「時間がなくても、簡単においしい料理を作りたい!」という願いを叶えるには、さまざまな工夫が欠かせません。
「AJINOMONTO PARK」のシリーズ企画「味の素社員のご飯ルール」では、味の素社員の食卓をのぞき見。食べることが大好きな人の食生活や、料理を楽しむための準備や大切にしていることなど、それぞれの工夫を聞いています。
今回ご紹介するのは、味の素社のマーケティングデザインセンターで働く片上さんのご飯ルールです。
インタビューした人
マーケティングデザインセンター
片上 崇さん
- 好奇心と探求心で作る週末の料理
- 「まごにわやさしい」食材を使って栄養満点の献立に
- 日常的に情報を収集して料理の発想力を鍛える
- 子どもとの会話を大切にして食卓を囲む
01
好奇心と探求心で作る週末の料理
約25年前から週末のご飯作りを担当している片上さん。食材の買い出しにも自ら出向き、朝・昼・晩と献立を考えて作るそうです。中学1年生と小学4年生のお子さんと一緒にキッチンに立つこともあるのだとか。
料理を作るようになったのは、仕事を通して、料理への知的好奇心と探求心が芽生えたからだといいます。
「同僚とお店でご飯を食べる機会が多く、おいしい料理に出合うたびに作り方を知りたい、自分でも作ってみたいと思っていたんです。パッケージデザインやCMを作る広告部にいたときは、商品の魅力をお客さまに伝えるため、常に『おいしさとはなにか』を考えていたこともあり、自分なりにおいしさを追求してみようと料理をはじめました」
今も作ったことのない料理や新しい調理方法にどんどん挑戦。旬のものをどのように調理し、おいしい料理に仕上げるかを考えることがとても楽しいんだそう。最近は、鋳物ホーロー鍋の「バーミキュラ」を使った蒸し煮料理にチャレンジしたといいます。
02
「まごにわやさしい」食材を使って栄養満点の献立に
片上家の週末の献立は、肉料理・魚料理・1〜2品の副菜・ご飯・みそ汁・香の物と盛りだくさん。品数を多く作る理由は、育ち盛りのお子さんたちの栄養バランスを考えているからだそうです。
「できるだけ、『まごにわやさしい』の食材を取り入れるようにしています。これは『豆・ごま・肉・わかめ・野菜・魚・しいたけ・いも』の8品目の頭文字をとった言葉です。健康な食生活を送るため、とるとよいとされている食材たちなんですよ」
この言葉を知ったきっかけは、オリンピック・パラリンピック推進室長として携わったアスリートの栄養環境を改善するプログラム「勝ち飯®」の仕事でした。管理栄養士の方が選手の食事に積極的に「まごにわやさしい」の食材を取り入れているのを知って、意識するようになったと教えてくれました。
03
日常的に情報を収集して料理の発想力を鍛える
食材の買い出しは、近所の魚屋、八百屋、肉屋を回ります。どこも顔馴染みのお店だそうです。
「買い物に行く機会が増えた時期に、さまざまなお店の方と友達になったんです。訪ねると『今日はこれがいいよ』と旬のものを教えてくれます。いつもコミュニケーションを楽しみながら食材を選んでいます」
買い物リストは作らず、その日、その時に、ときめきを感じた食材でレシピを考えるという片上さん。旬のものでも同じ食材が続いてしまうときは調理方法に変化をつけるといいます。
「例えば、ホタルイカ。酢みそで食べるのに飽きたら、梅肉であえたり、菜花と一緒に炒めたり。合わせる食材や調味料を変えれば、組み合わせはいくらでもあります。レシピを考えることがとにかく楽しいです!」
片上さんは常に新しい調理方法へアンテナを張ることを忘れません。
「情報収集のコツは、外食時にシェフの調理姿を観察することです。そこで気になった調理方法があれば、シェフに聞く。プロの技は意外とシンプルで、まねしやすいものが多いんです」
他にも、雑誌や食通のエッセイも参考にしてレシピをインプット。特にお気に入りでよく作る片上家定番のピェンロー鍋は、舞台美術家の妹尾河童さんが『河童のスケッチブック』というエッセイで紹介していたものだそうです。野菜も肉もとれる上に、作り方がとても簡単だというピェンロー鍋。おいしく作れるレシピを教えてもらいました。
ピェンロー鍋のレシピ
- 白菜
- 1/2株
- 豚バラ肉・鶏もも肉
- 各300g
- 春雨(乾)
- 1袋40~50g
- ごま油
- 適量
- 干し椎茸
- 5~6枚
- 昆布
- 10cm四方
- 干しエビ
- 約10g
- 水
- 1,800cc
- 「瀬戸のほんじお®」
- 少々
- 一味唐辛子
- 少々
- 水を鍋に注ぎ、干し椎茸を戻す。
- そこに昆布と干しエビを加えて沸騰させないように火にかけ、だしをとる。
- 煮出せたら、昆布を取り出す。
- 干しエビはそのまま。干し椎茸は手ごろな大きさに切って、鍋に戻す。
- 白菜は葉と芯で切り分ける。葉はざく切り、芯は細く切り、芯の部分をだしに加えて煮る。
- 白菜の芯が柔らかくなったタイミングで、食べやすい大きさに切った豚バラ肉、鶏もも肉を加える。
- 再度、沸騰した頃にごま油(我が家では、お玉1/2ほど)を回し入れる。
- 白菜の葉の部分で蓋をするようにかぶせ、フタをして約40分、弱火で煮込む。
- 春雨を入れ、ごま油(我が家では、さらにお玉1/2ほど)を回し入れる。
- 各々とりわけ、「瀬戸のほんじお®」や一味唐辛子で調味していただく。
*食べ進めたら、スープにご飯を入れてもおいしいです!
04
子どもとの会話を大切にして食卓を囲む
片上さんには、食事を楽しむために心がけていることがあります。それは、子ども用の料理は作らないこと。
「みんなで同じ料理を食べて、会話をする時間を大切にしたいんです。なので、うちでは子どもは大人と同じ献立です。ただ、子どもが苦手な辛味や苦味のある料理は調節できるようにしています。例えば、カレーや麻婆豆腐のときは、卵など辛さを和らげるトッピングを用意。カツオのたたきには、みょうがやしょうがといった薬味は別添えにします」
食べる順番にも気をつかっていると語る片上さん。ごはんとみそ汁は最後に食べるのがルールです。
「おかずとごはんを同じタイミングで出すと、バクバク食べすすめてしまって、あっという間に食べ終わってしまうんですよね。子どもたちといろいろな会話をするため、食事にゆっくりと時間をかけたい。だから、おかずを食べ終えてから、ごはんとみそ汁を出します」
お子さんとの会話を大切にしているのは、食事のときだけでなく料理をするときも。
「いつも何かしら子どもたちに手伝ってもらいながら料理をしています。最近は、近所の肉屋で丸鶏を仕入れて、参鶏湯を一緒に作ったんです。参鶏湯の発祥の地である韓国について話したり、普段は垣間見られない学校生活のことについて聞いたり。料理をしながら話すと会話も弾んで、楽しいです!」
食事をするときだけでなく、食材調達や調理のときも会話をかかさない片上さん。楽しい会話が、おなかも心も満たしてくれる食卓を作っているのかもしれません。