2022年12月、脱炭素社会の実現に向けて企業と学生が共創するビジネスコンテストプログラム「Earth hacksデカボチャレンジ2022」が開催されました。食品企業として「TOO GOOD TO WASTE ~捨てたもんじゃない!~」を掲げ、日頃から家庭内のフードロスをへらすためのレシピやアイデアを考えている味の素社。それらの取り組みが、より多くの人に伝わる効果的な発信方法を探るため、Z世代と一緒にビジネスプランを立てるこのイベントに参加しました。
今回は「Earth hacksデカボチャレンジ2022」にて味の素社と共創した学生チームのみなさんを本社にお招きし、座談会を開催!
イベントの裏話から今後の更なるフードロス対策まで、担当社員を交えて楽しくトークした様子をお届けします!
インタビューした人
山田 桃子さん
立教大学文学部英米文学科に所属。受験期は「クノール® スープDELI®」に支えられました。将来は世界中に日本の良さを広めるのが夢です!
インタビューした人
森谷 蓮さん
中央大学法学部法律学科に所属。高校の陸上部時代には「アミノバイタル®」と共に戦っていました!自分のアイデアで社会問題に貢献できるような人になりたいです!
インタビューした人
尾崎 千遥さん
上智大学文学部国文科に所属。食べることが大好きで、おいしいものを食べる時間が私にとっての至福のひとときです!将来は自分の仕事にやりがいと誇りを持てるような社会人になりたいです!
インタビューした人
平井 美織さん
取材当日は欠席。明治大学商学部に所属。マーケティング、環境、教育など様々な分野に興味があります。人々の日常生活に小さな幸せを感じてもらえる瞬間を生み出したいです!
インタビューした人
生活者解析・事業創造部 Z世代事業創造グループ
玉置 翔さん
Z世代向けの製品・サービス開発を担当。世界中においしい体験を届け、健康面で後悔する人をなくす為に日々邁進中。趣味は旅行、ゲーム、アニメ。
- 「大学生×味の素社」でフードロス削減へ。それぞれの思いを胸にチャレンジ!
- “推し活”感覚で楽しく取り組んでほしい!Z世代のリアルを反映したアイデア
- 「好きなこと」と「体験」を通してより身近に!Z世代に刺さる、これからのフードロス対策
- Z世代のリアルな意見が飛び交った座談会
01
「大学生×味の素社」でフードロス削減へ。それぞれの思いを胸にチャレンジ!
ーー みなさんは、別々にコンテストに応募し、チームとなったそうですね。まずはコンテストへの参加を決めた理由から、教えてもらえますか?
山田さん:就職活動をしていく中で、味の素社は人のため、社会のためにできることを考えている会社だと感じ、気になっていたんです。それで日頃から、味の素社に関する情報をチェックしていたら、「デカボチャレンジというイベントがある」ことを知り、「参加したい!」と思って応募しました。
森谷さん:大学1年生の時にアフリカの食糧危機を知り、同時に日本のフードロスの量が多いことを知ってから、「フードロス」が自分の中でずっと気になるテーマでした。また、陸上競技をしているのですが「アミノバイタル®」を愛用していて、本当に忖度なしで味の素社が大好きだったんです!
味の素社と自分が興味のある「フードロス」が重なって、「これはやるしかないでしょ!」と思って即決しました。
尾崎さん:私は、大学3年生の10月までサークル一筋だったので、就職活動をしていなかったんです。就活サイトに登録し始めて「私は何に興味があるかな?」と考えたときに、食べることが好きだなと。それで毎日の食事と密接に関わる食品業界について調べていたところ、このデカボチャレンジがあることを知って「面白そう!やってみよう」と思ったのがきっかけですね。
ーー なるほど!みなさん、さまざまな思いから応募に至り、集まったチームなのですね。イベント参加前はフードロスについてどのような認識でしたか?
