この春、味の素社から新商品として、トルコ生まれの果実酢(フルーツビネガー)が発売されます!味の素社の海外法人が現地で展開している海外ブランドの製品で、国内で海外製品を販売するのは今回が初めてのこと。
「なんでトルコのお酢なの?」「トルコのお酢って日本のお酢とどうちがう?」「どう使えばいい?」と、興味が尽きない「AJINOMOTO PARK」編集部。担当の鈴木さんに気になるところを率直に聞いてみました!
食卓に新しい風を届けてくれそうなビネガーレシピとともに、トルコ酢の魅力をたっぷりご紹介します♪
インタビューした人
調味料事業部
鈴木 明日香さん
海外液体調味料の販売マーケッター。現在は新発売となったトルコのビネガーを、手軽においしく楽しめる方法やメニューを日々考案中。
- 味の素社がこのタイミングでトルコのお酢を発売する理由
- 日本でいうなら、しょうゆ!?お酢とトルコの深〜い関係
- 自然発酵へのこだわり 驚くほどまろやかな味わいに!
- 「KEMAL KÜKRER」で風味絶佳♪おすすめ素敵アレンジ
- 食卓にトルコや地中海の風を!シェフ考案のとっておきレシピ
01味の素社がこのタイミングでトルコのお酢を発売する理由
——さっそくですが鈴木さん、今回なぜトルコのお酢を販売することになったのですか?
たしかに驚かれますよね(笑)。味の素社というと、「ほんだし®」や「クノール® カップスープ」など、幅広い層にお使いいただける商品が多いですから。
今回は、食に強いこだわりがある方や、海外の調味料に興味のある方に、いままでなかった新しい商品をお届けしたいという想いがあるんです。もともと味の素社は世界中に現地法人があり、その国でしか売っていない人気商品も多くあって。
——トルコのお酢も、そんな海外展開の商品のひとつなのですね。
はい。海外の製品と聞くと癖が強いイメージもあると思うのですが、お酢は日本でも親しみ深い調味料なので、初めての方でも使いやすいと思います。
今はコロナ禍が長引いていてなかなか外食もできませんし、海外旅行にいく機会もありません。そういった方にも海外の調味料をお試ししていただいて、世界のお料理を気軽に楽しんでもらいたいなと思っています。
02日本でいうなら、しょうゆ!?お酢とトルコの深〜い関係
——でも正直、トルコのお酢ってあまりピンと来ないといいますか…。トルコの人たちにとって、お酢はどんな存在なんですか?
実はトルコの人たちにとってのお酢って、日本人にとってのおしょうゆみたいなものなんです。「ちょっと味が足りないな」と思ったときスープやサラダに加えたり。テーブルビネガーとして食卓に常備しているそうです。
少し変わり種のところでいうと、トルコでは野菜を洗うときにお酢を使うそうです。部屋を掃除するときにもお酢を使うのだとか。
——しょうゆレベル、あるいはそれ以上!?なぜそんなに、トルコではお酢が身近な存在なのでしょうか?
トルコにはもともと、黒海やエーゲ海、地中海などに囲まれた、温暖で豊かな土壌があります。そのおかげでぶどうやりんごをはじめとする果実の産地としてすごく有名なんです。ワイン好きな人にとっては、アナトリアワイン(トルコワイン)も人気ですね。
そのくらい果物やワインが有名なので、当然、果実酢もよく知られていて、トルコの方にとって身近な存在なんです。
03自然発酵へのこだわり 驚くほどまろやかな味わいに!
——今回発売されるトルコのお酢「KEMAL KÜKRER(ケマル・キュクレル)」はどんなブランドなんですか?
「KEMAL KÜKRER」は1915年に創業したブランドで、ケマルさんがご自宅でぶどうを使ったビネガーを作ったのが始まりです。トルコ国内産の最高品質のぶどうとりんごを100%使用していて、現地では高品質で伝統的なブランドとして知られています。
ぶどうの収穫時期は8〜9月ですが、収穫したばかりの最高品質のぶどうをそのままトラックで運び出して、すぐに工場で水洗い・スクリュー粉砕するんです。すごい迫力ですよ!
また、100年以上続く伝統的な製法を守り続けているのも大きな特徴です。果実酢を作るときは、まず原料になるぶどうとりんごに酵母を加えて発酵させるのが一般的ですが、「KEMAL KÜKRER」はあえて酵母を加えず自然発酵させるんです。
さらにそのあと、通常なら菌を加えて酢酸発酵させる工程でも、菌の代わりにトウモロコシの芯を使って自然発酵を促しています。
——自然発酵にこだわっているんですね。それによってどんな効果があるのでしょう?
