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「平飼いたまごのマヨネーズ」の“卵”は何が違う? 山梨の大自然に囲まれた黒富士農場へ!

「平飼いたまごのマヨネーズ」の"卵"は何が違う? 山梨の大自然に囲まれた黒富士農場へ!

2025/10/02

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ここ数年、見かける機会が増えた“平飼い卵”。平飼いとは、鶏舎内でにわとりが自由に動き回れるようにしている飼育方法で、のびのびと健やかに育ったにわとりから生まれる卵は、そのおいしさはもちろん、「エシカル消費」などの観点からも注目を集めています。

味の素社では、2023年12月に「平飼いたまごのマヨネーズ」を発売。平飼い卵をたっぷり*使用したまろやかでコクのある味わいは、じわじわとファンを増やし続けています。

*当社「ピュアセレクト®︎ マヨネーズ」比で1.1倍。 単位重量あたり

そしてこの夏、これまで宅配・通信販売および一部地域限定だった本品が、全国のスーパーマーケットなどでの販売をスタート! そこで、今回は「平飼いたまごのマヨネーズ」の主原料である卵の産地、山梨県甲斐市の「黒富士農場」を訪ね、こだわりの卵作りについてお話を伺いました。

インタビューした人

農業生産法人 黒富士農場 専務取締役

向山一輝さん

生産から商品開発に加え、自然循環農法やアニマルウェルフェア(家畜動物福祉)の普及・発展、環境保全活動にも精力的に取り組む。

  1. 標高1,100m、広大な森の中で実践する「平飼い放牧」
  2. にわとりも腸活!? こだわりの飼料と衛生管理
  3. 卵の甘味・うま味・コクを生かした「平飼いたまごのマヨネーズ」

01
標高1,100m、広大な森の中で実践する「平飼い放牧」

山梨の玄関口、甲府駅から車で40分ほど。山道をぐんぐん上っていった標高1,100mの山あいに広がる「黒富士農場」は、平飼いで育てたにわとりの卵を生産する養鶏農家。約16ヘクタールの広大な敷地に建つ鶏舎では、約5万羽のにわとりたちが元気に駆け回っています。

朝、鶏舎の扉を開けるとにわとりたちは一斉に外の放牧場へ!標高が高い黒富士農場は、夏でも涼しく、にわとりたちにとって過ごしやすい環境。

向山さん「もともとは祖父が山梨・塩山で養鶏業を始め、2代目の父がこの地に移転し、1989年から平飼い放牧を始めました。父が掲げた『本当においしい卵は、幸せな鶏から産まれる』という想いを引き継ぎ、今は兄と私が3代目として、にわとりたちが健やかに過ごせる〈環境〉と〈飼料〉にこだわった養鶏を行っています」

平飼いのにわとりたちは、草を食べたり砂浴びをしたり、自由気まま。そして自動エサやり機が動き始めた音がすると一旦鶏舎内に戻り、腹ごしらえ。天然の湧水もごくごく飲んでお腹を満たしたら、再び放牧場を駆け回ります。

向山さん「うちのにわとりたちはみんな人懐っこくて、穏やかですよ。おおよそのにわとりが1日1個の卵を産むので、1日の生産量は約4万個。にわとりたちがストレスなく卵を産み、かつ、その卵が衛生的に管理できるような仕組みを取り入れています」

敷地内に流れる小川。ミネラルが豊富な天然の湧水が流れ、それが卵のおいしさにもつながっている。

02
にわとりも腸活!? こだわりの飼料と衛生管理

そんな黒富士農場のにわとりたちの元気の秘訣は、なんと“お腹の中”にもあるといいます。

向山さん「にわとりたちの腸内環境を整えることで、くさみのない卵が産まれるんです。私たちは、米・味噌汁・漬物という日本人の健康的な朝食にならい、米ぬかやおからを主原料に、海藻、あずきの煮皮、クロレラ、オリゴ糖などを自家配合した発酵飼料を与えています」

