日々、料理をしていて頭を悩ませることが多いのが「あまり食材」。安売りでたくさん買い込んだ野菜や、便利だからと買い置きしている乾麺など、そのままあまらせてしまうことも多いですよね。「食材をいかにあまらせずに使い切るか」は永遠の課題といえるかもしれません。
そこで今回、「AJINOMOTO PARK」では食の学び舎「food skole(フードスコーレ)」さんとともに、「お家に眠りがちな食材を楽しく大変身!」をテーマにした配信クッキングイベントを開催。講師にand recipeの山田英季さんをお迎えして、あまりがちな食材や調味料を使った料理を実演してもらいました。
食材や調味料を上手に楽しく使い切るポイントをお伝えします!
講師
and recipe代表
山田 英季さん
1982年生まれ。フレンチ、イタリアンレストランでシェフを歴任。2015年11月に、(株)and recipeを立ち上げ、「ごはんと旅は人をつなぐ。」をテーマにしたサイトの運営、レシピ開発、飲食店プロデュースなどをおこなう。note「Reizoko ni ALMONDE」にてレシピを更新中。
note「Reizoko ni ALMONDE」
進行
food skole
平井 巧さん
foodskole校長。広告代理店での企画営業を経て独立。foodloss&waste の課題解決を手がける一般社団法人フードサルベージを設立。食のクリエイティブチーム株式会社honshokuでは、食にまつわる企画制作を行う。2020年より食の学び舎「foodskole(フードスコーレ)」を開校。
進行
調味料事業部
浅生 博信さん
「Cook Do®」中華・韓国醤シリーズの開発・販売マーケッター。醤(ジャン)があるだけで、おうちで作るメニューのレパートリーが無限に広がる!そんな楽しい食生活を多くの人にお届けするために日々奮闘中。
- 種類も理由もさまざま。お家に眠りがちな食材たち
- 豆板醤を油で炒めておいしい!「肉味噌と白菜のピリ辛あえ麺」
- 溶かし水まで有効活用する「シーフードとあまり野菜のチヂミ」
- みなさんからの質問に山田さんが回答!フードサルベージQ&A♪
- 料理のアイデアは自由!楽しみながら食材を使い切ろう
01種類も理由もさまざま。お家に眠りがちな食材たち
まずはじめに、司会・進行を務める「food skole」の平井さんから、「ご自宅で眠りがちな食材」に関するアンケート結果の発表がありました。お家に眠りがちな食材の代表はというと…
もてあましている理由としては…
さまざまな食材がいろいろな理由でお家に眠っていることがわかります。
こうしたお家に眠る食材をどうすれば、サルベージ、すなわち救い出すことができるのでしょうか。さっそく山田さんにコツを教えてもらいました!
02豆板醤を油で炒めておいしい!「肉味噌と白菜のピリ辛あえ麺」
はじめに実演いただいたのが、アンケートでも挙がっていたあまり食材、白菜と乾麺を使った一品目「肉味噌と白菜のピリ辛和え麺」。
白菜というと、根元の部分をどれくらい切り落とせばいいか迷ってしまうことがありますが、「白菜の根の部分にも栄養があるので、ご家庭で食べるぶんにはほぼ捨てずに活用してよいと思います」と山田さん。
また、今回は白菜でしたが、もやしやにんじんなど、他の野菜でも大丈夫とのこと。
具材を切り終わったところで、肉味噌の調理へ。先ほど刻んだしょうがとにんにくをフライパンで炒め、香りが立ってきたところで豆板醤を投入。
「しょうゆが焦げた香ばしい香りって、みなさんお好きですよね。豆板醤を油で炒めるときも同じことが起きていて、風味を際立たせたり、味に奥行きを出したりすることができますよ」(山田さん)
豆板醤を油で炒めるのは、このレシピのポイントの一つ。「みそ汁や納豆に入れてもおいしいですが、使うタイミングをかえるだけでまったく違ったおいしさが楽しめるんですね」と、豆板醤の万能ぶりに思わず膝を打つ味の素社の浅生さん。
ポイントは、茹で上がった麺を冷水で締めてあげること。表面のぬめりがとれるだけでなく、茹でることで抜けてしまったコシを取り戻すことができるのだそう。
「意外とみなさんやらないんですけど、冷凍うどんも一回締めるのがおすすめ。コシが強くなっておいしくなるので、ぜひやってみてください」(山田さん)
また、うどんの茹で汁にも活用法が。山田さんは、うどんを取り出した茹で汁にすかさず白菜を投入。こうすることで、うどんの風味が白菜に下味をつけてくれるのだとか。お湯も再利用できて、節約の心がけにもよさそうです。
「冷水で締めたうどんをもう一度茹で汁に戻します。すると、うどんの表面がツルっと締まった状態で、なかだけを温かくすることができるんです」(山田さん)
茹で上がったうどんと白菜を盛りつけ、ごま油を少々。先ほどの肉味噌をのせれば、「肉味噌と白菜のピリ辛和え麺」の完成!!