山田さん:私は大学でフードロスに関わるSDGsの授業を受けるまでは、言葉を聞いたことがある程度の認識でした。そういう問題があることは知っていたんですけど、あまり自分の問題ではないと感じていましたね。
尾崎さん:私も「聞いたことはある」程度の知識でした。これまで深く考えたことはなかったですし、イベントに参加してから周りの友達にも聞きましたがやはり似たような印象を持っていました。
森谷さん:僕は興味があったけどやっぱり実践はなかなか難しく……。周囲も、知っているけど「自分がちょっと捨てたくらいじゃ何も変わらないでしょ」と思っている人の方が多かったです。
02
“推し活”感覚で楽しく取り組んでほしい!Z世代のリアルを反映したアイデア
――――やっぱり、なかなか「自分ごと」としてとらえるのは難しいですよね。そんな中みなさんは、フードロスをもっと自分ごと化できるように、「野菜×育成」をテーマにしたゲームアプリを提案されてましたね。
山田さん:そうなんです、私たちが提案したのは「ベジタブルヒーローズ~フードロスの危機を救え~」というゲームアプリです。
尾崎さん:ターゲットは一人暮らしをしている大学生に絞りました。野菜を購入したときにそのレシートを読み込むと、野菜を擬人化したキャラクターが現れ、食材を賞味期限内に使い切ることでキャラクターのレベルが上がっていく育成ゲームになっています。
ーー最初にこのアイデアを聞いたとき、玉置さんはどう思いましたか?
玉置さん:企画を受け取った時、すごく面白いと思いましたよ!企業で企画すると「フードロスになりがちな部分をおいしく食べよう」とありきたりになりがちなところを、Z世代ならではの発想だなと。「ゲームを作っちゃおう!」という大胆なアイデアですが、Z世代が使ってくれる可能性を感じたのでワクワクしましたね。
ーーどんな発想でこのアイディアが生まれたんですか?
森谷さん:Z世代が好きなものについて調べていたら、キャラクターや声優、アニメの登場人物を「推している」人が多いことが分かったんです。Z世代をターゲットにするなら、この「推し活」という観点が必要だと思って、野菜の擬人化というアイデアが生まれました。
ーーなるほど、それでキャラクター育成ゲームなんですね! 企画を考えるのはとても大変だったと思いますが、どの部分が一番大変でしたか?
尾崎さん:大学生に伝える中で、どうしたら「娯楽という観点からフードロスに繋げられるか」という目標を達成するのが大変でした。
山田さん:玉置さんからのフィードバックで「自分ごと」として捉えられるかをすごく大事にしていることが伝わってきました。このアプリを長期的に使ってもらうためにも「大学生である自分や友達が実際に使いたくなるか」は最も意識して、たくさん話し合いましたね。
玉置さん:そうですね。「自分がお金を払ってでも買いたいか」「友達にオススメできるか」といった観点で、「面白そうだけど、こんなところまだ改善できそうだよね」というやりとりを重ねたことを覚えています。
森谷さん:個人的には、「ゲーム好き」と「ゲームをあまりやらない人」との価値観の差を埋めるのも結構大変だったかも。僕は、スマートフォン向けゲームアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』を見て、「すごく売れているし、このゲームがきっかけで競馬を知った人はいるよな」とインスピレーションを受けたんです。でも、みんなにその考えを伝えたら「そういうゲームを彼氏がやっていたら嫌かも」と平井さんにバッサリ言われちゃって(笑)。
山田さん:あはは、懐かしい! でも行き詰まったときに一歩踏み出してくれたり、何気ない雑談を形にしてくれたりしたのは平井さんだったよね。
森谷さん:確かに、平井さんの意見のおかげで男性キャラクターも入れたし、どうすれば女性が「彼氏がやっても大丈夫」と思ってくれるゲームになるかなと考えることができたと思う。
玉置さん:そんな経緯があったとは初めて知りました。本当に考え抜いてくれたんだなと感謝の気持ちでいっぱいです! 難しかったと思いますが、ビジネスにも共通する部分も多く、そこに挑戦していただいたのはきっと学生のみなさんにとっても有意義で、将来的にも財産になるのではと感じています。
03
「好きなこと」と「体験」を通してより身近に!Z世代に刺さる、これからのフードロス対策
ーー最後は、イベントのテーマである「フードロス」について聞かせてください。味の素社では、さまざまな形で積極的な発信に取り組んでいますが、今後、大学生をはじめとするZ世代に広く知ってもらうためにどんなことが必要だと思いますか?
