クリスマスは食事をいつもより豪華にして、みんなに喜んでもらいたいですよね。
そう思う一方で、費用や手間がかかるのを心配されている方も多いはず……。
そこで今回は「クリスマスのごちそう」をテーマに、簡単なのに見栄えがするレシピや、お手頃価格でもしっかりごちそう感を出せる“豚肉”のオススメ調理テクニックをまとめました。
- みんなに聞いた、クリスマスメニューのアイデア
- こじまぽん助さん直伝!「ローストポーク」をおいしく作るには?
- 簡単&時短オススメレシピ2選
- あなたはどんなクリスマスメニューを作りますか?
01
みんなに聞いた、クリスマスメニューのアイデア
まずは、「味のもト〜ク」のメンバーに、“理想のクリスマスメニュー”について聞いてみると、「手間が少なく特別感のあるレシピ」や「おいしさと見栄えを両立したレシピ」を求めていることがわかりました。確かに、手間が少なく、おいしくて映えるなら言うことなしですよね。
そこで、「味のもト~ク」メンバーが実践している、そんな理想を叶えてくれるようなレシピや知恵を教えてもらいました!
当日あわてることなく準備ができそうでいいですね!
トリュフ塩があるだけで、味と香りがワンランクアップ!ひと味違った特別感のある料理を楽しめますね!
シーズンを避けるだけで食費を抑えることができるなんて、実践しない理由が見つからない!今年のごちそうには、骨付き鶏もも肉をチョイスしてみてはいかがでしょう?
02
こじまぽん助さん直伝!「ローストポーク」をおいしく作るには?
今回はさらなる理想のレシピを求めて、「AJINOMOTO PARK」が考えたのは「ローストポーク」です。見栄えのするかたまり肉でも比較的お手頃な豚肉を使い、クリスマスにぴったりな特別感のある料理ですよね!!
そこで、YouTubeやレシピサイトで「日本イチ丁寧な家庭料理レシピ」を発信している、分子調理学研究家・こじまぽん助さんに、ローストポークをおいしく調理するための方法やコツを教わりました。
インタビューした人
分子調理学研究家
こじまぽん助さん
──研究されている 「分子調理学」は、どういった学問なのでしょうか?
ぽん助さん:一般的にいわれる「料理」は、学校で習う科目にすれば家庭科です。 これを理科として捉えると分子調理学になります。既存のレシピや調理に「本当に正しいんだっけ?」と問いを立て、科学的に検証したり見直したりして、よりおいしくできる方法を作り直しています。
── 分子調理学の観点から、ローストポークをおいしくするためのコツを教えてください!
ぽん助さん:まずお肉は、チャーシューを作るときに選ばれるような、脂身が比較的多い豚肩ロース肉を使うと良いと思います。
豚バラ肉も定番ですが、脂身が多く、ある程度の量を食べる想定のローストポークだと脂っこさを感じる方もいるはずです。スーパーでも手に入りやすく、価格もお手頃という観点からも豚肩ロース肉をオススメします。
また補足ですが、脂身が多いお肉は「筋(すじ)」が多く、この筋にあるコラーゲンは肉の中に含まれるものも合わせて、水分がある状態で長時間加熱すると「ゼラチン変性」と呼ばれる現象が起こり、柔らかくなります。これが煮込みやオーブンによる加熱で、肉が柔らかくなる原理です。ですから、脂身が少ない(=筋が少ない)もも肉、ヒレ肉といった部位は煮込みやオーブン料理に向かないわけです。
そして、気をつけたいのは焼き方です。豚肉を焼く際、食品衛生法の規格基準では安全のために「肉の中心部分が63℃の状態で30分間以上加熱すること」を定めていますから、それを守りつつもおいしく仕上げるのがポイントです。
── どうすれば上手に焼けますか?
