まず感じたのは、全部を自分でやりすぎだということです。仕事と家族を優先しすぎて、自分の時間が後回しになっていることが気になります。ご本人の気持ち次第ではあると思いますが。

週末に夫に子どもの対応を任せて、ヨガや聞きたいセミナーに行ったりすることはあります。ただ、「平日は自分でやりすぎているかも…」と思うことはあり、たまに歪みがきてしまうこともありますね。

よくある「スーパーママ症候群」かもしれません。全部がんばっちゃう人ですね。

子どもたちが『鬼滅の刃』にはまっていて、長女と次女がそれぞれ自分たちは「○○の呼吸の使い手！」と遊んでいるのですが、「ママはがんばりやさんの呼吸だね」と。子どもたちのやさしさにこっそり泣きました。

なぜそうなってしまうかというと、やるべきことでスケジュールが全部埋まっているからなんです。やりたいことを優先することを「ポジティブスケジューリング」といいますが、自分がやりたいことをまず予定に入れて、残った時間でやるべきことをしたらいいんですよ。
先ほど歪みが出るとおっしゃっていましたが、どういうときに出るんですか。

自分のやりたいことをする日までが遠いときですね。たとえば、「久々に友人と飲みに行く」と決めてもそれがかなり先の予定だと、日々の小さなイライラがたまってしまうこともあります。

土曜日に子供の習い事対応をされていますけれども、だんなさんと一緒にやるのか、週ごとに交代でやってもいいわけじゃないですか。話してみたことはありますか？

話はしていますし、やれるところはやってもらっていますが、彼も仕事柄そうとう忙しいんですよね…。

髙井さんも、ものすごく忙しいですよね。家事も入れると、朝の7時から平日は21時半ぐらいまで、ずっと働いているじゃないですか。

そういう意味では、夫と話し合って、土日祝日のごはんは夫が担当すると決めたんです。

いいですね。あとはこまめに平日にも自分の楽しみの時間を設けられるといいと思います。

今は朝と夜に好きなことをやっていますね。

それは睡眠時間を削って入れているという言い方もできるんですよ。それでよいと髙井さんが思うだったらいいんです。ただ、歪みがたまに出ているのだとしたら、検討してみてもいいかもしれませんね。

数ヶ月や半年、1年といったもう少し長いスパンであれば、「このときにこれをしたい！」と、家族間の調整はやっています。ですから、私としては全部を我慢しているとは思っていないですね。

数ヶ月単位でウェルビーイングな感じだと思うのであれば、それはそれでよいリズムなのかもしれないですね。

私は、日々そんなに不満があるわけじゃないんですけれど、コロナ禍で在宅勤務が多くなって、気持ちのリフレッシュができていないなと感じますね。

どんなお仕事なのですか。

基本的にはずっとパソコンに向かっています。転職してきてまだ3ヶ月ほどなので仕事について考えてしまうことが多くて。気持ちを切り替えたいのですがうまくいっていないんです。

気持ちを切り替えるためにどういうことがあるといいと思いますか？

友人と会う機会があるといいですね。

なるほど、コロナでなかなか難しい面もあるかと思いますが、うまく予定に組み込んでいきたいですね。

私が気になるのは、寝る直前にお風呂に入っていらっしゃることです。体温が上がるので眠りづらいんじゃないですか？結果、睡眠の質が悪くなって、土日の寝だめにつながっていると思うんです。平日も休日も、起床時間はプラスマイナス1時間以内には揃えたいところです。

確かに、週はじめの朝は、起きるといつもと違う眠気があります。

それは社会的時差ボケといわれる現象です。ヒトの体内リズムは、起きる時間がずれると生じるんです。平日も休日も同じような時間に起きて、それでも眠い場合は昼寝でカバーしたほうがいいですね。

確かに、夕方になると眠くなり、パフォーマンスが落ちてくると感じることもあります。

漫画を読まずに寝ればいいんじゃないでしょうか。おそらく新しい仕事をはじめたばかりで、日中の仕事にまだ手ごたえを感じられていないというのが問題の根本にあるんですよ。だから、夜の時間を充実させて、リフレッシュしたくなる。

仕事の終わりをどうやって迎えていますか？

時間がきたら「今日はもういったんやめておこう」と思って終わります。

なるほど、それはもしかしたら改善できるかもですね。時間が来たからといって終わらせると、脳内ではやり残した仕事がいつまでも忘れられず、ずっと残ってしまいます。

どうすればいいんでしょうか？

簡単なのは、明日どう仕事をはじめるのかを書き出してから終わるという方法です。すると、脳は終わったと認識してくれるんですよ。

すごく勉強になります。

内山さんの場合、本当にやりたいことは、仕事にちゃんと手応えを感じることだと感じました。