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情熱のバトンが、形になるまで。「パスタキューブ™」開発ストーリー<後編>

情熱のバトンが、形になるまで。「パスタキューブ™」開発ストーリー<後編>

2024/05/30

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「パスタキューブ™︎」はお好みの具材とパスタ、キューブを一緒にゆでるだけで、誰でも簡単に“ワンパンパスタ”が作れるキューブタイプのパスタ用調味料です。販売開始から順調に店頭に並んでおり、お試しいただいた方も多いのではないでしょうか?

前編では、生活者の声をもとに「パスタキューブ™︎」が完成するまでを紹介しました。後編では、商品を生活者に届けるための生産や流通、デザイン、テレビCM制作における各担当者の挑戦と、今後の展望に迫ります!

  1. 唯一無二の価値を伝えたい!パッケージとテレビCMの新しい表現
  2. 「キューブが形にならない」を解決した工場の挑戦
  3. 魅力がきちんと伝わった!予想外の取扱量となったわけ
  4. 誰からも愛される「パスタキューブ™」でありたい

01
唯一無二の価値を伝えたい!パッケージとテレビCMの新しい表現

——「パスタキューブ™」はユニークなパッケージも魅力ですね。どのようにデザインを考えたのですか?

矢島さん:「パスタキューブ™」にはさまざまな特徴があり、はじめは「おいしい具だくさんパスタ」であることを前面に出そうと考えました。でも、他のパスタソースとの違いを考え直して、唯一無二の特徴である「キューブタイプ」を押し出すことにしたんです。

コミュニケーションデザイン部 矢島瞳さん
クリエイティブ担当。ダイエットを決意したなかでの担当着任。「パスタのおいしさ」シズル表現を模索するため、検証・撮影をくり返してパスタを大量摂取。ダイエット成功ならず。好きな「パスタキューブ™」のアレンジは<うま辛ペペロンチーノ>でつくるトマトパスタ。

矢島さん:社内で「キューブくん」と呼ばれているキャラクターと、「パスタキューブ」の文字を目立たせています。また、カラフルな商品が並ぶパスタソース売り場のなかで目立つように、あえてパッケージの白い面積を多くしています。見つけてもらえたら嬉しいです!

——「キューブくん」はシェフのイメージですか?

矢島さん:そうです!「本格的なお店の味がお家でも作れる」ことを表現しています。隠れたこだわりポイントですが、<うま辛ペペロンチーノ>と<香ばし和風醤油>で顔つきも少しだけ変えています。和風醤油のほうがちょっと和風な顔つきなんです(笑)。

——放映されているテレビCMにはどんなこだわりが?

百濟さん:テレビCMでは、短い尺の中でこの商品の魅力を全て説明することは避けて、手作りパスタの価値である「作る工程のワクワクやドキドキ」を前面に表現しようと考えました。そこでイメージキャラクターに起用したのは、俳優の山本耕史さんと磯村勇斗さんです。数々の共演経験があるお二人だからこその楽しい掛け合いが実現し、とにかく「この商品を試してみたい!」と思わせるCMができあがったと思います。

百濟さん:男性2人がキッチンで調理するCMは、当社の歴史上初めてなんです。もともと女性一人がキッチンに立つ案もありましたが、新しい商品だからこそ新しい表現に挑戦しました!

コミュニケーションデザイン部 百濟ちなみさん
広告コミュニケーション戦略担当。「パスタキューブ™」をはじめ、様々なブランドの広告戦略立案・メディアプランニングを担当。毎日、ブランドを魅力的に届ける方法を模索。好きな「パスタキューブ™」のアレンジは、具たっぷりでつくる<うま辛ペペロンチーノ>

02
「キューブが形にならない」を解決した工場の挑戦

——工場での生産工程ではどんな挑戦がありましたか?

斧田さん:一番苦労したのは、キューブの形にすることです。これが本当に難しくて……。開発段階では、一つずつゆっくり作ればいいのですが、生産段階ではその100倍以上のスピードで生産します。スピードを速めると、難易度が一気に上がるんです。

また、同じキューブ型の商品である「味の素KKコンソメ」や「鍋キューブ®」と原料が違うのでキューブの固め方も変えなければいけませんし、同じ機械の設定やスピードでは、重さや大きさがバラバラになってしまいました……。

食品研究所 斧田史音さん
「パスタキューブ™」の包材設計、工場への導入担当。旅行先では食料品店を巡り、新たな製品形態・容器包装のアイデアを探すのがルーティン。好きな「パスタキューブ™」のアレンジは、<香ばし和風醤油>でつくる豚バラとオクラの梅風味パスタ。

梶さん:11月上旬のテスト生産1回目はキューブ型にならず失敗でした……。ただ、12月下旬の本生産に間に合わせるため、工場のメンバーはたった2ヶ月でキューブを完成させてくれたんです!

