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おだいどころ虎の巻#13 瀬戸口家流・ほっこり温かい冬の定番和食

おだいどころ虎の巻#13瀬戸口家流・ほっこり温かい冬の定番和食

2022/11/24

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食べるって楽しい!おいしく食べて、健康に過ごせたら幸せ♪「AJINOMOTO PARK」では、そんな気持ちに寄り添いたいという思いから、食に関するお役立ち情報や気づきを求め、さまざまな料理家さんとともに活動しています。

朝晩冷え込むことが多くなり、今年も冬が近づいてきましたね。寒くなってくると自宅で温かい料理が食べたくなる方も多いのでは? 「おだいどころ虎の巻」では、いつもキッチンに立つみなさんの切実な思いにこたえるとっておきのアイデアを、その道のプロや賢者にうかがいます。

今回のテーマは「寒い日に食べたくなる和食」。お話を伺ったのは、昔から料理好きで、独身時代からあだ名は「かあちゃん」だったという料理家の瀬戸口しおりさん。旦那さんと大学生になる息子さんの3人で暮らす瀬戸口さんに、実際にご家庭で作っている「冬の定番和食」を教えていただきました。

インタビューした人

料理家

瀬戸口 しおりさん

無国籍レストラン勤務、高山なおみ氏のアシスタントを経て独立。ドラマの料理監修、雑誌、広告などで活躍。アジア旅が好きで現地の味を再現したレシピも得意。「自分ごはん時々おやつ」(主婦の友社)など著書多数。

  1. 瀬戸口家の冬は、おみそ汁と茶碗蒸しのほっこりメニューで乗り切る
  2. 大好きな茶碗蒸しを贅沢に楽しむには、卵の量と器がポイント
  3. 家族が喜ぶおみそ汁のヒントは、“だし”と“切り方”
  4. 編集部でも作ってみた!

01
瀬戸口家の冬は、おみそ汁と茶碗蒸しのほっこりメニューで乗り切る

料理家・瀬戸口しおりさんが作る冬の定番メニューは、おみそ汁と茶碗蒸しなのだそう。

「野菜があまり好きではない息子も、おみそ汁に入れると食べてくれるんですよ。冬は小松菜や大根、里いもといった季節の野菜とお肉を入れて、簡単豚汁にすることが多いですね。おみそ汁とご飯、そして茶碗蒸しを並べるのが冬の食卓の定番です」

でも、茶碗蒸しが冬の定番になったのは最近のことだといいます。

「息子は長い間茶碗蒸しが苦手だったんです。小さいころにプリンと間違えて食べたことがあって、それ以来苦手だったみたいです(笑)。でも、大きくなってから外食先で出された茶碗蒸しをしぶしぶ食べてみたら、意外とおいしかったみたい。私はもともと茶碗蒸しが大好きだったので、息子が食べられるようになってからは定番化しましたね」

瀬戸口さんによると、おみそ汁と茶碗蒸しはちょっとの手間でよりおいしく作れるポイントがあるのだそう。今日は、実際に調理をしてもらいながら、そのポイントを教えていただきました。

02
大好きな茶碗蒸しを贅沢に楽しむには、卵の量と器がポイント

■虎の巻 其ノ一 専用の食器はなくてもOK。自宅にある食器で作ってみて

1品目は瀬戸口家冬の定番メニューのひとつ、茶碗蒸し。瀬戸口家では、茶碗蒸しを入れる器は一般的なものより少し大きめ。

「うちは家族みんな茶碗蒸しが大好きなので、たくさん食べられるように大きめの器で作っています。ちなみに、私は古い器のお店で購入したフタ付きの食器をつかっていますが、茶碗蒸し用の食器がなくても茶碗蒸しを入れた器の口より少し大きめの小皿でフタをすれば、大丈夫。ちょうどいいサイズがなければ、お茶碗やマグカップにアルミホイルでフタをしてもOKです」

