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スープで丸ごと!環境にやさしい、こだわり野菜を食卓に

スープで丸ごと!環境にやさしい、こだわり野菜を食卓に

2021/12/15

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「100年先も続く、農業を。」というビジョンのもと、環境負荷に配慮して作られた新鮮な野菜を届けている会社があります。それが、株式会社坂ノ途中です。

環境負荷の小さい農業に取り組む農家さんが長く農業を続けていけるように、また、さまざまな「ブレ」のある野菜が受け入れられるような社会になるように。

そんな想いに味の素社が共鳴し、こだわりの野菜とそのおいしさを引きだす調味料やスープがセットになった「旬野菜のおいしさをまるごと味わうスープセット」の発売が決まりました。

スープセットを開発した背景や、両社の想い、そして野菜を育てる農家さんの生の声。

ぎゅっとまとめてお届けします。

  1. いきいきした野菜を、多くの人に届けたい
  2. 手間をかけて育てられた野菜は、シンプルに「おいしい」
  3. 野菜の「ブレ」を味わって、楽しんで
  4. スープセットを楽しんでいただくために
  5. 農薬を使わず、手作業で育てる。提携農家・向さん
  6. 環境負荷に配慮して育てた野菜を、多くの方に知ってほしい
  7. 旬野菜のおいしさをまるごと味わうスープセット

01
いきいきした野菜を、多くの人に届けたい

今まで接点がなかった二社の、はじめての協業。スープセット開発にあたり、両社にはどんな想いがあったのでしょうか。味の素社の開発担当、竹澤さんとともに京都にある坂ノ途中社に行き、代表の小野さんからお話をうかがいました。

インタビューした人

株式会社坂ノ途中 代表取締役

小野 邦彦さん

特に好きな野菜はオクラ、カブ、シイタケ。奈良県出身。日々ねこを撫でて暮らしています。
株式会社坂ノ途中とは:持続可能な社会を目指して、環境負荷の小さい農業の普及に取り組んでいる会社。多くの農家と取引しながら、野菜の定期宅配などの事業を行っている。

インタビューした人

味の素株式会社 食品事業本部 調味料事業部 新領域グループ

竹澤 拓也さん

誰かの困りごとを解決する新製品・サービスの開発に日々悪戦苦闘も、一歩ずつ前進中。週末はストレスをゴルフボールにぶつけています。文科系に見える、体育会出身。大阪育ち。

――坂ノ途中社と味の素社のはじめての協業。なにがきっかけだったのでしょうか?

竹澤:坂ノ途中社さんをすでにご存じの方からすると、「坂ノ途中社と味の素社がコラボ?」と驚かれたかもしれません。

実は2021年の年明け頃から「コロナ禍で過ごす皆さんになにかサービスを提供できないか」と一緒に考えていたんです。

小野:私たちは「環境への負荷が小さい農業を広げたい」という想いがあって、それを応援してくれる方たちと一緒にがんばってきました。

これからも、もっと多くの方に環境への負荷が小さいライフスタイルを選択してほしいですし、そのきっかけを作りたいと思っているんですけど、なかなか私たちだけではたくさんの方々に広めるのが難しくて。竹澤さんたちとなら、いい連携ができるんじゃないかって思ったんです。

竹澤:小野さんたちが提携されている農家さんが育てられたこだわり野菜と、その野菜のおいしさを引き出す私たちの調味料やスープをセットにしてお届けできれば、より多くの方に小野さんたちの想いが伝わると思って、商品の開発を進めました。

自然環境に配慮して育てられた野菜を届けている点に共感しましたし、なにより、私自身が坂ノ途中社さんの野菜が好きでいろんな方におすすめしたい、という気持ちが強かったんです。

02
手間をかけて育てられた野菜は、シンプルに「おいしい」

竹澤:以前、坂ノ途中社さんの野菜を食べさせてもらったとき、シンプルに「うまい!」って思ったんですよ。私は料理があまり得意ではないので、ごく簡単な調理しかできなかったのですが、それだけでも野菜がおいしくて食感もいい。

宅配で届く野菜のイメージが変わりましたし、「こんなにおいしい野菜があるんだ!」って驚きましたね。どんな農家さんと提携されているんですか?

