食べるって楽しい!おいしく食べて、健康に過ごせたら幸せ♪「AJINOMOTO PARK」では、そんな気持ちに寄り添いたいという思いから、食に関するお役立ち情報や気づきを求め、さまざまな料理家さんとともに活動しています。
おうち時間が増えたからこそ、いつものお料理をおいしくつくって、おなかもこころも満たしたいもの。「おだいどころ⻁の巻」では、いつもキッチンに立つみなさんのそんな切実な思いにこたえるとっておきのアイデアを、その道のプロや賢者にうかがいます。
今回のテーマはお弁当作り。高知にキッチンスタジオを構えるフードコーディネーター・岡村美香さんに、高知ならではの食の魅力や、見た目よし、食べてよしのお弁当作りのポイントをうかがいました♪
インタビューした人
フードコーディネーター/料理家
岡村美香さん
- 見た目よし!味よし!お弁当作りのコツ
- 高知の味覚堪能!お弁当作りに隠れた冒険
- 編集部でも作ってみた!
01
見た目よし!味よし!お弁当作りのコツ
「彩り豊かなお弁当には憧れるけど、難しそうでなかなか実践できない…」と悩まれる瞬間も多いのではないでしょうか。
お弁当作りが毎日続くと、ついつい色味が偏ってしまいがち。そんなお悩みを解決する、見た目もおいしい鮮やかなお弁当を簡単に作れるコツをお届けします。
■虎の巻 其ノ一 赤・黄・緑を取り入れる
食欲をそそる彩りに仕上げるポイントはずばり「赤・黄・緑」!
「お弁当には、赤色と黄色と緑色を意識して入れるようにしています。この3色があれば見た目が鮮やかになるんです」
岡村さんおすすめの赤色食材はにんじん。
「にんじんは、日持ちするので常に冷蔵庫に入れています。和にも洋にもつかえて料理のバリエーションも豊かに。ほかにはトマトやパプリカもおすすめです。あとはトマトソースのペンネをちょっと入れることもありますね」
「黄色は卵やコーン、黄ズッキーニや黄パプリカ、カレー粉をつかって味付けしたものでもいいですね。季節に応じた色野菜を取り入れるのも楽しいですよ。
緑色はそのときの旬の野菜、今回は春~初夏なので、えんどう豆やアスパラガス、ビピンパにはオクラを入れました」
たくさんの色を意識しながらも鮮やかに、そしておしゃれに盛り付けるときのコツは「同じような色のおかずが隣同士で並ばないようにすること」。あとはそのときの気分で自由に盛り付けていくのだとか。
ただ、毎日のお弁当を作るとなると、彩りを考えるのがしんどくなってしまうことも。
「そんなときは、ふりかけでおにぎりに色を付けるだけでも簡単に彩りをプラスできます。ふりかけおにぎりと一緒に、のりを巻いたおにぎりを入れたら、のりの黒で全体の色が締まっておすすめです」と岡村さん。
■虎の巻 其ノ二 食感や味付けで変化を出す
岡村さんのお弁当作りのこだわりは見た目だけではありません。
曲げわっぱに入った鮮やかなビピンパ弁当には、お肉が少なくても満足できるような工夫がこめられています。
「お肉はごはんとの相性を考えて濃いめの味付けのそぼろに。それだけだと味に飽きてしまうので、お肉以外の食材の食感や味付けに変化をつけています。
こうすることで、お弁当全体のバランスがよくなり、食べたあとの満足感にもつながります」
野菜は彩りに気を遣いつつも、にんじんやしいたけ、今回は抜き葉(間引きした大根の葉)など、食感が違うものをチョイス。
「にんじんやほうれん草はナムルに。「ほんだし®」を少し入れると味がまとまります。しいたけはごま油とお塩とちょっぴり醤油、大根の葉はお塩。お塩も産地が違うと味が全然違うので、つかい分けてみると味わいが変わります!コクを足したいときは、「丸鶏がらスープ」をつかうのもおすすめです」
■虎の巻 其ノ三 “立体感”を意識して盛り付ける
おいしそうな盛り付けの秘けつは、“立体感”と岡村さん。
「和食の小鉢のお料理も中央が高く、立体的ですよね。お弁当でも立体的に動きがあると、おいしそうに見えるんです。
簡単に立体感を出すには、切り方を意識するとよいですよ。今回のお弁当ではアスパラやたけのこ、卵焼き。斜めに切ると動きが出て立体的なお弁当になります」
早速、卵焼きを立体的に見せる切り方を教えていただきました!
「卵焼きを長方形に切ったあと斜めに切るだけです」
このまま盛り付ければ、いつものお弁当と雰囲気がガラッと変わります!すぐに実践できるテクニックですね。
■虎の巻 其ノ四 悩んだときはお弁当箱選びから
お弁当作りのコツをたっぷりうかがった今回。ですが忙しい毎日のなか、おかずや盛り付けを考えることが大変な日もあります。
そんなときにモチベーションを保つ秘訣について岡村さんはこう話してくれました。
「私は『今日はどのお弁当箱に詰めようかな』から始まり、それから『おにぎり?』『のっけ丼?』と決めていきます。そうすると、ワクワクしますよ。着ていく洋服を選ぶような感覚で、お弁当箱を選んでいる時間も楽しいんですよ」
人が服を着ておしゃれをするように、料理も器で気分を変える。まず器から選ぶことで、より楽しい料理時間を感じられるようになるかもしれません。
02
高知の味覚堪能!お弁当作りに隠れた冒険
フードコーディネーターとして、大阪でキャリアを積んできた岡村さん。
現在は岡村さんの出身地である高知でキッチンスタジオ「tasse」をオープンし、料理教室を開催したり、地元の食材をふんだんにつかった手作りのお弁当を販売したりと、高知の食の魅力を全国に発信しています。
おかずの一品やお弁当の内容は「直売所に売っている野菜を見て決めることが多いです」とのこと。
「直売所の方が、『今日これ入ってるの珍しいよ』と教えてくださることがあるので、その際はおすすめされた食材を買っています。
食材とは一期一会のご縁であることも多いんです。このあいだもおいしいパッションフルーツに出会ったのですが、また食べたいと思って、2、3日後に買いに行ったらなくて…」
行くたびに新しい発見が待ち受けるなんて、ちょっとした冒険のよう。また、同じ高知内の直売所と言っても、品揃えは地域によって全然違うのだとか。
「私が拠点を置いてるキッチンスタジオの地域は、旬になると、にらやみかん、また海側にはちりめんじゃこの加工場が何ヶ所かあり、新鮮な野菜や海産物が良心的な価格で購入できます」
岡村さんは、直売所以外でも地域の新鮮食材にアンテナを張っているのだそう。
「直売所に行かなくても、スーパーマーケット内に産直コーナーがあるところも多いので、そこをのぞいてみるのもおすすめです。また、旅行に行った際など、その地域のスーパーマーケットに立ち寄ってみると、いつも見かけない食材に出会えて楽しいですよね」
03
編集部でも作ってみた!
今回、編集部では、ビピンパ丼弁当をつくってみました。
教えていただいたことを思い出しながら、彩りや食感のバランスを意識して立体的な盛り付けに。
今回は、豊かな自然が育む高知から、簡単におしゃれなお弁当作りができるポイントと地元の食材を楽しむコツをお届けしました♪食材ひとつひとつの彩りや食感を大切にすることが、いつものお弁当をスペシャルなものにする極意なのかもしれません。
いつものスーパーや市場で見つける食材、お弁当の器選びなど、自分の暮らしに合った出会いを大切にして、いつものお弁当をもっとおいしく楽しんでみませんか?