肉味噌と白菜のピリ辛和え麺
肉味噌がうどんによく絡み、食が進む一品♪白菜のシャキシャキした食感がアクセントになって、飽きさせません。味の決め手は、「Cook Do®」熟成豆板醤。油で炒めることでさらに風味が立ち、豊かな辛さとまろやかなうま味が楽しめます!
03溶かし水まで有効活用する「シーフードとあまり野菜のチヂミ」
二品目は、「シーフードとあまり野菜のチヂミ」。
まずは、あまりがちな野菜の一つ、長ねぎの青い部分を斜め切りに。捨ててしまう人が多い部分ですが、有効活用できるとっておきのアイデアを教えてくださいました。
「大きめに切って、植物性の油で焦げそうになるくらいまで炒めるとねぎ油が出てきます。チャーハンやスープの仕上げに使うとおいしいですよ。
あとは、ねぎをみじん切りにしてごま油で炒め、塩こしょうを。これを焼いたお肉にのせたり、おろしポン酢を加えてしゃぶしゃぶのタレにしたりすると、すぐに使い切れると思います」(山田さん)
さまざまな調理法を知っていると、食材の無駄な部分ってほとんどないことがわかりますね。
続いて、冷凍シーフードミックスを解凍していきます。ここでのポイントは、解凍の仕方。
「シーフードミックスを解凍して出る水には、えびやいかなどから出たうま味が含まれているので逃さず使いましょう。今日は、チヂミの生地を作るときに使う水をシーフードミックスに混ぜて、シーフードを溶かしていきます」(山田さん)
チヂミの生地には、小麦粉と片栗粉を使用。片栗粉が加わることで焼き上がったときの食感がカリカリに。
フライパンがあたたまったら、はじめにねぎとシーフードミックスを炒めます。先に具材だけを炒めることで、余分な水分が飛んでうま味が凝縮され、香りも強くなるのだとか。
「炒めるときは、あまりかき混ぜすぎないのがポイント。フライパンの温度が下がって、べしゃっとした仕上がりになってしまいます。
実は放ったらかしておいても意外と焦げないんですよ。火を通すことより、しっかりと焼き色をつけながら、食材の余分な水分を抜いていくことを意識するとよいと思います」(山田さん)
続いて、ごま油をたらし、生地を回し入れていきます。生地を焼くときは、フタをせずに放置し、焼きあがったらひっくり返す。
表面を2回くらい焼くとカリカリに仕上がるそう。生地を入れる前、生地をひっくり返したあとにごま油を入れて、揚げものっぽく仕上げるのも、おいしく作るコツ。
最後にチヂミのタレを作って、完成です。
シーフードとあまり野菜のチヂミ
魚介のうま味がギュッと凝縮された生地は、なかがもちもちで外はカリカリ♪口に入れた瞬間、進行役の二人から思わず笑みがこぼれた絶品チヂミです。「Cook Do®」コチュジャンのコクと深みのある辛さが、素材の味を引き立てます。
チヂミと同じ韓国料理、ナムルもあまり野菜を消費するのにもおすすめなのだそう。
「韓国では、野菜の数だけナムルがあるといわれています。軽く茹でて、ごま油と塩としょうゆであえれば、それだけでナムルに。
単品のナムルじゃなくて、ほうれん草やにんじん、もやしなどを一緒にあえるのがおすすめですね。たくあんを加えるとこれがまたおいしいんですよ(笑)」(山田さん)
04みなさんからの質問に山田さんが回答!フードサルベージQ&A♪
イベントでは、配信中にチャットを通じてみなさんからたくさんのご質問をいただきました。あまりがちな食材や調味料に関するお悩みを解決する、山田さんならではのフードサルベージのアイデア♪ぜひ、今日からお試しください!
「小麦粉と併用すると、どんどんなくなっていくと思います。チヂミのように、小麦粉を使う料理にちょっと片栗粉を混ぜると、揚げたあとしばらくしてもサクッとした食感が楽しめますよ」(山田さん)
「ブロッコリーの茎は、ブッロコリーと一緒に使ってください。硬いところをむいて、茹でたり、小さく切って炒めものやカレーに混ぜてもいいですね」(山田さん)
「オイスターソースをよく使います。焼きそばに使ったりするほか、乳製品とも相性がよくて。クラムチャウダーに入れたり、カルボナーラに入れたりするとコクが増しておいしくなります。バターと一緒に使うのもおすすめです」(山田さん)
「出がらしであれば、焼酎やウォッカに浸けると、味が移っておいしくなりますよ」(山田さん)
05料理のアイデアは自由!楽しみながら食材を使い切ろう
「食材をあまらせずに使い切ること」を義務感でこなそうとすると、なんだかちょっと疲れてしまいますよね。でも、「だいたいのものはおいしくできるので心配なくやってくれれば」という山田さんの言葉通り、いろんな食材や調味料をアイデアを使って、まずは自由に楽しむことを心がければいいのかも。
そんなふうに、ちょっと肩の荷をおろしてくれるイベントでした!
おうちで眠りがちな食材を大変身!
サルベージクッキング:
「AJINOMOTO PARK」× food skole