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春の味覚を味わいつくす!料理家・今井真実さんのたけのこレシピ

春の味覚を味わいつくす!料理家・今井真実さんのたけのこレシピ

2025/03/13

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春の足音が聞こえてきた今日この頃。春が旬の食材はたくさんありますが、そのなかでも“たけのこ”はちょっと特別感のある食材です。

ですが、「ゆでる手間を考えるとなかなか手が伸びない…」という人も多いのではないでしょうか。また、ゆでたはいいものの、その後のレシピがワンパターンという悩みも多そうです。

そこで「毎年のようにたけのこ掘りに行っている」という料理家の今井真実さんに、お手軽なものからちょっと意外な料理まで、たけのこレシピを教えていただきました!
今井さん流のたけのこのゆで方や保存方法、水煮のたけのこをさらにおいしくするワザもご紹介するので、参考にしてみてください。

インタビューした人

料理家

今井 真実さん

「作った人が嬉しくなる新しい家庭料理」を軸に、雑誌、web媒体、企業広告をはじめ、多岐にわたるレシピを考案。著書に『毎日のあたらしい料理 いつもの食材に「驚き」のひとさじ』(KADOKAWA)、『いい日だった、と眠れるように 私のための私のごはん』(左右社)など。noteでも日々の料理について発信している。

  1. ゴールデンウィークはたけのこ堀りが恒例
  2. 下味をつけるのがポイント!今井さん流のゆで方
  3. 定番から意外なものまで!たけのこレシピ5選
  4. どんなものにでも合う懐の広さが魅力

01
ゴールデンウィークはたけのこ堀りが恒例

旬の食材を使うことを大切にしている、という今井さん。3〜5月頃に旬を迎えるたけのこも、大好きな食材のひとつです。

今井さん「毎年ゴールデンウィークは、夫の実家にある山でたけのこ掘りをするのが恒例です。シャベルでガツガツ掘って、だいたい20本くらい採ってきますね。かなり大変なんですけど、やっぱり採れたてのたけのこは格別なので頑張っています(笑)」

千葉県内の山で収穫。自分で掘ったたけのこは、根もしっかりついている

そんな今井さんにたけのこの魅力を聞くと、香り、独特の食感、部位による味の違いの3つを挙げてくれました。

今井さん「ほんのりと甘い香りがあるので、料理をするときは“甘さ控えめのとうもろこし”だと考えています。炊き込む、バター醤油で焼くなど、とうもろこしに合う調理法は、たけのこにも合うことが多いんです。味はたんぱくですが独特の食感があって、どんな料理にも合うのに、しっかり爪あとを残すところが好きですね。根元や穂先、姫皮など、部位によって味や食感が違うのもおもしろいです」

02
下味をつけるのがポイント!今井さん流のゆで方

大量のたけのこが手に入るからこそ、「下処理は効率重視!」という今井さん。一般的には、皮付きのまま丸ごとゆでることが多いですが、今井家では皮をむいて、縦に4分割、根元の方は5センチ幅くらいに切ってからゆでています。

さらに、ゆでるときに塩を加え、たけのこに下味がつくようにするのも今井さん流です。

今井さん「たけのこが浸るくらいの水に、米ぬかひとつかみ、昆布1枚、水に対して1%の重量の塩を加えてゆでます。そうすると、たけのこにうっすら下味がつくので、その後の調理がラクなんです。米ぬかはあってもなくても大丈夫ですが、鍋1個につきひとつかみの生米でも代用できます」

しっかりゆでるのもポイントで、今井さんは2〜3時間以上ゆでているのだそう。

今井さん「うちは『シャトルシェフ』という真空保温調理機器も使っていて、その場合は1〜2時間ゆでた後、一晩中それで保温しっぱなしということもあります。しっかりゆでた方がたけのこのアクが残りませんし、多少ゆですぎても柔らかくなるだけなので全然大丈夫!大根をゆでるくらいの気持ちで、気楽にゆでてみてくださいね」

ゆでたたけのこは、水と一緒に容器に入れて冷蔵保存し、毎日水を取り替えれば、数日はもつそう。それでも使い切れないときは、冷凍保存もできます。

今井さん「ゆでる際に下味をつけているからか、冷凍しても味や食感が落ちにくいんです。我が家では、薄くスライスしてから水気を拭き、ラップで包んだものを保存袋に入れて冷凍しています。1ヶ月はもちますよ」