佐藤さん:原料を変えたり、機械の設定を1ミリ単位で変えたり、生産スピードを調整したりしながら、一番おいしいキューブを作る方法を探ってなんとか形にすることができました。ただ、今後も研究所と連携しながら、さらに生産しやすくなるような工夫を重ねていく必要がありますね!

味の素食品株式会社 佐藤周平 (北海道からオンライン参加)
「パスタキューブ™」を生産する工場で現場を任されている班長。お店で製品のパッケージを見るたびに仕上がり具合を確認してしまう。好きな「パスタキューブ™」のアレンジは、<うま辛ペペロンチーノ>で作る、夏野菜としらすのペペロンチーノ。
「パスタキューブ™」を生産する工場のみなさん

梶さん:食品研究所や工場のメンバーは、本当に毎日頭を悩ませていました。眠れない日々だったとは思いますが過去の知見を活かした技術力、特に工場の現場がもっているノウハウに助けられました。やりきってくれたことに感謝しています。

コンシューマーフーズ事業部 メニュー食品グループ 梶敬さん(右)
「パスタキューブ™」のブランドマネージャー。開発期間中に自宅で400回以上のワンパンパスタを試作し、妻から怒られる。好きな「パスタキューブ™」のアレンジは、<うま辛ペペロンチーノ>と大葉・ナッツ・チーズ。

斧田さん:「パスタキューブ™」はこれまでになくキャッチーな商品で、絶対にヒットすると予感しましたので、なんとかして成功させたいと思いました。

佐藤さん:「鍋キューブ®」で培った経験を活かして、この新しい商品を絶対に形にしようと思いました。「新しいチャレンジが難しいのは当たり前。みんなで知恵を出し合おう」と工場全体で取り組みましたね!

03
魅力がきちんと伝わった!予想外の取扱量となったわけ

——すでに店頭にはたくさん並んでいるようですね。

徳永さん:最初に想定していた約1.5倍の量が、量販店を中心に取り扱われています。それも、現場に直接話を聞きに行って、店舗で扱っていただくための2つのヒントを得たからです。

1つは、パスタソース売場は非常に商品が多いので、“今までのパスタソースとは違う価値がある”と伝えることです。それにより、既存商品を手にとってもらいながら、新たに「パスタキューブ™」も買っていただくことができ、パスタソース売場全体を盛り上げられるのではないかと。

2つ目は、生鮮食品と一緒に買ってもらうことです。既存のパスタソースが生鮮食品の売り上げにつながらないケースが多く、課題と捉えられていました。「パスタキューブ™」は具材と一緒に仕上げるパスタソースなので、店舗全体の売上にも寄与する商品であることを伝えることが大事だと知りました。

コンシューマーフーズ事業部 メニュー食品グループ 德永拓弥さん
「パスタキューブ™」の販売戦略担当。売場を見ると心躍る、重度の職業病を抱えています。好きな「パスタキューブ™」のアレンジは、<うま辛ペペロンチーノ>でつくるアボカドレモン。

徳永さん:2つのヒントをもとに、「『パスタキューブ™︎』はいままでのパスタソースにない価値を提供し、野菜や肉など生鮮食品と一緒に買ってもらえる商品」というメッセージを営業メンバーに伝え、流通のみなさまへ丁寧に説明してもらったんです。

商品の魅力や可能性がちゃんと伝わったようで、予想以上の取扱量になりました。また、生鮮食品売場でも「パスタキューブ™︎」を陳列してくださる店舗があり、これはパスタソース商品において非常にまれな光景で、感激しています!

04
誰からも愛される「パスタキューブ™」でありたい

——「パスタキューブ™︎」は今後、どんな商品になりたいですか?

梶さん:開発過程で試作品を使っていただいた主婦の方の話が印象に残っています。その方は、お子さんがテストや部活を頑張ったときだけ、ご褒美としてパスタを食べにレストランへ連れていっていたそうです。

本当は頑張ったとき以外にもおいしいパスタを食べさせてあげたい。けれど、外食は家計的に厳しいし、自分で作る時間も調理のスキルもないと悩んでいました。

そんな方が「『パスタキューブ™︎』のおかげで具だくさんでおいしいパスタが作れて、子どもも喜んでくれた」と教えてくれました。「パスタキューブ™」はやっぱり、誰もが手に取れる値段で、誰もが簡単に作れて、誰からも愛される商品でありたいと思います。

百濟さん:作る側も、食べる側も幸せを感じてもらいたいですね。ワンパンパスタだからといって「手抜きをしてしまった」という罪悪感を持つことなくお野菜をたっぷり入れて作れて、食べる方も満足できるような商品でありたいです。

徳永さん:第一弾として2種類の味を発売していますが、今後はラインナップを増やす予定です。店頭に新しい味が並ぶ日を、楽しみにお待ちいただければと思います!

商品名:「パスタキューブ™」<うま辛ペペロンチーノ><香ばし和風醤油>

容量:4個入(1人前×4個)

  • 執筆/佐藤 史紹 撮影/其田 有輝也 編集/長谷川 賢人
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