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あこがれキッチン#4料理家夫婦が奏でる「共食」の暮らし

あこがれキッチン#4料理家夫婦が奏でる「共食」の暮らし

2020/10/15

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どなたかのおうちを訪問してキッチンを覗かせてもらったとき、「こんなキッチンだったらお料理が楽しくできそうなのに…!」と思ったことはありませんか?

このコーナーでは、そんな素敵なキッチンにお邪魔し、日々のごはん作りを楽しく快適にするためのヒントをご紹介します。

4回目にご紹介するのは、中央省庁にお勤めで、週末は農園料理家として活動する松本 純子さんのキッチンです。同じく料理家の旦那さま、樋口 直哉さんにもご登場いただき、穏やかな雰囲気のなか、キッチンへのこだわりについて伺いました。

インタビューした人

料理家・フードアナリスト

松本 純子さん

日本の食と農に思いを馳せる農園料理家。中央省庁に勤務し、休日はNINO FARMにて野菜作りをしたり、全国の産地に出向いておいしい食材の魅力を発信したり。フードアナリスト、野菜ソムリエ、砥部焼大使としての顔も。
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インタビューした人

料理家・作家

樋口 直哉さん

料理人として活躍しながら、2005年に『さよならアメリカ』で群像新人文学賞を受賞するなど、作家としても人気を集める。『大人ドロップ』『スープの国のお姫様』『新しい料理の教科書』など著書多数。
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  1. たくさんの光が入り込む開放的なカウンターキッチン
  2. 使いやすさとこだわりが自然と共存する空間
  3. 好きなことへの思いがかたちになった、心地よい生活

01
たくさんの光が入り込む開放的なカウンターキッチン

「自然光が入る、開放感なキッチンが夢だったんです」と語る松本純子さんは、農林水産省にお勤め。そのかたわら、週末農業での野菜作りや地域食材を活かしたレシピ作成など、縦横無尽に活躍されています。

「誰かと一緒に食事をする『共食』をテーマに活動しているので、食卓を囲みながら作る人とも会話できることは、住まいを選ぶうえで外せない条件でした」と純子さん。

大きな窓のある広いカウンターキッチンには周囲を遮るものがなく、ダイニングからは調理している人の様子がよく見えます。

カウンターキッチンの横には、さらにアイランドキッチンが!こちらはなんと、旦那さまである直哉さんの自作だそうで、カウンター下には食器や調理器具がたくさん収納できます。

「多くのキッチンはひとり用で、料理する人が固定されがちです。でもキッチンの横に作業できる場があれば、複数人で料理できますからね」と直哉さん。

アイランドキッチンや壁側の食器棚、調味料が並べられた棚は薄いグレーで統一。白いキッチンになじむよう、ご自身で塗装されたそうです。調味料棚には、純子さんが全国各地から集めた調味料がずらり!

使い勝手のよさそうな三口コンロは、カウンタートップやシンクとひと続きになっているのが特徴。火を使っているときでも食卓に背を向けることなく作業できる、ありそうでなかなかない設計です。

02
使いやすさとこだわりが自然と共存する空間

実はおふたり、最近こちらの新居に移られたばかり。料理家ご夫婦ならではのエピソードを伺いました

「料理器具や食器などをたくさん持っていたんです。同じようなトングや鍋が3つも4つも(笑)。複数ある調理器具や食器など約100点を、泣く泣く人に譲りました」

厳選した食器は一軍、二軍、三軍に分けられていて、一軍は棚に平置き。「しまう」「取り出す」という作業が増えるので、あえて収納しないんだそう。

よく使う食器のなかには、純子さんがPR大使を務める、愛媛県砥部町の磁器「砥部焼(とべやき)」も。

白地に呉須(ごす)という薄い藍色で唐草模様を描いたものが多いそうですが、愛用しているのはホワイトやグレーなどモノトーンの砥部焼。なるほど、これならどんな料理にも合いそうです。

キッチンツールや食材など、普段使っているものがさりげなくディスプレイされているのも特徴。

赤オクラやつるむらさき、ビーツなど畑で採れた色とりどりの野菜や多種多様のハーブたちが、カラフルな鍋を重ねた「鍋タワー」とともに、白いキッチンに彩りを添えていました。

03
好きなことへの思いがかたちになった、心地よい生活

純子さんは社会人になってから高知、愛媛、広島など5回の転勤を経験。慣れない土地での生活を支えたのが、大好きな農業と情報発信だったそうです。

「個性豊かな仲間たちと農業のよさを伝えることが好きなんです。好きなことと仕事がリンクして、いまの心地よい生活につながっているんだと思います。最近は、日本の農業を身近に感じられる場として、週末農業『NINO FARM』を始めました。毎週末、埼玉県草加市の畑で野菜作りに励んでいます」

お話のさなか、「ぜひ飲んでいただきたいものがあるんです」と純子さんが振るまってくださったのが、バレンシアリトルレモンのソーダ割。夏の暑さをかき消すとっておきの一品に添えられた小ぶりでかわいらしいレモンは、皮がとてもやわらかく、丸ごといただけました。

すると次は「メロンのピューレとラベンダーのブランマンジェです」と直哉さんからも!鼻から抜けるやさしいラベンダーの香りが、いまも忘れられません。おふたりのさりげないおもてなしに感動した取材班でした。

純子さんと直哉さんの好みは同じではなく、好きなお皿もちょっとずつ違うのだそう。ですが、キッチンにはふしぎと自然な統一感があって、まるでお互いを思いやり、寄り添うおふたりを映し出しているよう。

また、生活の中心にキッチンがあり、食をきっかけに会話が生まれ笑顔になる、そんな印象も受けました。素敵な料理家ご夫婦のキッチン、ぜひ参考にしたいですね。

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