寒い日が続き、家にこもりがちになってしまう冬。外に出かけるのが億劫なときは、料理で旅行気分を味わってみませんか?
地域に根付いた食文化に基づき、その土地ならではの食材や調理法で作られ、伝承されている郷土料理。
「おうちで日本グルメ紀行」と題し、全国に支店や関係会社がある味の素グループの社員に、現地のオススメ郷土料理を教えてもらいました!
今回は、北海道ならではの食のこだわりや、家でも簡単に作れる北海道料理をご紹介します!

インタビューした人
J・Tさん
冷凍食品の営業、サプリメント通販、「AJINOMOTO PARK」担当等を経て、現在広報全般を担当。簡単時短でおいしいお酒のおつまみレシピを探しています。食器も好きで、コロナ前は陶器市にもよく出かけていました。会社生活長いので、”懐かしめ”のお話かもしれません・・・。
- 素材の味を活かすのが北海道流!
- 「石狩鍋」や「まだらの子和え」は日常食!
- 聞き慣れない魚も、ぜひ食べてみて!
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素材の味を活かすのが北海道流!
グローバルコミュニケーション部で社内外の広報の統括をしているTさん。「北海道小樽市が地元ではありますが、父の転勤で道内さまざまなところに住みました。室蘭、苫小牧、稚内、倶知安、根室などを転々とし、高校3年生のときに小樽に戻りました」と話します。
北海道は地域によって食文化が違うそうですが、そのなかでも「北海道ならでは」だと思うことを聞くと、「素材のおいしさをそのまま活かした料理が多い」とのこと。
Tさん「住んでいたところは海沿いが多かったのもあって、日常的にいろいろな魚を食べていました。さけ、ほっけ、さんま、にしん、イカなどなど…。子供のころは近所に市場のような魚屋さんがあって、新鮮な魚介類が身近で手に入りましたね。凝った味付けをするわけではなく、塩焼きや煮つけなど、シンプルな調理で食べることが多かったです。社会人になり、東京でお寿司にゆでたエビがのっていたときはびっくりしました(笑)。北海道では生の甘エビが定番だったので、地域の特徴なのだとそこで知りました」
魚介だけでなく、ジンギスカンのイメージも強い北海道。ご実家にも「ジンギスカン鍋」があり、おうち焼肉のように気軽に楽しんでいたそうです。
Tさん「家中にジンギスカンの匂いが広がるので、食べるときは家中の窓を開けるのが鉄則!冬は寒いので、ジンギスカンを食べるのはもっぱら夏でしたね」
ちなみに、そんなご実家のごちそうをたずねてみると、「毛ガニ」なんだとか!
Tさん「身が甘くておいしいのはもちろん、みその量が多く味も絶品!お酒のおつまみにもぴったりですよ」

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「石狩鍋」や「まだらの子和え」は日常食!
そんな北海道の郷土料理のなかでも、今回ピックアップするのは冬にぴったりの石狩鍋!
石狩鍋は、その名の通り、現在の石狩市周辺で生まれた漁師料理です。石狩川はさけ漁が盛んで、大漁を祝う際に、獲れたてのさけのぶつ切りやあらをみそ汁が入った鍋に入れ、ご褒美として食べていたのが始まりといわれています。
そんな石狩鍋は、地域や家庭によって作り方はさまざま。そこで、Tさんのご実家の石狩鍋のレシピを教えていただきました。
Tさん「だしは昆布で取ることもありますが、私は「ほんだし」を使います。具材は、さけ、じゃがいも、大根、にんじん、玉ねぎ(もしくはネギ)などで、豆腐やこんにゃくを入れることもあります。最後に、米みそを適量入れてできあがりです」
※作り方は記事の最後でご紹介!

Tさんによると、ベースのだし汁に料理酒を入れたり、最後の仕上げにバターや酒粕を加えたりする家庭もあるそうです。
また、さけの種類は秋さけ(白さけ)が定番なんだとか。あまり脂がのっていないので、あらも一緒に入れるとコクが出ていいのだそうです。
Tさん「我が家では日常的に食べていたので、“鍋”というよりも豚汁に近い感覚です。そのときある食材を使って作るので、冷蔵庫の在庫整理にぴったりな一品。お皿に取りわけたのが食卓に出てきて、おかずとして食べていました。さけはあらの部分などが、骨ごと入っていたので、子どもの頃は苦戦しましたが、おかげで骨つきのお魚を上手に食べられるようになりました(笑)」
また、「まだらの子和え」も、Tさんのご実家では日常的に食べていた郷土料理の一つ。乾煎りしたつきこんにゃくに“まだらの子”、だし汁、しょうゆ、砂糖、みりん、料理酒などを加えて煮詰めたらできあがりです。
※作り方は記事の最後でご紹介!

