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食卓にもっと野菜を。スープ作家・料理家の有賀薫さんに聞いた野菜との付き合い方

食卓にもっと野菜を。スープ作家・料理家の有賀薫さんに聞いた野菜との付き合い方

2023/08/01

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「野菜をもっととろうよ!」をスローガンに、おいしいレシピや調理の工夫を通じて、たくさんの野菜を摂取できることを目指すプロジェクト「ラブベジ®」では、今回、スープ作家で料理家の有賀薫さんを訪ねました。

有賀薫さんは、旬の野菜をたっぷり味わえるレシピ集『スープ・レッスン』のほか、野菜をもっと上手に食べたいという悩みに応える『有賀薫のベジ食べる!』も出版されています。

今回は、日々の生活はもちろんのこと、数々のスープやレシピを通じて、野菜と向き合ってきた有賀さんに、「子どもに野菜を食べてもらうための工夫」や「野菜を上手に食べきるコツ」を聞いてみました。

また、旬の野菜を使ったスープレシピや、献立に野菜を取り入れやすくする考え方については、こちらの読み物にまとめています。併せてどうぞ!

インタビューした人

スープ作家

有賀 薫さん

2011年から10年以上にわたり、365日、毎朝欠かさずスープ作りをつづけるスープ作家。10万部をこえるベストセラーとなった『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス)など著書多数。
  1. 子どもの好き嫌いは当たり前。でも、食卓からは外さないで
  2. 野菜と上手に付き合うコツは、片付けではなく「食べ尽くす」こと!
  3. 野菜の味を知り尽くす気持ちが、おいしく食べることにつながる

01
子どもの好き嫌いは当たり前。でも、食卓からは外さないで

──野菜の味がわかっている大人ではなく、慣れない味もある子どもに作るとしたら、どう考えればいいでしょうか。

有賀さん:子どもはどれか1つでも嫌いなものが入っていると、その料理が嫌になってしまって食べてくれないこと、ありますよね。

──心当たりがあります……。

有賀さん:嫌いな野菜を隠したり、いろんな野菜をとれるようにと思って、たくさんの種類を使いがちだったりしますが、むしろ1つずつ野菜を出してみた方が、子ども自身が食べられるか否かを判断しやすくなる気がします。

そもそも、人は本能的に危険を感じるものをおいしいとは思えないんですよ。大人が苦味や強い香りもおいしく感じるのは、安全であることを経験しているから。子どもの好き嫌いが多いのは当たり前なんですよね。

なので、私は息子に、必ず一口は食べさせていました。パクチーでもブルーチーズでも「一口だけ食べてごらん」って。

──子どもにはハードルが高そうな味ですね。

有賀さん:もちろん、嫌な顔をするかもしれないけれど、大人が隣でおいしそうに食べていると、だんだん「これは安全なんだ」とわかってきます。

そうすると、大人になっておいしいと感じられるときがくるかもしれません。良くないのは、食べないからといって食卓に出さなくなってしまうことですね。

──食卓へ出し続けるにあたって、大人も子どももおいしく食べられる工夫があれば教えてください。

有賀さん:子ども用に仕立てたスープに、スパイスや辛味、薬味を足すのはよくやります。逆もしかりで、大人向けにつくったものに牛乳を足して、まろやかにして子どもに出してもいいですね。

例えば、かぼちゃをポタージュにすると、赤ちゃんの離乳食にもなります。そこにシナモンやクミンを入れたり、ヨーグルトをトッピングしたりすると、一気に大人な味になりますよ。

02
野菜と上手に付き合うコツは、片付けではなく「食べ尽くす」こと!

──野菜と上手に付き合うためのコツも、ぜひ教えてください。有賀さんはいつも、野菜をどこで買われていますか?

有賀さん:新鮮な野菜や産直品も増えていますし、普段は駅前のスーパーで買っていますよ。産直野菜を送ってくれるオンラインサービスを利用することもあります。

どこで買うにしても、おすすめは旬のものをいっぱい買うこと。いっぱい買うと、1つの食べ方では使い切れなくなりますよね。いろいろ工夫するようになるし、野菜の味をしっかり知ることができます。

──野菜の使い切りを心配する声も多いのですが、何か秘訣はありますか?

