味の素冷凍食品が作る「ギョーザ」は、長年お客さまから愛されている商品。1972年の発売以降、お客さまの声と向き合い、常に改良し続けています。
「どんなお客様が、どんな調理をしても、おいしいギョーザが作れることを目標にしています」と開発メンバーの宅宮さん。「ギョーザ」の歴史や進化と、おいしくきれいに焼くためのポイントを改めて教わってきました!
インタビューした人
コーポレート本部 研究・開発センター 商品開発部 開発第1グループ長
宅宮 規記夫さん
「ギョーザ」開発担当として、永久改良を目標にチームメンバーと共に品質改良に取り組んでいます。お客様においしいギョーザを届けるために、日々情報収集とおいしいものを食べることに取り組んでいます!
インタビューした人
コーポレート本部 研究・開発センター 商品開発部 部長
上山 宏一さん
入社以来、商品開発、原材料開発、工場開発とずっと開発畑で、チャレンジし続けています。「人生100年時代」に向け、大好きなお酒を少し控えながら、平日はジムで軽い筋トレ、週末はランニングで、健康維持に努めています!
インタビューした人
コーポレート本部 研究・開発センター 開発第1グループ
石山 真乃介さん
商品開発部で「ギョーザ」を担当。お酒が大好きでいつかお酒にあう究極のギョーザを開発するのが夢。最近はサウナにはまっており、サウナ後のビール+ギョーザで最高の週末を過ごしています。
インタビューした人
コーポレート本部 研究・開発センター 開発第1グループ
竹内 萌恵さん
商品開発部で「ギョーザ」を担当。おいしいギョーザを世界に広めるために、入社して5年間ずっとギョーザに関わる研究開発に日々励んでいます!毎日のお弁当づくりや休日のお菓子作り、山登りが趣味です!
- 味の素冷凍食品「ギョーザ」って?
- ガスとIHでそれぞれ実践!「ギョーザ」をきれいに焼くコツ
- 3,000枚以上のフライパンを研究材料に、ただ今検証中!
01
味の素冷凍食品「ギョーザ」って?
── 「ギョーザ」のこだわりポイントを教えてください!
宅宮さん:中具のジューシー感、皮のもちもち感、焼き目のパリッと感。この3つを大切にしています。
タレは付けていませんが、タレがなくてもおいしく召し上がっていただけるようにしているんです。原材料に使っているのも、ご家庭にあるようなスタンダードな調味料ばかり。だからこそ、お子さまからご年配の方まで、幅広いお客さまに支持していただけているのでは、と思っています。
我々の先輩方が何千回、何万回とトライして改良してきたことが、いま実を結んでいるのかなと思います。
上山さん:もちろん原材料もこだわっています。2014年から全ての野菜を国産野菜に切り替えました。
キャベツは手作業で芯抜きをしたり、肉は独自の方法でミンチにしたり。144の工程を経てお客さまのもとにお届けしています。
(「手間」と「愛情」をたっぷり込めて、「ギョーザ」を作る工程をまとめた特別動画がコチラ!)
宅宮さん:あらゆるお客さまに楽しんでいただくために、焼く際の手間もどんどんと省力化しています。
一般的に餃子を焼くときは油を引く必要がありますが、1997年に“油なし”調理を実現しました。2012年に“水なし”も追加され、より簡便に調理ができるようになりました。
── どうしてそれが可能なのですか?
宅宮さん:「ギョーザ」の底面にある「羽根の素」がポイントです。
宅宮さん:底面にある凍った羽根の素は、加熱すると油と水分が溶け出します。
宅宮さん:水分が「ギョーザ」を蒸らし、さらに溶け出した素がパリッとした羽根になるんです。
上山さん:生餃子では実現できない、冷凍の「ギョーザ」ならではのこだわりと言っていいかもしれません!
