お子さまと過ごす時間が増える夏休み。ご家庭にある身近な食材や調味料を使って、簡単にできる「おいしさ」の実験を楽しんでみてはいかがでしょうか?今回は、「おいしさ」の決め手となる「うま味」の発見を通して、お子さんの食に対する関心を高める実験をご紹介します。楽しみながら学べて、しかもおいしい自由研究。ぜひご自宅で試してみてください♪
インタビューした人
グルーバルコミュニケーション部サイエンスグループ
稲村 多恵子さん
品質管理室や分析研究所にてアミノ酸分析に従事。その後、広報部(現GC部)に移り、栄養教諭や栄養関連の学会などでうま味やアミノ酸に関する有用情報を提供。最近はスポーツ栄養、女性の健康に関するセミナー開催や冊子の製作などを行っている。
- 「うま味」ってなあに?
- 実験(1)りんごジュースにうま味を加えてみよう!
- 実験(2)どっちがおいしい?みそ湯を作ってみよう!
- 編集部でもやってみた
01「うま味」ってなあに?
舌が感じる基本の味覚(基本味)は「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」の5種類です。
甘味はあまい、塩味はしょっぱい、酸味はすっぱい、苦みは苦いと、とってもわかりやすいですよね。でも、うま味って何でしょう?
うま味は、野菜や海藻やチーズ、魚やお肉、きのこなど、さまざまな食材に含まれていて、料理をこっそりおいしくしてくれている忍者のような存在です。母乳にも含まれているので、実は赤ちゃんも、うま味を味わっています。
そこで、いつもは陰に隠れている、うま味を発見できる2つの実験をご紹介します!
02実験(1)りんごジュースにうま味を加えてみよう!
甘酸っぱいりんごジュースに、うま味を加えると、あの味に大変身! どんな味になるのか試してみましょう!
実験方法
材料
- 無添加の青りんご(またはりんご)果汁100%ジュース
- 小さじ2
- 水
- 小さじ4
- うま味調味料「味の素®」
- 1〜2ふり
- 青りんご(またはりんご) 果汁100%ジュース大小さじ2に、水を大小さじ4加えて3倍に薄める。
- 薄めたりんごジュースを一口飲んで味を確認する。
- 2.に「味の素®」を加えて、もう一度飲んで味を確認する。
【実験(1)解説】りんごジュースがトマトみたいな味になっちゃった!
うま味を加えたりんごジュースは、なんとトマトのような味になってしまいました!
りんごの味は、甘味と酸味、それに少しの苦味のバランスでできています。ここに、うま味が加わることで、トマトのような味と同じバランスになるんです。
赤・青・黄の絵の具を混ぜ合わせるといろんな色が生まれるように、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5種類の基本味を組み合わせれば、さまざまな味を作り出すことができます。
03実験(2)どっちがおいしい?みそ湯を作ってみよう!
続いての実験は、みそ湯の飲み比べです。どちらがおいしいか確認してみましょう!
実験方法
材料
- お湯
- 150ml
- みそ
- 小さじ1(6g)
- 「味の素®」
- 1〜2ふり
- お湯150mlに、みそ小さじ1(6g)を溶かし入れ、みそ湯を作る。
- AとBふたつのカップを用意し、みそ湯を30mlずつ入れる。
- Bのカップに、「味の素®」を1〜2ふり。
- AとBをそれぞれ飲み比べてみる。
【実験(2)解説】おいしいみそ汁の秘密は、うま味にあり!
みそを溶かしただけのAは、なんとなく味気なくておいしくないですよね。でも、うま味を加えたBはとてもおいしくなりました!
うま味成分はさまざまな食材に含まれています。みそ湯にうま味成分を加えたことで、みそがもともともっている、うま味がさらに強まり、みその味の輪郭がよりくっきりと際立ったのです。
かつお節や昆布でとっただし、だしパック、顆粒だしで、みそ汁の味に深みが出るポイントは、うま味にあります。うま味は、食べものがもつ本来の味を引き立てて料理をおいしくしてくれるのですね。
04編集部でもやってみた
編集部の家庭でもさっそく実験してみました。さっきまでりんご味だったジュースが、うま味を加えるだけで、色も形状もそのままなのに、トマトのような味に大変身。「手品みたい!」と子どもも大喜びでした。
実験のあとは、結果をノートにまとめて夏休みの自由研究に活用しても◎。親子で新しい発見ができたうえ勉強にもなり、とても有意義な時間を過ごせたと感じています。
食べものの味を整えたり、おいしくしたりする、うま味。まるで忍者のようなその活躍ぶりに、はじめて気がついた人も多いのではないでしょうか。
使う材料や分量を変えるなどして、いろんな実験に応用してみるのもおすすめです。食事やおやつの時間に、「どうしてこれはおいしく感じるのかな?」「うま味が隠れているのかな?」など、お子さんと話し合いながら、楽しい時間をお過ごしください!