小野:農薬などを使用せず、環境負荷の小さい農業をしている方と提携させていただいています。そのうち、新しく農業を始めた「新規就農」の農家さんが約9割と多くを占めています。

農業をしたい一心ではじめた新規就農の農家さんはとても熱意があって、本当においしい野菜を育てます。でも、農薬を使わず手間ひまかけて育てる分、生産規模はそこまで大きくないことが多いです。少量不安定な生産になりがちなので、大手スーパー向けなどの一般流通にはのらないことが多いんです。その結果、経営が成り立たないことも。

そこで少量でも質がよい野菜がきちんと流通していく世の中にしたいと思って、ネット通販や飲食店、小売店向けの卸など流通の仕組みを作っています。環境負荷の小さい農業に挑戦する農家さんをもっと増やすことが、大切だと思っているんです。

03
野菜の「ブレ」を味わって、楽しんで

――そんな農家さんが育てた、おいしい野菜がスープセットに。開発にあたって、難しいと感じた点はありますか?

小野:スープセットの内容を決めるまでが、竹澤さんと一番悩んだところです。通常のコラボ企画では、一回だけでも購入できて、セットになる野菜や調味料もきちんと内容が決まっていると思います。それがビジネス上の「普通」ですよね。

でも私たちの野菜は、どうしても「ブレ」があるんです。例えば、くもりの日が続くだけで、光合成が足りずに野菜の味がちょっと薄くなり、寒波のあとは、なんとなく野菜が鍛えられた顔になります(笑)。事前にラインナップをかっちり決めないほうが、おいしくて楽しめる野菜セットにできる。これが野菜の、生き物としての「普通」です。

この「普通」同士がぶつかりあったのが、今回の企画の難しいところであり、おもしろいところだと感じました。

竹澤:そうでしたね。結果として、今回のスープセットはひと月に2回、1月から3月まで計6回のお届けになりました。この3ヶ月の間に気候や季節の変化があり、届く野菜の味や種類が変わっていくので、ぜひ継続して召し上がって「ブレ」を楽しんでいただきたいですよね。

小野:ていねいに育てられた野菜は、えぐ味が少なくて、だしがおいしくでるんですよ。しみじみとしみ込むような、奥行きのある味わいのスープが楽しめると思います。

竹澤:毎回のセットでお届けする私たちの商品は、どれも野菜のおいしさが活かせるものを選びました。「ほんだし®濃厚だし」や「味の素KK コンソメ」のように、手作りスープが楽しめる調味料から、野菜を足すだけでそのまま手軽に食べられる「クノール®」シリーズのスープなど。

だから、ウェブ上で公開しているレシピも「どの野菜を使ってもええで」って幅を持たせた感じになっています。

小野:私たちの野菜は、お客様から「特別な野菜だからしっかり料理しないと」と思われてしまうこともあるんです。その気持ちはありがたいのですが、ちょっともったいないというか。もっと日常使いしてほしいという思いもあります。味の素社さんの商品は簡単に使えて、味が決まる。だからどの野菜を使っても失敗がないと思うんです。

このコラボで「簡単な調理方法でもおいしいですよ」とお客様に伝えられたらいいなと。環境負荷の少ないライフスタイルに対して、心理的なハードルを下げてほしいと思っています。

04
スープセットを楽しんでいただくために

――両社で作られたスープセットに込めた想いを教えてください。

小野:私たちの野菜のように「ブレ」があるものを「普通」の流通で売っていくのは、正直大変。だけど、私たちの野菜だからこそ「生き物の多様性」をお客様に伝えられるんじゃないかと。スープセットはそんな多様性を感じていただくための挑戦だと思っています。

竹澤:私は純粋に、坂ノ途中社さんの野菜を多くの人に知ってほしい、届けたい。そんな想いが根幹にあります。その結果として小野さんたちの挑戦が実を結んだらいいなと思うし、農家さんが長く農業を続けていける仕組みがスープセットで作れたらいいですね。