玉置さん:大事なことは、大きく分けて2つあると思っています。
1つはZ世代の皆さんの関心事に引っ掛かること。普段の生活の中で関心のないところに急にフードロスをぶつけても自分ごと化されないと思うので、今回4人が出してくれたキャラクターやゲームのように、身近なものや好きなことと掛け合わせていきたいです。
2つ目は実体験。上辺の情報だけを提供してもなかなか行動には移せないので「体験を提供する」といったところを大事にしていきたいと思っています。
山田さん:「体験」というキーワードはすごく興味があります。大学に入ってからずっとコロナ禍なので、人と直接話したり体験したりことが少なくて……。
森谷さん:僕も、体験は貴重な時間だと思います。今は情報が何でも手に入るから、逆に、僕を含めて最近の若者は手間を楽しむ傾向があるというか。例えばインスタントカメラが流行ってますけど、あれってその場で写真を確認できないし、わざわざカメラ屋さんで現像しないといけないですよね。でもそのひと手間が、非日常感があって楽しいんです。
ーーこの座談会をきっかけに新しい試みが生まれそうな予感がします! では、先のお話に出てきたように、Z世代に自分ごと化してもらうためのオススメコンテンツはありますか?
玉置さん:今まさに制作中なのですが、インフルエンサーさんとコラボしたショート動画をオススメしたいです。味の素社が依頼して発信してもらうという形ではなく、インフルエンサーさんを工場見学にご招待し、ご自身で撮影してもらうというもの。「自分たちがこの取り組みをレポートするんだったらこういう感じ」というイメージで、Z世代の目線で作る新しいコンテンツを考えています。
尾崎さん:動画は毎日見るので、自然な形でフードロスコンテンツに触れられるのは嬉しいです。私自身、わざわざホームページやメディアをみに行くという機会はあまり無くて、動画で情報収集しちゃうので普段みているものにサッと流れてくると興味を持ちやすくなると思います。
玉置さん:やっぱりそうなんですね。Z世代がSNSで情報を得るのは知っていましたが、動画でも情報収集していることが確信に変わりました。
森谷さん:僕は、今回コンテストに参加してから、フードロス削減の手段の一つとして自炊をするようになったんですけど、味の素社のレシピは初心者の僕にはまだまだ難易度が高いものが多くて……(笑)。3工程くらいのかんたんなレシピで、フードロス削減にも繋がるレシピコンテンツがあると嬉しいなと思いました。
山田さん:本音を言うと調味料をはかるのとかも大変だよね。正直、すりきり1杯とか書いてあるともう作るのやめよう……とか思っちゃう!
玉置さん:なるほど……コンテンツ見直しに繋がる本音のご意見、とてもありがたいです!
尾崎さん:Z世代だけでなく、忙しい人が増えている時代だと思うので、手軽においしい料理が作れるのは嬉しいです! そういうレシピや料理家さんのバズった動画は、オススメにもよく表示されるのでついついみてしまいます。
玉置さん:簡単で適当な分量でもおいしい、しかも洗い物が出ないといったレシピがトレンドなんですね。
森谷さん:そこにZ世代の好きな声優やキャラクターが調理工程を紹介してくれたら、さらに見たくなりそう!
山田さん:ぜひ、ナレーションはイケボ(イケメンボイス)で聴きたいです……!!
04
Z世代のリアルな意見が飛び交った座談会
楽しい時間はあっという間。まだまだお話は尽きませんが、座談会は終了です。
学生のみなさん、楽しく有意義なお話をありがとうございました! もしかすると、この座談会で出たアイディアが今後実現するかも? これからのZ世代と味の素社の取り組みも、どうぞお楽しみに!