Tさん「明太子などに使われるのはスケトウダラの卵ですが、『まだらの子和え』で使うのはまだらの卵。生の“まだらの子”が出回る12〜1月頃によく作って食べていて、我が家では常備菜の一つでした。お酒のあてにもなりますよ!」
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聞き慣れない魚も、ぜひ食べてみて!
ほかにも、日常的に食べていた魚を教えていただくと、ハッカク(トクビレ)やコマイ、カスベなど、全国的にはあまり聞き慣れない名前の魚もありました。
Tさん「ハッカクはネギ味噌をのせて焼く『軍艦焼き』が有名!干したコマイはそのまま焼いて、カスベは煮付けにすることが多いですね」


北海道はおいしい料理がたくさんあるので、ついガイドブックに載っているような有名グルメを食べがち。ですが、Tさんは「それだけではもったいない」と言います。
Tさん「地元のお店に行けば、北海道ならではの魚料理もあるはず。旅行に行ったら、ぜひ知らない魚も食べてみてほしいですね」
新鮮な魚介類が魅力の北海道。今は関東に住んでいるTさんですが、「魚を食べて育ったからか、今も魚をよく食べます」とのこと。「関東には関東の魚の種類があって楽しいです。たとえば、鯵とか、鰆とか、カマスとか、鯛も種類が多いなぁ…と。とはいえ、子供の頃の記憶が残っているのか『そろそろまだらの時期かな』なんて思いながらお店を見ていると、食材とのよい出会いが意外とある」のだそう。おうちで北海道気分を味わってみてくださいね。
\今回紹介した「石狩鍋」&「まだらの子和え」の作り方はコチラ!/
【石狩鍋の作り方】
材料(2人分)&調理手順
・さけのあら
(だしが出るほか、適度な脂がおいしさにつながるので、あらを入れるのがスタンダードでした)
・さけの切り身(生)
・じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、ねぎ、白菜、大根
(その他、冷蔵庫にある野菜で入れたいものがあればOK、豚汁を作る感覚です)
・「ほんだし®」かつおだし
(あれば、昆布を洗って入れても。だし昆布ではなく、昆布巻きに使うような食べられる昆布を適量切って入れる)
・酒
・みそ
・水
※分量に関しては、味見をしながら適量で加える
- さけは洗っておく。野菜類は、豚汁のときよりも気持ち大きめに切る。
- 鍋にお湯を沸かし(あれば昆布を入れる)、「ほんだし®」かつおだしと酒を入れる。
- さけと野菜を一緒に加える(野菜は煮えにくい順に大根から入れるなど、切り方や具材で工夫してOK)。
- 具材が煮えたら、みそを溶き入れてできあがり。
【まだらの子和えの作り方】
材料(2人分)&調理手順
・まだらの子
・つきこんにゃく
(※つきこんにゃくとまだらの子は同じ重さ(g)が目安。ただし、差があっても構いません)
・酒<
・砂糖
・しょうゆ
・みりん
・水
・「ほんだし®」かつおだし
※分量に関しては、味見をしながら適量で加える
- つきこんにゃくを洗う。
- まだらの子は皮のままぶつ切りにする(皮も食べられます。この時点で皮をむくと、扱いづらいため、口当たりが気になるようであれば、できあがったあとに取り除く)。
- フライパンにつきこんにゃくを入れて、から煎りする。
- こんにゃくの表面が乾いてきたら、酒・砂糖・しょうゆ・水・みりん・「ほんだし®」かつおだしを加える(きんぴらごぼうやひじきを煮るイメージ)。※たらこの臭みをとるために、酒:水=2:1くらいの比率で、酒の方を多くする。
- 沸騰したら、ぶつ切りにしたまだらの子を入れ、木べらなどで、皮から卵を押し出し、バラバラになるように時折混ぜながら全体に火が通り、水分が少なくなるまで煮る。 ※冷蔵保存で3日くらいはもちます。
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