忙しいときでもお湯を注ぐだけで手軽に楽しめる即席みそ汁。
味の素社がこれまで培ってきた和風だしづくりの技術をとことん注ぎこみ、本格的な味わいを追求した「だし屋のみそ汁」を新発売しました。
今回は開発を担当した溝上さんに、だしへの並々ならぬこだわりからパッケージに込めた想いまで、その開発秘話を聞きました。

インタビューした人
コンシューマーフーズ事業部スープグループ
溝上 飛鳥さん
「だし屋のみそ汁」の開発を担当。各地を回って味づくりに取り組む。一杯のみそ汁で心安らぐ時間を届けたいという思いで製品化を実現。広島県出身で、実家のみそ汁は「ほんだし®」派だった。
- 「だし屋のみそ汁」という名前に込められた想い
- ご当地が認める味づくりは、味の素支社のメンバーと一緒に開発
- まるでつくりたて!粉末製法が生み出す、だしの香りと味わい
- 裏面に込めた「ほっとする時間」への想い
01
「だし屋のみそ汁」という名前に込められた想い
「ほんだし®」に代表されるように、味の素社は「だし」の深い味わいについて、長年にわたって研究を続けています。
溝上さんたちは、この味の素社の強みを活かして「いつか、だしが主役になるような本格的なみそ汁をお届けしたい」と考えていました。そして、2年の歳月をかけて、ついに製品化を実現!

溝上さん「『だし屋』という名前にしたのは、かつお節などのだし素材の良さと、職人が丁寧にとったようなだしが持つおいしさという、2つの要素を生活者に感じてもらいたかったからです。
当社は『ほんだし®』で長年培った独自のだし素材や技術を持っています。だしへのこだわりを魅力的に伝えたくて、あえて『だし屋』というストレートな言葉を選んでみました。
ちなみに、ブランド名の『だし』と『みそ』を、あえてひらがなにしたのは、みそ汁を飲むときのあたたかくて穏やかな時間を表現したかったんです」
02
ご当地が認める味づくりは、味の素支社のメンバーと一緒に開発
「だし屋のみそ汁」は、だしと味噌の組み合わせで4つの味わいを楽しめます。

だしは、全国的に馴染みのあるかつおだし、主に関西地方で親しまれているかつおとこんぶのあわせだし、九州地方で愛されているいりこだしを使用しています。
味噌は、米味噌(赤味噌・白味噌)、豆味噌、麦味噌などのなかから、それぞれのだしと相性の良いものを複数組み合わせて調合。パッケージには「かつおだし×赤味噌」「いりこだし×麦味噌」のようにベースとなる味噌を記載しています。

具材は、いくつもの食材を試して、みそ汁との相性を確かめながら厳選。「ほうれん草・お麩・わかめ」「豆腐・わかめ・ねぎ」の2パターンの組み合わせにしました。
溝上さん「だしを味わっていただきやすいよう、思い切ってシンプルな具材をセレクトしました。もちろん、ひとつひとつの具材もこだわってつくっています。たとえば、お麩。職人さんの熟練の手でつくられた焼き麩に感銘を受け、頼み込んで使用させていただけることになりました。みそ汁をたっぷり吸ってくれるので、食べるとじゅわっとうま味が口の中で広がるんですよ」

さらに、地域に根ざす本物の味を作り込むため、味の素社の大阪支社と<かつお節と真昆布の粉末×白味噌>を、九州支社と<いりこ×麦味噌>を協力して開発したんだとか。
溝上さん「全国各地の支社と協力して味づくりに取り組みました。その地域出身のメンバーに、子どもの頃から慣れ親しんでいる味を確認し、各地域でみそ汁がおいしいといわれているお店に何店舗も伺い、味を確かめ、その味をもとに試作を始めました」

「これぞ、地元の味」と支社メンバーが認める味でなければ商品化はしない。そう決めたものの、味の素社員として味に敏感なうえ、慣れ親しんだ味となれば、ジャッジはより厳しいものに……。
溝上さん「例えば大阪支社からは、『白味噌特有の甘みが感じられない』と言われ続けてしまって。現地のスーパーさんにも足を運び、研究所メンバーと試行錯誤の末、酒粕パウダーと豆乳パウダーを入れることで理想の味にたどり着きました。
一方、九州支社との開発では、いりこだしの調整に苦労しました。魚臭くならずに風味をしっかり感じられるよう、麦味噌とのバランスを何度も検討しました」
苦労しながらも何度も試作と改良を繰り返した結果、それぞれの支社メンバーも太鼓判を押す仕上がりに!まさに本物の味を、お住まいの場所に関わらず気軽に楽しめるように完成しました。
03
まるでつくりたて!粉末製法が生み出す、だしの香りと味わい
「だし屋のみそ汁」が一味違うのは、徹底した味作り以外に、技術面での工夫があります。そのひとつが、だしを「粉末」にした点です。
即席みそ汁では、お湯を入れた時の溶かしやすさや長期保存のためにフリーズドライや顆粒状に加工されることも多いんだそう。そんな中、あえて粉末にしたのは「だしのフレッシュな味わいや香りを楽しんでもらうため」だと言います。

溝上さん「フリーズドライや顆粒にする際は、乾燥させる工程が必要です。しかし、加熱すればするほど、だし本来の繊細な味わいや香りが失われていってしまうんです。そこで、「だし」素材の本来のおいしさを再現できる『非加熱工程』で粉末にする方法を採用しました。お湯を注ぐと、ふわりとだしの香りが立ち、まるで作りたてのだしのような風味を味わっていただけます」
04
裏面に込めた「ほっとする時間」への想い
小袋を改めてよく見てみると、4種類のフレーバーごと、かつお節やこんぶ、いりこのイラストが丁寧に描かれ、それぞれにやわらかく落ち着いたカラーがほどこされています。
溝上さん「手に取ったときやお弁当バッグなどに入れて持ち運ぶときに、気分が上がりほっとするようなデザインにしたかったんです」
ふと小袋を裏返してみると、そこには『ほっこり落ち着くひとときを。』といったメッセージが。実はフレーバーごとに一言が添えられているそうです。

溝上さん「『だし屋のみそ汁』を飲んでいる時間が少しでも心安らぐひとときになればと思っています。あわただしい朝や仕事の合間のお昼、疲れて帰った夜など、みなさんの忙しい日々に寄り添えるような存在でありたいですね。それと、このみそ汁をきっかけに、みなさんの好きなだしを見つけてもらえたら嬉しいです」
本格だしを気軽に楽しめる「だし屋のみそ汁」。その香りと奥深い味に癒やされながら、ほっと一息つきませんか。