時間をかけてじっくり発酵させる過程を踏んでいるので、酸味が抑えられてまろやかな味わいになります。それに、ぶどうやりんごそのものがもつ風味がすごく引き立ちますね。
わたしもやっぱりトルコのお酢にはちょっとエキゾチックなイメージがありまして(笑)。ですが「KEMAL KÜKRER」はぶどうやりんごの香りがダイレクトに感じられて「こんなに風味がよいものなんだ!」と驚いたんです。すごくまろやかで使いやすく、普段の食卓にすんなり取り入れることができました。
——鈴木さんはどんなときに「KEMAL KÜKRER」を使っていますか?
わたしは普段からお野菜をしっかり摂りたいと思っているので、ピクルスにして常備菜に。毎晩食べています。
あとはすっきりしたいときに炭酸で割り、ジャムを加えて飲んでいます。ブルーベリーやリンゴジャムがよく合いますよ!
04「KEMAL KÜKRER」で風味絶佳♪おすすめ素敵アレンジ
料理にもドリンクにも♪まろやかな酸味と芳醇な香りを楽しむ簡単ビネガー活用法
果物の風味とまろやかな味わいが特徴の「KEMAL KÜKRER」は、料理にもビネガードリンクにも使える、万能ビネガー。料理が苦手でも手早く作れる♪簡単レシピを二品ご紹介します!
ぶどうのモヒート風 ノンアルビネガードリンク
ぶどうの果実が入ったビネガードリンクです。フルーツと一緒に食べることで酸味もよりまろやかになって、ぶどうの食感も楽しめます。おやつ感覚で、お子さんもお試しいただける一品です。
05食卓にトルコや地中海の風を!シェフ考案のとっておきレシピ
——トルコのお酢についての解説とおすすめレシピのご紹介、ありがとうございます!がぜん興味がわいてきたのですが、今回、お酢の発売に際しておふたりのシェフにサポートいただいているとか…。
はい、エリフ・アガフルシェフと山崎 大輔シェフに「KEMAL KÜKRER」を使用したレシピを考案いただいています!
エリフさんは、阿佐ヶ谷にあるトルコ料理店「イズミル」のシェフです。トルコのご出身で、日本在住歴は約20年。トルコ料理の名門組織「トルコ調理師協会」にも選出されています。
トルコはアジアとヨーロッパにまたがる唯一の国で、トルコ料理にはアジアとヨーロッパ両方の食文化が取り入れられています。そのため、日本人もおいしく食べられるんです。
山崎さんは、広尾の「アンティキ・サポーリ」という南イタリア料理店でシェフをされている方。イタリア南部のプーリア地方で長く修行されていたこともあって、地中海エリアの料理に精通していらっしゃいます。
普段の洋風料理にひと手間かけて、トルコを含む地中海エリアの料理を自宅で楽しむという視点から、地中海料理を考案いただきました。
エリフシェフと山崎シェフのレシピ、どちらもぜひ試してみてください!
トルコのフルーツビネガーを使った本格トルコ&地中海料理レシピ
トルコ風 万能トマトソース
トルコではピクルスと同じくらいポピュラーな存在だというトマトソース。パンに塗ったりパスタとあえたり、ディップソースにしたりとまさに万能です!「日本の方にぜひ知ってもらいたい!」というエリフシェフの熱い思いで実現したとっておきのレシピです♪
トルコ料理のシェフ直伝 チョバンサラタス(羊飼いのサラダ)
エリフシェフ直伝♪トルコで人気の定番サラダです。むかし羊飼いが山へ食材をもっていき、羊の放牧中にその場で作ったサラダが名前の由来と言われています。材料を切って調味料とあえるだけなのですごく簡単!ビネガーを使うことでよりまろやかでフルーティーな味わいを楽しめます♪
地中海風 魚介のマリネ
山崎シェフ考案♪スーパーで手に入る材料で作れて、いつもの料理をワンランクアップしてくれる魚介のマリネです。ポイントはオレンジをスライスして加えること。ビネガーのフルーティーな味わいともマッチし、色合いも華やかなので前菜やおもてなし料理にもぴったりです!
若鶏のビネガーソース
「このビネガーはお肉のソースにもすごく合う!」という山崎シェフ考案のレシピ。地中海料理では、ビネガーをお肉などのソースに使うことはよくあるのだとか。日本ではあまり馴染みがないからこそ、いつものお肉料理とは全く違った味わいを堪能できるはずです。
なんとなくイメージしづらかった「トルコの果実酢」ですが、どうやら思っていた以上に幅広く利用できる万能な調味料だとわかりました。やわらかな酸味と芳醇な香りで、料理のレパートリーの幅をグンと広げてくれそうですね。
地中海の太陽をたっぷり浴びた果実の一大産地、トルコからやってきた「KEMAL KÜKRER」。ぜひいろんなシーンで取り入れて、トルコ旅行気分を味わってみませんか。