」や「味の素KKコンソメ」、「丸鶏がらスープ™」など、調味料をよりおいしく活用いただくため、食のプロである社員がレシピ開発を行っています。
そんなレシピ開発の裏側を知るため、日々キッチンに立ち、年間約500ものレシピを開発している坂本智佳さんと長谷なつみさんのもとを訪ねました。
最新のトレンドレシピとともに、舞台裏をお届けします!

インタビューした人
東日本広報グループ
坂本 智佳さん
2017年入社、栄養士。物流・サプライチェーン管理・秘書など多彩なキャリアを経て、大学時代に取得した栄養士の資格を活かすべく、2025年7月に現部署へ異動。

インタビューした人
東日本広報グループ
長谷 なつみさん
2023年入社、管理栄養士。新卒から現在の東日本広報グループへ配属。栄養の専門知識を活かしながら、3年間にわたってレシピ開発を担当し続けている。
作る人にも、食べる人にも喜んでほしい!
スーパーの店頭で、商品の横にレシピが置いてあるのを目にしたことがあるかもしれません。そういったレシピを考えるのも、坂本さんと長谷さんの仕事のひとつです。
年間500件のレシピを開発し、そのうちの一部は、「AJINOMOTO PARK」の「レシピ大百科」にも登録されています。

お二人がレシピ開発をするにあたり、3つのポイントに気をつけていると言います。
一つ目は、「材料は少なく、調理時間は15〜20分を目標にする」こと。
長谷さん「調味料や材料をたくさん入れれば、その分おいしくできます。でも、工程や材料が多いと、見ただけで作る気がなくなってしまうこともあると思います。なので、『レシピ大百科』に掲載するレシピでは、これだけ買えばできる、家にあるもので完結できる、というかたちを目指しています」
二つ目は、「作る人と食べる人、両方への配慮」です。
坂本さん「レシピごとに料理を作る人を想像しながら、考案しています。もし料理初心者の方だったら、せん切りやみじん切りは難しいかもしれないので、ひと口大や大きめの切り方にします。食べやすさへの配慮としては、チンジャオロースなら全部同じ大きさに揃えて、お箸でつかみやすくする。お子さんがいる家庭なら食べやすい小さめのサイズに。料理する人と食べる人、どちらも想定したうえで、レシピを提案しています」

三つ目は、「どんなレシピが求められているか」をとにかく考えること。
長谷さん「いつも、レシピを発信する時期にあわせ、その時にその商品をおいしく食べていただけるメニューとは?を考えてレシピ開発しています。『中華レシピ』など、食材や料理のジャンルをある程度絞って考え始めることも多いのですが、同時に世の中のトレンドも意識しています」
トレンドをキャッチするために欠かせないのが、日々のリサーチ。TikTokやInstagram、料理雑誌にも目を通しながら、流行の「旬」を見極めています。
坂本さん「SNSで話題になったレシピや外食店で人気が出たメニューは、徐々にテレビや雑誌で取り上げられて、一般のご家庭にも広まっていくことが多いんです。認知度があがって、家庭でも作られはじめてきた時期が、いちばん需要が生まれやすい。ご家庭で簡単に作れたら喜んでいただけるものはなんだろう?と、いつも考えています」
流行りの味をおうちで!新作トレンドレシピ5選
ここからは、実際にお二人が開発したメニューを紹介します!
トレンドを取り入れた5品を、レシピに込めた想いとともにお届けします。
麻辣湯好き社員考案!手軽に楽しむ麻辣湯
しびれ・辛さを調整できるので、辛いものが得意でない方でも試していただきやすいレシピです!
坂本さん「今話題の麻辣湯をご家庭で楽しんでいただけるよう、使う食材や調味料を工夫しました。麻辣湯は元々お店に通うほど好きだったんです! 本場の味わいをできる限り再現しつつ、日本のスーパーで一般的に手に入る食材を使っています」
●何度も試作した自信作!日本米で作る本格チキンビリヤニ
使うスパイスを2種類に絞ったレシピです!スーパーでも手に入る材料なので、初めてビリヤニをご家庭で作る方にもオススメです。
長谷さん「ビリヤニのパラパラとした食感を目指して、生米での調理や冷えご飯の活用など、条件を少しずつ変えて試しながら、『自分でも作れそう!』と思っていただけるレシピに調整していきました」
●自宅でも研究!だしが決め手のせいろ蒸し
手軽で、野菜の優しい甘みを楽しめる レシピを目指しました。みそマヨディップソースは、だしの風味を引き立てるアクセントとしてお楽しみください。
坂本さん「”せいろ蒸し”はとにかく流行りましたよね。トレンドレシピの勉強のため我が家もせいろを買って、”せいろ蒸し”にあう『食材』『調理法』『調味料』を日々研究しています。このレシピは豚肉に直接『ほんだし®︎』をふってから巻くことで、蒸しても顆粒だしが流れにくく、しっかりとした味わいになるよう設計しました」
●せいろ×「Cook Do®」で簡単!新感覚の蒸し麻婆豆腐
具材選定にこだわりました!また、「Cook Do®」を使うことで、調味の手間なく本格的な味わいが簡単に再現できる麻婆豆腐です。
坂本さん「せいろ調理なので、火加減に悩まずに麻婆豆腐を作れる点も大きな魅力です。厚揚げはふんわり、れんこんはシャキッ、ほくほくとした食感に。素材を生かした満足感のあるレシピです」
●注目の韓国料理をフライパンひとつで!
ピリ辛×まろやかで大人気!試行錯誤の末にたどり着いた「フライパンひとつで作れる」トマトクリームベースのロゼパスタです。
長谷さん「ワンパンで作れる工程を調整するのに苦労し、4日連続で試作をしたこともありました(笑)。パスタは通常お湯でゆでますが、牛乳を加えると火通りが不安定になりやすいです。そこで、水と牛乳の配合や加熱時間、フタをするタイミングまで細かく調整し、誰でも再現しやすい工程に仕上げています」
「食べたいものを検索すれば、必ず見つかる。しかも安心」を目指して
SNSでは手軽に作れるレシピが広がり、料理をする人のハードルはどんどん下がっています。一方で、おいしさの再現が難しいことも。

坂本さん「キッチンの環境や使うお鍋などは人それぞれです。それでも目指しているのは『誰でも再現しやすいレシピ』です。加熱時間や水分量は、試作を重ねるだけではありません。事前に複数のレシピを参照し、それぞれの共通点や傾向をふまえ、失敗しにくいだろうというバランスを考えています 」
長谷さん「公開前には複数の担当者が何度もレシピをチェックして、誰が読んでも分かりやすく、失敗しない作り方かを確認します。さらに、全レシピで塩分量や野菜量の栄養計算もしています。世の中には、こういった栄養情報が数値で記載されていない レシピもありますが、『レシピ大百科』は栄養情報を公開しているところが魅力だと思っています。『最新のトレンドレシピも、味の素社のレシピなら安心』、そういうイメージを持っていただけるようにしていきたいです」

トレンドの移り変わりが早い今だからこそ、安心して作れるレシピの裏側には、見えない工夫が欠かせません。何度も試し、悩み、整えながら、作る人と食べる人のことを考え抜く――坂本さんと長谷さんが重ねているのは、そんな丁寧な積み重ねでした。