有賀さん:使い切りのポイントは「最初は大きくシンプルに、最後は小さく複雑に」と私は言っています。少し鮮度が落ちたものや、時期外れのものほど加熱してあげるといいですね。

なすは6月くらいが旬で、生で食べても皮が柔らかくておいしいのですが、秋口ぐらいになってくると皮が硬くなってきます。そうすると、今日みたいに煮込んだり炒めたりしたほうがおいしい。水分と一緒に野菜のえぐみや辛味が抜けていくので、おいしさを感じやすくなります。水分が抜けた分、スープを吸ってくれるメリットもあります。

残り野菜はどうしてもそれだけだと味が出ないので、新しい食材を入れるようにしています。野菜でもお肉でも、主役になる食材を別に入れてあげれば、ちゃんとごちそうになります。

残り物を残り物として片付けるという考えではなく、「脇役として力を発揮させてあげる」という発想をしてみましょう。片付けようと思いすぎると、義務みたいになって料理が全然楽しくなくなっちゃうので。最後まで「食べ尽くす!」みたいな考え方がおすすめです。

──煮込みや炒めものでも役立つように、「ほんだし®」や「丸鶏がらスープ™」などの顆粒だしの素も野菜をおいしく食べるサポートをしていければと思っています。有賀さんが顆粒だしを使われるときに気をつけていること、工夫していることがあれば教えてください。

有賀さん:顆粒だしには塩味があるものが多いので、だし汁やブイヨンと比べると、塩や醤油を入れなくてもしっかり味がします。だし汁やブイヨンが書かれているレシピで顆粒だしを使う場合は、味を見ながら少しずつ入れるようにしています。

夏野菜は他の季節ものと比べるとうま味がちょっと足りないものが多いので、顆粒だしでうま味を加えるレシピはよく作りますね。あとは、風味がしっかりとしたパプリカのような野菜を使うスープには、多めに入れることもあります。ちょっと作ってみましょうか!

──えっ、いいんですか!

有賀さん:たとえば、パプリカといんげんを1cm幅にきざんで……鍋に油を熱してから野菜を入れて、塩をひとつまみ。軽く混ぜたら、焦げ付き防止で水50mlほどを加えて、蒸し煮にします。これで野菜のえぐみもとれますね。

あとは、水を400mlそそいで、「味の素KK コンソメ(以下「コンソメ」)」を1個入れてみましょう。……うん、これだけで、味付けは決まりましたね!

──彩りも夏らしく華やかですし、使っている材料がシンプルだとは思えないほど、リッチな味に感じます。

有賀さん:「コンソメ」や顆粒だしの素を溶かせば、それだけでおいしいスープができあがりますよね。塩味や味の濃さを見て仕上げるためにも、まずは調味料そのものの味を知ってみるのも大事です。

もちろんそのままでも十分おいしいのですが、にんにくやねぎの青いところを少し加えて煮立てると、味の角がより取れて、まろやかなスープに仕上がるので私は好みです。

03
野菜の味を知り尽くす気持ちが、おいしく食べることにつながる

有賀さんのお話を聞くと、野菜を上手に食べる秘訣はとてもシンプルに思えてきます。

野菜の味を知り尽くすこと。

ご著書の『有賀薫のベジ食べる!』には、まさにその方法がたくさん。切り方や火加減、調味料などを変えることで、同じ野菜でも違った楽しみ方ができるレシピが紹介されています。明日からの献立に野菜を取り入れるハードルを、ぐっと下げてくれますよ。

インタビューの余談におすすめの夏野菜を聞くと「うま味がしっかり出るから」とモロヘイヤを有賀さんは挙げてくれました。葉っぱを刻んでお豆腐の味噌汁に加えると、とろみも出ておいしいそう。あとは、葉っぱと水、塩、梅干しを入れてくたくたに煮るのもよいのだとか。

また、旬の野菜を使ったスープレシピや、献立に野菜を取り入れやすくする考え方については、こちらの読み物にまとめています。併せてどうぞ!

  • 執筆/稲葉 志奈 撮影/栗原 論 編集/長谷川 賢人
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