■虎の巻 其ノ二 茶碗蒸しには、練りもの、みつば、きのこはかかせない

瀬戸口家の茶碗蒸しには、練りもの、みつば、きのこの3つがマストだといいます。

「だしが出る練りものは、板かまぼこが特にオススメですが、かにかまぼこやちくわでも代用できます。香りと食感がいいアクセントになるみつばは、万能ねぎやせりにしても。また、きのこはしめじをよく使いますが、えのきだけやしいたけで作ってもおいしいですよ」

さらにここに、「桜えび」を入れるのが瀬戸口家流。白身魚やえびが自宅になかったとき、代わりに乾燥桜えびを入れてみたところ、だしが出て彩りも華やかになったことから、茶碗蒸しに入れる定番の材料となったのだそう。

さて、今回茶碗蒸しに入れる材料は、板かまぼこ、かにかまぼこ、ぶなしめじ、みつば、桜えび。

「桜えびはたっぷり入れると、味がしっかり出ておいしいんです!桜えびと練りもの、だし醤油の3つがあれば簡単においしくなりますよ」

板かまぼこ、かにかまぼこ、ぶなしめじを器に入れ、上から桜えびをたっぷり加え、最後にみつばを散らします。

■虎の巻 其ノ三 たくさん食べたいから、材料はたっぷり使う!

器に具材を入れたら、茶碗蒸しのベースとなる、卵液を作っていきます。

「一般的な茶碗蒸しだと卵はひとりあたり1/2個か2/3個なんですけど、うちではひとり1個使います。また、卵1個に対して加える水も通常より少なめの130〜140ml程度。そうすると少し硬めになるので、しっかりした食感が好きな人にはオススメです」

人数分の卵と水に、だし醤油と塩を入れたら、卵の白身の塊が残らないようにしっかりかき混ぜ、ザルで四角い容器にこすのがポイントなのだとか。

「四角い容器だと、容器の角から器に卵液を注げるんです。器に液を入れるために、おたまなどを用意しなくてもいいので、片付けの手間が省けるんですよ」

卵液は盛りつけた具材の外側からそっと入れていくと、具材が沈まずきれいな仕上がりになります。

器に卵液を注いだら、電気鍋に器をセットしてあとは7、8分待つだけ。具だくさんで温かい、冬のおかずにぴったりな茶碗蒸しのできあがりです。

03
家族が喜ぶおみそ汁のヒントは、“だし”と“切り方”

■虎の巻 其ノ四 使う“だし”によって味が変わる

瀬戸口家のおみそ汁は、その日の気分によって使う“だし”を変えています。

「煮干しで作るとスッキリした味わいに、かつおで作ると強めにうま味が感じられるんですよ。東北出身の私の実家ではかつおベースのおみそ汁、そして九州出身の夫の実家では煮干しベースのおみそ汁が定番だったので、交互に使い分けています。私はどちらも好きですが、夫は煮干しのほうが好きみたい。煮干しで作ったときは、『懐かしい味がする』といっておかわりするんです(笑)」

「また、煮干しもいりこだしとあごだしを使い分けています。普段はいりこだしを使うことが多いのですが、ちょっと贅沢したいときはあごだしをチョイス。そうすると、しっかりうま味が効いているのに、スッキリと上品な味になるんですよ」

ちなみに今日作るおみそ汁は、いりこだしベース。煮干しを水に入れて、一晩置いたものを使います。お鍋にだしを注ぎ、中火で温めていきます。

「時間がないときは、おみそ汁に煮干しを入れて一緒に煮込むことも。また、お肉を入れるときはだしを入れないこともあります。どのだしを使うか、どういう使い方をするか、同じ食材を使ったみそ汁でもいろんな味を楽しむことができるんです」