独自配合の発酵飼料をかき混ぜている様子。一般的なにわとりの餌であるとうもろこしや大豆も有機栽培飼料を使用している。
クロレラをはじめとした藻類バイオマスの培養レーン。クロレラはにわとりのサルモネラ菌予防やビタミン摂取の効果があると言われ、そのエビデンスや機能性を解明すべく、黒富士農場は10年以上前から山梨大学生命環境工学部と共同で研究に取り組んでいる。

元気に餌を食べているにわとりの様子を眺めながらふと気づいたのは、「鶏舎がにおわない」ということ。聞けば、それは「BMW(バクテリア・ミネラル・ウォーター)技術」によるものだそう。

向山さん「BMW技術は、岩石・腐葉土・水の力による自然浄化の作用を基礎とした、環境保全型の自然循環農法。微生物の力を生かしたこの技術で作った堆肥を、土の代わりに鶏舎の床下に敷き詰めておくことで、にわとりの排泄物がすばやく分解されて、畜産特有のにおいや、病気、害虫の発生などを抑えられるんです」

BMW技術によって、農場内で排泄されるにわとりのフンは完熟発酵させて再び鶏舎の敷く堆肥として使われる。ほとんどにおいがなくサラサラ。

03
卵の甘味・うま味・コクを生かした
「平飼いたまごのマヨネーズ」

体の内から外から、にわとりたちの健やかな暮らしに寄り添う「黒富士農場」の営み。こうした動物福祉や環境保全を追求する取り組みに味の素社が共感し、新たなマヨネーズづくりの開発が始まったのは、2020年のことでした。

向山さん「オーガニックな食やライフスタイルをテーマにしたイベントで、味の素社の方と知り合ったのが始まりでした。味の素さんの中でサステナブルな取り組みを模索しているということで、後日『ぜひ一緒にマヨネーズを作りましょう!』ということになりました」

「黒富士農場」の元気なにわとりがやさしいタッチのイラストで描かれたパッケージ。

「ピュアセレクト®︎ マヨネーズ」ブランド以外のマヨネーズ商品を開発するということで、いかにして違いや特徴を作るか――。何度も打ち合わせを行い、都度試作を重ねながら辿り着いたのは、「黒富士農場」ならではの濃厚でコクのある平飼い卵の味わいを最大限に引き立てる、全卵をたっぷり*使ったレシピでした。

*当社「ピュアセレクト®︎ マヨネーズ」比で1.1倍。 単位重量あたり

平飼い卵が持つ風味とコクを立たせるため、配合する酢にはプレーンな醸造酢を、油はクセのない菜種油と大豆油を使用。

マヨネーズ製品で全卵を使うのは難しく、製品化するための品質や数値条件をクリアするまで、かなりの時間がかかったそう。

向山さん「検討開始から約3年、ようやく完成したマヨネーズを初めて食べた時は、『うまい!こんなにおいしくなるの!? 』と驚きました。酸味がマイルドで甘みを感じる味わいは我が家の子どもたちにも好評で、何にでも使うので、ものすごいスピードで消費しています(笑)」

そしてもう一つ、この『平飼いたまごのマヨネーズ』は、“規格外の卵”も使っているのも特徴です。

「平飼いたまごのマヨネーズ」に使われている規格外の卵。

向山さん「スーパーなどの店頭で売られているものよりも小さいSSサイズだったり、逆に大きなLLサイズなどは、味に何ら変わりはなくとも、“規格外”として卵単体としては市場へ出せません。“平飼い卵”という付加価値もなく扱われてきました。こうした規格外の卵が、味の素さんとのマヨネーズづくりによって無駄にならず、しっかりと“平飼い卵”という価値を認めて使ってもらえるのは、農家としてとてもありがたいことです。
このマヨネーズを通して、平飼い卵の認知度が上がり、エシカルな価値観が少しずつ広がっていけばいいなと願っています」

にわとりにも、環境にも、つくる・食べる人にも、三方よしの「平飼いたまごのマヨネーズ」は、いよいよ全国の店頭での発売が始まりました!卵が主役のまろやかでコクのある味わいを、ぜひ一度試してみませんか。

  • 執筆/木下 美和 撮影/加藤 甫 編集/花沢 亜衣
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