ぽん助さん:オーブンを使いましょう。肉の中に水分が残りやすく、やわらかく仕上がりやすくなります。肉を焼くと58℃頃からたんぱく質が硬くなり始めますが、68℃を超えるとたんぱく質が水分を放出し始める「分水作用」が起きます。だから、火入れの加減を誤ると水分が肉から出てしまい、パサついた食感になってしまうんです。
熱が物質によって伝わる現象を「熱伝導」と言います。熱したフライパンで冷たい食材を焼くと、フライパンから食材へ熱が「伝導」するわけです。
そして、熱伝導は、気体よりも液体、液体よりも個体のほうが、熱がより伝わりやすくなります。空気の熱伝導率は、水などに比べると非常に低いのです。人間が100℃のお湯に触るとすぐ火傷しますが、100℃のサウナ室に入っても大丈夫ですよね。オーブンって、空気(気体)で食材を加熱していく方法で、庫内はいわばサウナ状態なんですよ。
オーブンを使うと熱伝導率が低いので、食材にゆっくりと火が入ります。そうすると、豚肉の色味が変わる63℃の温度帯を長く続けられて、時間はかかりますが、放っておくだけでおいしく作れますよ。
── オーブンがない!という場合はどうしたらいいですか?
ぽん助さん:その場合は、ゆでる方法をオススメします。ゆでる方法は、誰がどんな環境でやっても同じように仕上がりやすいんです。ハーブや塩で下味を入れる必要がありますが、おおむね僕が以前に発表した「焼豚」のレシピを見ていただければ失敗知らずだと思います。
ポイントは水から下ゆでをしてから焼き色をつけること。その方がハーブの香りがちゃんと出ますよ。ただ、先に表面を焼くようなレシピも世の中には多くありますよね。僕が何度も検証した結果として、多くの人にとって「ベターな方法」は「ゆでる→焼く」だと考えてオススメしています。
レシピでよくある「焼く→ゆでる」手順の課題は「焼き加減の見極め」を誤ると、その時点でたんぱく質の熱変性由来の硬さが出てしまい、ゆでる過程でやわらかさを取り戻すことはできなくなってしまうんです。
要は「焼き」の温度コントロールが難しいということです。火の強さ、鍋の材質・厚み・サイズ、熱源、調理時の肉自体の温度、肉の厚みといった変数が異なります。これが「ゆでる→焼く」の手順にすると、その変数をかなり減らせるんです。さらに「焼き」を最後にすると、メイラード反応で起きる香ばしさが、しっかり残るメリットもあります。
── 確かに焼き加減は難しいですから、失敗しにくい方法は嬉しいですね!
ぽん助さん:もう一つ大切なのは、提供するときの温度です。温度によってかなり食感が変わるんです。
先ほども触れましたが、豚肉の脂身と赤身を結着している部分にはコラーゲンがあり、加熱すると「ゼラチン」になります。ゼラチンの量が多ければ多いほど、やわらかい食感になるんですね。ですが、温度が下がると、ゼラチンはまたコラーゲンに戻ってしまいますから、温かい方がやわらかく、脂がとろけて、よりおいしく感じます。
前日に作り置きするようなら、切り分けずに保存を。先に切ってしまうとコラーゲンが流れやすくなるので、食べる直前に温めてゼラチンに戻してあげたほうがいいですね。電子レンジで温めてから、切り分けて提供しましょう。お子さまがいらっしゃるご家庭では、脂身があまり入らないようにしてあげると食べやすいです。
── オススメの味付けや付け合わせはありますか?
ぽん助さん:個人的には「甜麺醤(テンメンジャン)」がオススメです。つけて食べると北京ダックのような仕上がりになります。付け合わせにはぜひこちらのマッシュポテトがオススメです!
ぽん助さん:マッシュポテトは、じゃがいもは弱火でゆでる。じゃがいもの皮の香りを活かす。たっぷりのバター。この3つのポイントを意識しながら作ってみてください。
03
簡単&時短オススメレシピ2選
ここまで、みんなの実践レシピやローストポークを紹介しましたが、「AJINOMOTO PARK」にも「肉料理」のレシピがたくさん掲載されています。今回は「クリスマスにぴったりな豚肉レシピ」に絞って、オススメを2つ紹介します。
豚肉と玉ねぎをソテーして調味料を加えるだけ!子どもたちが喜ぶ一品です。
フライパン1つで完結できる豪華なおかず。洗い物が少なくて後片付けも楽チン!うま味調味料「味の素®」が効いたソースでご飯がすすみます。
04
あなたはどんなクリスマスメニューを作りますか?
クリスマスも目前ですが、ぜひ、みなさんのご家庭で「人気&定番のクリスマスメニュー」も教えてください!
また、コミュニティサイト「味のもト~ク」で今年のクリスマスで食べたものをシェアしていただけるとうれしいです!
2023年も残りわずか。あなたにとって素敵なクリスマスを過ごせますように。