冷凍したたけのこは、パスタや炒め物、みそ汁に入れるのがオススメ。多少ソフトな食感にはなるので、料理の主役というより引き立て役として使うのがいいそうです。

冷凍たけのこを使用したたけのことベーコンのパスタ

とはいえ、「そんなに料理に時間をかけられない!」という人は、スーパーなどで売られている「たけのこの水煮」を活用するのも一つの手です。

今井さん「市販の『たけのこの水煮』はほんのりついた酸味が苦手、という人も多いですよね。その場合は、1%の濃度の塩水で1分ほどゆで直してみてください。お湯に15分ほど浸けておくだけでもOKです。そうすると、酸味が抜け、あっという間においしいたけのこになりますよ」

03
定番から意外なものまで!たけのこレシピ5選

ここからは、今井さんがnoteで発信してきたたけのこレシピを抜粋し、今井さんのコメントとともにお届けします。ゆでたり、揚げたり、さまざまなレシピがあるので、ぜひチャレンジしてみてください!

・たけのこご飯

お米3合に、水3カップ、細かくみじん切りにした油揚げ、たけのこたっぷり、お塩小さじ1と1/2、昆布、お醤油少々を入れて炊き上げます。シンプルな味付けで、たけのこのおいしさが引き立ちますよ。

・たけのこ入りたらこスパゲッティ

パスタはゆでておきましょう。フライパンにオリーブオイル、にんにくのみじん切り(1かけ)、薄切りたけのこ(小1/4個)を入れ、にんにくが色づくまで弱火で熱します。ゆで汁適量、パスタを加えて和えます。ボウルにバター(約5g)とたらこ(1/3腹程度)を入れて混ぜ、フライパンの中身をすべて加えて和えればできあがり。定番のたらこスパゲッティも、たけのこの楽しい歯触りで新鮮に感じますよ。

・ゆでたけのこ

みそ、マヨネーズ、砂糖を全て大さじ1ずつ混ぜてタレを作ります。お好みで豆板醤を少し混ぜてもOK。ゆでたたけのこにつけていただきましょう。簡単なので、さっと一品作りたいときにもオススメです。

・たけのこチップス

フライパンに油を多めに入れ、透けるくらいの薄切りにしたゆでたけのこ(根元がオススメ)を入れて揚げ焼きにします。塩やコリアンダーパウダー、カレー粉を振りかけたら完成。簡単なのに、食べる手が止まらなくなります。

・たけのこのフライ

根元の方を好きな大きさに切って、水気を拭き取ります。小麦粉をはたき、バッター液(小麦粉1カップ、溶き卵1個分、水3/4カップを混ぜたもの)につけて、パン粉をまぶします。衣がカリッとするまで、少なめの油で揚げ焼きしたらできあがり。ソースはもちろん、ポン酢、お塩、レモンなど、なんでも合いますよ。

ほかにも、バター醤油で炒めたり、薄切りにして揚げ焼きにしたりと、たけのこレシピは盛りだくさん!今井さんのnoteでもご紹介しているので、参考にしてみてください。

04
どんなものにでも合う懐の広さが魅力

今井さん「たけのこは、和食のイメージが強いかもしれませんが、和洋中どれにでもいけて、どんな調味料・食材にも合うんです。卵との相性がいいので、オムレツや卵焼きに薄切りにして加えたり、大きめに切ってカレーに入れたり、普段のメニューにひと足しするのもオススメです。この季節しか味わえないので、いつもの料理がちょっと新鮮に感じられますよ」

なかでも今井さんが「気に入っている」という食べ方がBBQ。

今井さん「ゆでたたけのこをそのまま持っていくだけで盛り上がります。食べるときは、たけのこを直火で焼いて、バター醤油やオリーブオイル+醤油、粒マスタードなどをお好みでつけていただきます。トースターやグリルなどでもできるので、ぜひ試していただきたいです。

たけのこって、料理をしているときは味の予測ができないんです。できあがってみると『思ったよりおいしい!』となる。掘るのは大変なのですが、その魅力につられて、きっとまた掘りに行くと思います」

  • 執筆/溝上 夕貴 撮影提供/今井 裕治 編集/長谷川 賢人
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