食べるって楽しい!おいしく食べて、健康に過ごせたら幸せ♪「AJINOMOTO PARK」では、そんな気持ちに寄り添いたいという思いから、食に関するお役立ち情報や気づきを求め、さまざまな料理家さんとともに活動しています。
忙しい毎日、お料理はできれば効率的に、無駄なくこなしたいもの。「おだいどころ⻁の巻」では、いつもキッチンに立つみなさんのそんな切実な思いにこたえるとっておきのアイデアを、その道のプロや賢者に伺います。
11月24日は和食の日!そこで◎和食に欠かせないかつお節をとことん楽しむための極意や、オリジナル絶品レシピを東京都内で大人気の「かつお食堂」を営む永松さんに教えてもらいました♪
インタビューした人
かつお食堂 店主
永松 真依さん
1987年、神奈川県生まれ。派遣社員として働いているとき、祖母の話によってかつお節の魅力に目覚める。その魅力を広く世に伝えるため、25歳ごろからイベントなどでかつお節を削るように。2017年11月、かつおやかつお節料理を提供する「かつお食堂」をスタートさせる。
Website
- 昔ながらの縁起物・かつお節
- かつお節を「和食のスパイス」に!オリジナルレシピ3選
- 和食をワンランクアップ!かつお節を削ってみよう
- 編集部でも作ってみた!
01昔ながらの縁起物・かつお節
和食の料理によく使われているかつお節。実はかつお節は、とても縁起のよい食材なんだそうです。
「かつお節は、かつおを3枚おろしにして作ります。背中側は「雄節(おぶし)」、お腹側は「雌節(めぶし)」。この2つはピッタリと合わさるんです。そこから「仲のよい夫婦」の象徴として、結婚式の引出物などに重宝されてきたという歴史があるんですよ」
さっそくかつお節の豆知識を教えてくださる永松さん。きっと昔から和食にも詳しいのだと思ったら、実はそうでもないんだとか。
「実は元からかつお節や和食に興味があったわけではないんです。でも今から9年前に九州の祖母宅に帰省したとき、祖母がかつお節を削ってくれたんですね。その削り器に向かう姿がとてもかっこよくって。そこから料理やかつお節にのめり込むようになりました」
永松さんは今「かつお食堂」を営みながら、かつお節や日本文化の魅力を発信し続けています。
「日本には和食やかつお節というすばらしい文化があるので、先の未来に伝えていきたいと思っていて。かつお節を自宅で削るのはハードルが高いと思いますが、ぜひチャレンジしてもらいたいなと。素材に触れるという観点から、子どもたちにとっては立派な『食育』にもなると思うんです。
また、かつお節はだしになるだけでなく料理にちょっと入れるだけで風味が変わるので、『スパイス』みたいに試していただきたいですね」
02かつお節を「和食のスパイス」に!オリジナルレシピ3選
永松さんが手がけるかつお節料理は、素材のうま味が際立って箸が止まらなくなります。そんな料理を自宅でも味わえるように永松さんに教わりました♪
かつお食堂永松さん直伝のかつお節の風味を存分に味わえるオリジナルレシピ!ふだんの食卓がひと味違った雰囲気になりますよ♪
■粘り気がクセになる!里芋とかつお節のシンプルポテサラ
まず教えてもらったのは、里芋とかつお節で作るシンプルなポテトサラダです。
材料は、里芋(ジャガイモでも可)、塩、しょうゆ、そして削り節。里芋をゆでてつぶし、塩としょうゆで下味をつけて、削り節と和えるだけ!お皿に盛りつけて、上からも削り節をかけたら完成です。
ほかほかの里芋と豊かな香りのかつお節が、みごとな和のハーモニーを奏でます。里芋の水気を吸ったかつお節は、ツナのようなしっかりとした新食感に。新しい感覚のレシピです!
■お箸がノンストップ!ピーマンとしいたけのかつお節和え
次に伝授してもらったレシピは、ピーマンとしいたけのかつお節和え。かつお節の風味でお箸が止まらないレシピです!
材料は、細切りにしたピーマンとしいたけ、削り節、ごま油、しょうゆとシンプル。フライパンにゴマ油を入れて熱し、ピーマンを軽く炒めてからしいたけを投入します。ひとつかみの削り節を加え、しょうゆを少したらせば完成です。
ゴマ油とかつお節の香ばしい香りが!思わず「ああ〜ご飯がほしい!」と言ってしまうほど、食欲がわく味でした。ピーマンの緑があざやかでキレイですね。
■がっつり食べたいときに!かつおスパイス炒飯
最後のレシピは、お昼ごはんにもピッタリなかつおスパイス炒飯!かつお節とごはんの組み合わせは絶品間違いなし☆炒めることでかつお節の香りがふわっと広がります♪
材料は、ご飯と塩、しょうゆ、ごま油、削り節。熱したフライパンにごま油を入れ、ご飯を入れ、ほぐしながら焼き目をつけて炒めます。適量の塩を加えてしょうゆをかけ、味を整えたら削り節を投入!多めに入れるとよりしっかりとした食感が楽しめます。お皿に盛りつけて上から削り節をさらにかけたら完成です!
アツアツのご飯とあとがけのかつお節、ふわっと広がる香りが食欲をかき立てる逸品。目玉焼きをトッピングするとさらにごちそう感がアップするのでオススメなんだとか。
03和食をワンランクアップ!かつお節を削ってみよう
「ふだんの食卓をさらにワンランクもツーランクもアップしたい!そんな方は「ぜひかつお節をご自宅で削ってみてください」と永松さん。
「かつお節はなんといっても削りたてが一番!削ったばかりのかつお節の香りは格別ですよ」
まずはかつお節と削り器を用意。削り器の刃を調整する際はトンカチも使用します。オススメのかつお節は、本枯節(ほんかれぶし)の中でも脂がのった雌節(めぶし)。かつお節の中では比較的柔らかくて削りやすく、濃厚な味も魅力だそうです。
削り器のお値段は数千円〜数万円までさまざまですが、リーズナブルなものでもかつお節の香りや風味を楽しめるそう。「上手に薄く削りたいなら、職人さんが作った削り器がよいですね」と永松さんは語ります。
雌節(めぶし)の尖ったほうを刃に当てて、ゆっくり前後に動かして削りはじめます。
「最初は粉のような形状でしか削れませんが、この粉ももちろん、料理に使えます。薄くキレイに削れなくたっていいんですよ」
左から、血合い部分、削りはじめの削り節、やや分厚い削り節、薄い削り節。
かつお節はどんな料理にも合う、と永松さん。卵かけご飯に軽く塩をふってかつお節をかければ、卵かけご飯がスペシャルメニューにはや変わり!
塩に粉状のかつお節を混ぜれば「かつお塩」として使え、いつもの塩が香り豊かな調味料に変身します。お味噌汁にふりかけてもよし、パスタに和えてもよし。お肉料理にもかつお節がマッチするそうですよ。
04編集部でも作ってみた!
かつお食堂でごちそうになった永松さんのかつお節料理のおいしさが忘れられない編集部員は、自宅でもかつお節料理に挑戦!ピーマンとしいたけのかつお節和えと卵かけご飯を作ってみました。
慣れないかつお節削りに四苦八苦しながらも、すっすっとかつお節を削ります。しばらくしてコツをつかんだら、さらに削りたくなるから不思議です。珍しい光景に家族も興味津々でしたよ☆
今回永松さんに教えていただいたレシピは、どれもかつお節のよい香りが!その香りを楽しんだり、本格的に削ってみたりして、ぜひ「食」を楽しんでみてくださいね♪