OPEN MENU

MENU

乾麺そばはゆで方が大事!調理のコツを、そばメーカーの山本食品㈱に聞きました!

乾麺そばはゆで方が大事!調理のコツを、そばメーカーの山本食品㈱に聞きました!

2024/11/21

SHARE

冬になると食べたくなるのが、温かいおそば。年末の「年越しそば」も定番ですよね。

そばを家で食べるとき、乾麺を使うことが多いかと思いますが、「お店のようにおいしくできない…」と感じている方も多いのでは?

それ、もしかしたらゆで方が間違っているのかも!?

そこで今回は、家庭用そばの製造で知られ、創業50周年を迎えた長野県・山本食品㈱の山本修社長にインタビュー!おうちそばを、もっとおいしく楽しむコツを教えていただきました。

インタビューした人

山本食品株式会社

山本修さん

そば作り一筋で、創業50周年を迎えた山本食品㈱の代表取締役社長。そばの名産地である長野県に会社を構えており、日本で初めて乾麺の十割そばの製造に成功した。十割そばの専用工場も持つ。

  1. まずは「そば粉と小麦粉の割合」をチェック
  2. 「たっぷりのお湯」でゆでるのが鉄則!
  3. そば湯には、そばの旨みと栄養がたくさん!
  4. 定番料理だけじゃない、乾麺そばレシピをご紹介!

01
まずは「そば粉と小麦粉の割合」をチェック

「そば」と一口に言っても、スーパーに並ぶ乾麺には、さまざまな種類があることをご存知でしょうか?パッケージにも書かれていますが、「十割そば」や「二八そば」といったフレーズを聞いたことがある人もきっと多いはず。

この「十割」や「二八」といった数字は、そば粉と小麦粉の割合を表しています。「十割そば」の場合はそば粉100%、「二八そば」の場合はそば粉80%、小麦粉20%が含まれているというわけです。

それ以外にも、そば粉70%/小麦粉30%のものや、そば粉50%/小麦粉50%のものなど、その割合は商品によってさまざまです。

さて、このそば粉と小麦粉の割合は、そばの味わいを決める大きな要因の一つです。

山本さん「そば粉が多いと、香り高く歯切れのよいそばに。逆に小麦粉が多いと、麺がしなやかでつるりとしたそばになります。とはいえ、使っているそば粉・小麦粉の銘柄や、添加される食塩の量などによっても味は変わりますね。実は新そば(そばの実を収穫してから約1〜2ヶ月で提供されるそばのこと)の時期に作られたものは乾麺でも風味がよりよい仕上がりになるんです」

ちなみに、乾麺そばの価格に幅があるのも、そば粉と小麦粉の割合が関係しています。そば粉よりも小麦粉のほうが安価なため、そば粉の割合が増すほどお値段ははりがち。ほかにも、使われる粉が国産か海外産か、国産の中でも「長野県産」などの限定があるか、といった条件によっても値段が変わるといいます。

02
「たっぷりのお湯」でゆでるのが鉄則!

続いて、乾麺そばをおいしくゆでる方法をご紹介します。ポイントは、2つ。たっぷりのお湯を使うこと、それから冷水でしめることです。

山本さん「十割そばの場合は、一人前であっても2.5リットル以上の水を使って、できるだけ大きな鍋でゆでてください。『麺が切れてしまう』というお声をいただくことがありますが、少ない湯の中で麺をかき混ぜてしまっていることがほとんど。理想は、そばが湯の中で“踊る”ような状態です。そうすると、そばに熱が伝わりやすく、切れるのを防ぐことができます。麺が踊りだす前に箸で強くかき回さないようにしましょう」

YouTube「特選そばの美味しい茹で方」より

「十割そば」などそば粉の割合が多い乾麺は、そば粉が水に溶け出し、お湯にとろみがついてしまいます。それでも「踊るような状態」を保つためには、大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かす必要があるんです。

また、吹きこぼれそうになったときは、差し水をせずに火を弱めて対処するのもポイント。差し水をするとお湯の温度が下がり、そばが切れやすくなってしまいます。

山本さん「そばがゆで上がったら、ザルにあげ、事前にボウルに用意しておいた氷水ですぐに冷やしましょう。氷水を使うことで、そばがぎゅっと引き締まり、歯切れがよくなります。ある程度冷めたら、そばを冷たい流水で、水の中で麺を踊らせるようによく洗い、ぬめりを取ります。最後に、水気をしっかり切ったら、冷たいそばのできあがりです」

かけそばなど、温かいそばの場合は、ゆで時間を15〜30秒ほど短めにし、同じように流水で洗います。そこから、一度ザルにあげ、さっと湯通しするといいのだそう。湯通しは、ポットで沸かしたお湯をかける程度でOKです。こうすることで、つゆの温度を下げずに麺を入れることができます。

大きな鍋が用意できない場合は、小麦粉の割合が多いものを選ぶのも一つの手です。「十割そば」に比べて湯にとろみがつきにくいので、小さめの鍋でも上手にゆでられます。食べたいそば料理やキッチンの環境に合わせて選んでみてくださいね。

03
そば湯には、そばの旨みと栄養がたくさん!

そばの醍醐味でもあるのが、「そば湯」。お店で食べるとそば湯が付いてくることもありますが、乾麺でもおいしいそば湯がとれる商品があるんです。

「そば湯には、そばの栄養素がたくさん溶け出しているので、ぜひ飲んでもらいたいです!」と力説する山本さん。

山本食品の商品なら、そば粉100%の「特選そば」や、そば粉90%の「究極そば」でそば湯を楽しんで

乾麺そばの中には、ゆでた後に「むらし」工程がある商品もあります。山本さんによれば、実は「むらし」もそば湯のため。むらすことで、よりおいしいそば湯ができあがるんです。むらす必要があるかどうかは、商品パッケージの裏を参考にしてみてくださいね。

そば湯は、そばがゆで上がる少し前におたまなどで取っておきます。「むらし」があるものは、その後に

山本さん「そのままいただいたり、麺つゆと割って飲むのはもちろん、ねぎやわさびなど、定番の薬味を合わせるのもいいですね。しょうがや七味唐辛子を入れるのも、体が温まっておすすめですよ」

04
定番料理だけじゃない、乾麺そばレシピをご紹介!

そばをおいしく楽しむコツがわかったところで、乾麺そばのレシピをいくつかご紹介します。ざるそばやかけそばが定番ですが、それ以外にもおいしいレシピはたくさん。今回教えていただいたゆで方を応用できるので、ぜひ試してみてください!

冷たいそば

温かいそば

おいしく楽しむのは難しいと思われがちな乾麺そば。でも、ゆで方や、ゆでた後の冷やし方など、ちょっとしたコツをつかめば、ご家庭でも簡単においしいそばが食べられますよ。

みなさんも、ぜひご家庭で試してみてくださいね。

  • 執筆/溝上 夕貴 編集/長谷川 賢人
  • キーワードで探す

    あわせてチェック