02
ガスとIHでそれぞれ実践!「ギョーザ」をきれいに焼くコツ
味の素冷凍食品「ギョーザ」は油なし、水なしで調理できる優れもの!誰でも簡単に焼けるのがポイントですが、よりきれいに焼くには「ぜひ守ってほしい、いくつかのポイント」があるんです。
今回は“調理器具別”に解説します。ガスコンロは石山さんに、IHクッキングヒーター(以下、IH)は竹内さんにレクチャーしていただきました。
まずはガスコンロから。やけど防止のため、火をつける前に「ギョーザ」を並べてフタをします。
「ガスコンロの五徳が歪んでいると、フライパンが傾いてしまって『羽根の素』がだんだん偏ってくることも……。五徳やフライパンの歪みがなく、平行になっているかどうか、事前に確認いただくと良いと思います」と石山さん。
まずは、ガス火の先端がフライパンの底に届く程度の火加減(中火)で約5分蒸し焼きします。このときの注意点について、石山さんは「強火だと羽根の素が広がりきる前に焼きあがってしまって、見た目が悪くなりやすいです」と話します。
蒸し焼き中は、途中でフタを開けないように!「フタを開けてしまうと、蒸気が外に出てあたたまりにくいのです。5分はフタをしたまま待ちましょう。ちなみに、5分たった時点で焼き色がついていたら、火が強い証拠ですね」と石山さん。
次に、フタを外して仕上げ焼きに入ります。羽根がキツネ色になるまで、同じ火加減(中火)で進めていきます。
石山さんは「換気扇の影響などで、風向きによっては火が揺らいで焼き色にムラが出てきます。羽根の色を見ながら、フライパンの位置をズラして火の当たるところを調整してあげるときれいに仕上がりますね」とアドバイス。
約3分で仕上げ焼き完了。ひっくり返すと……お見事!まんべんなく焼き色がついていてきれいです。
次はIHでやってみましょう。ガスコンロと同様、冷たいままのフライパンに「ギョーザ」を並べてフタをして、中火設定にして、蒸し焼きは約5分です。
仕上げ焼きでは「IHはやや弱火設定の方が良いと思います。IHヒーターの特性上、真ん中だけが焦げやすいので要注意です」と竹内さん。フライパンとヒーターが当たる位置を微調整することもお忘れなく。
約10分で「ギョーザ」が完成!仕上げ焼き後にフライパンをひっくり返すと、これまたお見事!(※IHヒーターの機種などによって時間は異なります)
ガスコンロに比べると、羽根の焼き目が荒くなったように見えます。比較してみると、こんな感じ。左がガスコンロ、右がIHです。
どちらもおいしいですが、この日に取材した私たちの感想は「IHで焼いた方が羽根がクリスピー!」でした。食感に違いがあるとは思わず、驚きました。
03
3,000枚以上のフライパンを研究材料に、ただ今検証中!
味の素冷凍食品社は「冷凍餃子がフライパンに張りついてしまう」 というお客さまのSNS投稿をきっかけに、「ギョーザ」が張り付いてしまったフライパンを募集しました。なんと、その数3,000枚以上!
SNSの一声をきっかけに、味の素冷凍食品では今、新たな改良を検討中だといいます。
── フライパンに限らず、お客さまの調理器具を募集することはこれまでにありましたか?
宅宮さん:お客さまへのインタビューや、ご自宅にお邪魔して台所を見せていただくことなどはありましたが、これほどたくさんのフライパンを送っていただくことはなかったですね。
過去にも「うまく焼けない」といったお客さまの声をいただいていましたが、正直なところそんなに多くはないだろうと思い込んでいました。ところが、今回の募集をきっかけに我々が思っていた以上に大きな課題だと認識しまして、みなさまから送っていただいたフライパンを活用しながら改良に取り組んでいるところです。
フライパンを3Dスキャナーで読み取り、一つひとつの歪みや使用具合なども加味して、検証を繰り返しながら情報を貯めているんです。それらの情報や使用実態の検証といった研究経過は、『冷凍餃子フライパンチャレンジ』プロジェクトサイトで報告しています。
上山さん:道具もみんなフライパンを使っているはずだって、勝手に思っていたところがありました。募集したことで、卵焼き器など、フライパン以外のものを使っていらっしゃることもわかりました。
── そもそも、なぜギョーザがフライパンに張りついてしまうんですか?
宅宮さん:含まれているでんぷんやたんぱく質が加熱するとノリ状になって張りついてしまうのが主な原因です。そこに、フライパンの焦げが残っていると、よりくっつきやすくなるのかなと。
上山さん:焦げが付いている場合はフライパンを一度洗い直すと、ちゃんと焼けることもあるんです。洗い方も関係しているかと思います。ここも目下、検証中です。
── では、具体的にどんなフライパンを使うと良いのでしょうか。
宅宮さん:テフロン加工が剥がれていない、直径26cmくらいのフライパンをオススメしています。ただ、将来的には「どんなフライパンでも良いですよ!」と胸を張れるようにしたいですね。
これから「ギョーザ」がどのように改良されていくのか、とても楽しみですね!
王道の味の「ギョーザ」を、今回の記事をもとにぜひパリッと焼いてみてください。そして、まずはそのままお召し上がりを。ちなみに、開発メンバーのお気に入りアレンジレシピを聞くと「大葉で巻いて食べる」のもオススメ、とのこと!
みなさんのオススメの食べ方もあれば、ぜひ教えてくださいね!