私たちのスープや調味料に、坂ノ途中社さんの野菜を入れるだけでおいしくなりますので、料理が得意な方もそうでない方も、お好きな量や切り方で野菜を入れてもらって、肩ひじを張らずに楽しんでいただきたいです。

05
農薬を使わず、手作業で育てる。提携農家・向さん

坂ノ途中社での対談を終えた竹澤さんとともに、次は坂ノ途中社の提携農家さんのひとつである京都府南丹市の向さんご夫妻を訪ねました。

スープセットの野菜を育てている向さんに、今回のコラボをどう捉えているかうかがいました。

インタビューした人

提携農家

向真一郎さん(屋号:青柳)

都会育ちながら子どもの頃から農業へ憧れていて「いつか農家になる」と思っていた。大学時代にボクシングと出会い、卒業後にプロデビュー。西日本新人王にも輝くなど4年間活躍したのち引退する。坂ノ途中社の自社農場「やまのあいだファーム」に立ち上げから参加した後に独立。京都府南丹市で新規就農。

竹澤:向さんはどのような野菜を育てているんですか?

向:主に「九頭竜黒葱(くずりゅうくろねぎ)」や「たいら一本赤ネギ」という品種のねぎを育てています。ここは、冬はマイナスになるくらい寒い土地なので、ねぎのとろとろとした食感と甘みがよくでるんです。出荷時期は毎年12月から3月、多いときは1〜2本入りのものを1日300袋出荷していますよ。

竹澤:1日300袋も!すごい量ですね。もともとねぎがお好きだったんですか?

向:いいえ(笑)。実は生まれてから30年以上、ねぎが苦手で食べられなかったんです。でも、ある農家さんのねぎを食べたとき、衝撃のおいしさで!それからねぎが大好きになり、2万本のねぎを育てるまでになりました。

竹澤:ねぎ嫌いだったとは、驚きです。今、ねぎを育てる上で大切にしていることは何ですか?

向:畑の中の生き物を増やすことです。そのために農薬や除草剤は使いません。いろいろな生き物が増えることでねぎがおいしくなるんですよ。

あとは機械をあまり使わずに手作業を大切にしています。ねぎに土をかぶせる「土寄せ」という作業を、管理機ではなく鍬(くわ)を使って手作業で行っています。

よかったら少しやってみませんか?

竹澤:いいんですか!……なかなか難しいですね。でも普段の生活の中でこういう風に自然に向き合ったりすることがないので、新鮮でとても楽しいです!

向:除草剤も使っていないので、雑草は手で一本一本抜くか、短いものは土をかぶせています。収穫後のねぎの調整も手作業です。

竹澤:広い畑なので、手作業はかなり大変ですよね。

向:そうですね。でも手作業だからこそ土の中にいる害虫をすぐに見つけられるし、一本一本のねぎをていねいに見てあげられるんです。そういうところを大事にしたいんですよね。

06
環境負荷に配慮して育てた野菜を、多くの方に知ってほしい

――坂ノ途中社と味の素社がスープセットを販売すると聞いて、どう感じましたか?

向:とても驚きました!素材にこだわるお客様の多い坂ノ途中社さんと、一般家庭に広く親しまれている味の素社さんが融合したら、この野菜の味やおいしさを多くの方々に知ってもらえるんじゃないかと感じています。

農家になって数年経ちますが、うちのねぎを食べて「おいしかったので、私も無農薬栽培を始めました」と言ってくださる方がいます。そんな声を聞くのが、すごくうれしいんです。

今回のスープセットで、野菜の味わいやおいしさが、たくさんの方に届いたらいいなと思っています。

07
旬野菜のおいしさをまるごと味わうスープセット

小野さんや農家さんから共通して伝わってきたのは、野菜への大きな愛。愛情を込めて育てられているからこそ、おいしい野菜ができるんだと実感しました。

今後もたくさんの「おいしい」が届くコラボを計画中とのこと。是非、お楽しみに♪

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