■虎の巻 其ノ五 野菜は旬を感じられるものを入れる

冬だけでなく、1年を通してよく食べられるおみそ汁。瀬戸口さんは、入れる野菜によって季節感を出していました。

「夏はモロヘイヤやトマト、冬は大根や白菜、ゆり根を入れることもあります。その季節にスーパーの目立つ場所に売られている、旬の野菜を入れることが多いですね」

今日使う食材も、秋から冬が旬の野菜がメイン。材料は、大根、里いも、玉ねぎ、そして豚肉。お鍋に入れたいりこだしの中にまずは切った野菜から入れて煮込んでいくのですが、この「切る」工程にもおいしさを決める大事なポイントがあるのだとか。

■虎の巻 其ノ六 切り方で食感が大きく変わる

いりこだしをお鍋で温めてる間に、お野菜を切っていきます。瀬戸口家では、この「切り方」で好みがわかれるそうです。

「例えば、私は大根は細切りにしたいタイプ。細切りにして火をサッと通すだけにすると、シャキシャキした食感が楽しめます。でも、夫はいちょう切りにしたほうが食べごたえがあって好きなようで……。好みがまるで違うんです(笑)」

この日の大根は旦那さん好みのいちょう切りに。「いちょう切りでも、薄めに切ることで火が通りやすくなり、調理時間の時短になりますよ」と瀬戸口さん。玉ねぎと里いもも、大根に合わせて薄めに、大きさを揃えて切っていました。こうすることで入れる順番を気にしなくても、それぞれの食材に火が通る時間が同じくらいになるそうです。

■虎の巻 其ノ七 お気に入りのみそを見つける

野菜を入れたお鍋が沸騰したらアクを取り、そこにお肉を入れていきます。お肉を入れたらまたアクが出るので、それも丁寧に取り除き……そうしたらいよいよおみそ汁の主役ともいえる、「みそ」を加えてサッと煮たら完成です。

以前は自分で手作りしたみそを使っていたという瀬戸口さんですが、最近はもっぱら市販のおみそを愛用しているんだとか。

「スーパーで売っているみそも、おいしいものがたくさんあるんです。みそを選ぶときは、大豆と麹と塩だけで作られているものを選ぶようにしています」

普段はスーパーのみそを愛用していますが、ちょっと贅沢したいときは「みそ専門店」で売っているみそを使うこともあります。都内のスーパーだと信州みそのみを取り扱っているお店が多いのですが、専門店だといろんな種類のみそが置かれていますよ」

■虎の巻 其ノ八 たくさん作って、味変を楽しむ

よく具だくさんおみそ汁を作る瀬戸口家では、食べきれないことがあるそう。そんなとき、瀬戸口家では調味料をプラスして味変を楽しんでました。

「牛乳や豆乳を入れてスープっぽくしてみたり、コチュジャンとごま油を入れて韓国風にしてみたり。ちょっと調味料を加えるだけで全然違う風味になるんですよ」

野菜もお肉もしっかりとれて、簡単に作れる具だくさんおみそ汁は、仕事や家事に忙しい人たちの強い味方。マンネリ化しやすいメニューでもあるので、味変を覚えれば、同じメニューでもいろいろな味を楽しめそうです。

04
編集部でも作ってみた!

教えていただいた瀬戸口家流茶碗蒸しレシピを、編集部宅でも再現!卵はひとり1個たっぷり使い、水の量は少なめ。

編集部宅には電子鍋がなかったため、お鍋で蒸すことに。お鍋の底にふきんを敷いて水を入れ、そこに小皿をかぶせた茶碗蒸し入りマグカップをそっと置きます。電気鍋と同様、7、8分蒸したらできあがり!桜えびの香りが食欲をそそる、固めで食べごたえのある茶碗蒸しが完成しました。

寒い日は、キッチンに立つ時間を短縮したい。でも温かくておいしいごはんを食べたい。そんな冬にオススメの、具だくさんおみそ汁と茶碗蒸し。瀬戸口さんのように、入れる食材を変えてみたり、だしを変えてみたりして、ぜひいろんな味を楽しんでみてくださいね。

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